1兆回以上にわたるアメリカの小売サイトへのアクセスから収集したデータを分析しているアドビは、11月28日のブラックフライデーのアメリカのEコマース売上高が前年比9.1パーセント増の118億ドルに達し、過去最高を記録したと発表しました。ブラックフライデーというと、実店舗での購入が主流でありましたが、現在はホリデーシーズンにおけるEコマースはアメリカの消費者にとって、主要な購入イベントとしての地位を確立したと言えそうです。
この傾向はアメリカに限ったことではありません。世界中のEコマースプラットフォームを利用する15億人の消費者のオンライン支出を追跡しているセールスフォースの発表によりますと、ブラックフライデーにおける世界全体のオンライン支出額は、前年比6パーセント増の790億ドルであったそうです。11月1日から12月15日までの期間を見ますと、オンラインショッピングの売上総額は前年同期比7パーセント増の1兆330億ドルに達しました。また、この1ヶ月半の期間におけるオンライントラフィック量は、世界全体で前年比12パーセント増、アメリカでは10パーセント増でした。
購入デバイスを見ますと、アドビのデータでは、11月1日から12月1日までの期間に、アメリカの消費者はオンラインショッピングで1,374億ドルを支出、そのうち53パーセントがモバイル端末からの購入ということです。ただその一方で、モバイル端末での返品処理は39パーセントで、返品手続きには主にデスクトップ端末を利用しているという結果もでています。
ところで、セールスフォースによる今シーズンの購入特徴に関する見解によりますと、単に支出が増えただけでなく、より賢い買い物が行われているということです。デジタルリサーチに費やす時間が大幅に増加し、アメリカではサイト滞在時間が35パーセントも増加しています。消費者が情報に基づいた購入決定へと移行している現れでしょう。これに関連していると思いますが、最近話題のAIはEコマースでも重要な位置付けになってきています。セールスフォースによりますと、AIエージェントと生成AIツールは世界のEコマース売上の22パーセント、アメリカのオンライン売上の18パーセントに影響を与えたとのことです。これらのAIエージェント検索チャネルは、ホリデーシーズンの最初の2週間で小売ウェブサイトへのトラフィックを最も多く誘導しており、消費者がブラックフライデーなどが始まる前にリサーチを開始したためと説明しています。また、ウェブサイトに独自のAIショッピングエージェントを導入している小売業者は、同時期に競合他社を上回る業績をあげているそうです。AIショッピングエージェントを導入している小売業者は、導入していない小売業者の約2倍のペースでEコマース売上を伸ばしています。11月1日から12月15日までの期間、AIショッピングエージェントを導入している小売業者は前年比7.2パーセントの売上増加を記録したのに対し、同等のAIテクノロジーを導入していない小売業者は3.6パーセントの増加にとどまりました。AIの利用がEコマースでの売上を左右し始めていると言っても過言ではないでしょう。