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韓国を上手に料理して自分のものにすべき?

日本で影響力が高まる韓国
昨今、韓国の影響力が高いことを痛感します。それはビジネスでも、商品のトレンドでも。だからこそ、それを上手にどう調理できるかが重要なのだとも思います。

先日、チャネルトークのJayさんから「韓国のECは5年先を行っている」と聞きました。その要因に、自社ECが多く、店舗が自立している部分が大きいと話しています。彼曰く、韓国では、女性アパレルだけでも自社ECは4万店、存在する。元々韓国でもモールが台頭し、必然的に多くの販売者を集めることになりました。でも、その反面、売りやすい商品を軸に、商品と人で溢れていました。韓国の場合、モールの数が10個に及んで、その割に顧客に差はなく、パイの取り合いになったのです。

つまり、店は広告でビジネスを構築することに、疲弊し始めて、それで求めたのが自社ECだったというわけです。

変な言い方になりますが、一足早く「売ることに専念する小売業」から脱却したわけです。「あそこの店舗より安く売ろう」というような発想から抜け出せて、個々の価値を守り、市場拡大を見出せたというわけです。モールがダメと言っているのではなく、店の自立の上に、売り場を作っていくということに価値があるということです。

グッズ面でも韓国カラー色濃く
韓国の影響は、グッズ開発の面でも色濃くて、だから侮れないなと思っています。つい先日、東京・池袋で『Sanrio Lovers Party』というイベントが行われました。そこに多くのZ世代、α世代(Z世代の下の世代)がいて、大元を辿ればこれも韓国です。

元々、韓国の釜山の『Sanrio Lovers Club』というカフェ&ショップをモチーフにしたものです。サンリオのコンテンツを韓国に持ち込み、現地のトレンドを取り入れてカフェにした期間限定店が、結果、ブレイクして、日本に逆輸入されているわけです。

全面ピンクで彩られたフロアは「かわいい」表現が日本よりもストレート。ゴージャスさをデフォルメした内装でもありました。ゴージャスさのデフォルメは、2000年代前半のパリスヒルトンなどのセレブファッションを意図していると思います。それこそがトレンドのY2Kに匹敵し、「Y2K」とは2000年代前後のファッションを指します。日本ではその時代のカルチャー(「ちょべりば」などの女子高生の言葉、ファッション)も含めて、今リバイバルが起きています。実は、Y2Kで牽引しているのが、韓国の人気歌手「New Jeans」という具合です。

追う立場になった日本
今まで追われる側だった日本と、追う側だった韓国。その立場が完全に逆転する契機は、どこなんだろうと思いました。以前、Jayさんに話した時に、1990年代後半の通貨危機ではないかと話していました。
韓国はどん底まで落ちて這い上がる過程で、思考がグローバルになり、元々の気質として、行動に対しての効果検証が早かった。

それに対して、日本は形になるまでの間に時間をかける。恐らく2年〜3年くらいはかかるといっていて、「韓国の人が韓国で日本を見ていたら、待ちきれなくなる気持ちもよくわかります」とJayさん。

ただ、それを嘆いても仕方ありません。
その早さを利用し、良い部分は日本に取り入れ、日本独自の商売を築き上げるべきでしょう。ECの話に戻して考えると、参考になるのが「Little Rooms」というショップを運営するand 代表取締役 平 貴衣さんの言葉でした。

それこそ、Jayさんから紹介された韓国の『nugu』というECプラットフォームのイベントに呼ばれた際に、出会ったのが彼女でした。今や、彼女は講演に呼ばれるほどの売れっ子になっていて、何気なく、その講演で彼女の言葉に触れてハッとしました。

韓国を上手に日本流にアレンジ
「Little Rooms」というお店が重んじているのが、「小さな幸せ、愛おしい暮らし」というコンセプトです。彼女たちの会社はSNSなどの運用を行うメディアを軸としていて、その中で最初の頃こそ、試行錯誤が続きました。

暮らしの提案こそしていたものの、それはファミリー層を意識したものだったから。視点の良し悪しに関係なく、まだ20代前半である彼女は、インサイトを抑えきれていなかったわけです。伸び悩む中、一人暮らしのワンルームを、SNSに入れたところフォロワーが増加しました。

そこでそれに近い価値観を求めていったところ、「ソファッケン」という韓国の言葉に辿り着きます。「小確幸、小さな幸せ」という意味合いで、それが彼らの会社のコンセプトを作り出す契機となります。今や女性が社会進出して、都市に集中し、核家族が進む中で、「小さくとも価値ある生活」は日本にも求められており、韓国モチーフで部屋を提案していく。結果、そのSNSのブレイクとともに、そこに掲載されている商品への問い合わせが増えます。しかし、殆ど韓国の商品ですから、自ら売ろうということになり、それが「Little Rooms」というお店を立ち上げる契機になったのです。

少なからず、韓国が先行している部分を受け止めつつ、いかにそれを日本流にアレンジしながら、独自の価値を築いていくか。ここに飛躍のヒントがありそうな気がします。
今日はこの辺で。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 石郷 学

(株)team145 代表取締役


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