それで良い?父の日・母の日「特集ページが古典的な構造でCVRを下げていないか」
代わり映えしない見飽きた【特集】からの脱却
母の日も乗り越えた、父の日もなんとか一段落した、残すは夏の商戦だ、ラストスパートがんばるぞ!と、日々イメージトレーニングしながら、今から訪れるイベント商戦の準備にお忙しいと思います。
ただそのご準備中の「商戦特集ページ」、果たしてそのままで良いでしょうか。
「大丈夫、今までのA/Bテストで、ランキング・予算別・カテゴリ別、で最適化されてます」と、胸をはってお答えになられる方がほとんどだと思われますが、ふと気づけば過去の資産に頼りっきりの、やや古典的なメニューで、「お客様に飽きられている」可能性があるかもしれません。そこで今回は、日々更新されるウェブの記録を公開して下さっている、おなじみ「Wayback Machine」を使って、昨年度の2023年、どんな「父の日特集ページ」のトレンドだったのか、チェックしてみました。
Wayback Machine URLを入力するとそのサイトの過去の状態を確認できるツール。
https://web.archive.org/
昨年の父の日特集ページの傾向って?
以下は上記ツールに「父の日特集」で検索した際に表示された上位サイト(2023/05付近)と、その特集メニュー構成です。
①楽天市場:定番・予算/トレンド・お父さんのタイプ
②アマゾン:定番・お父さんのタイプ、
③郵便局:カテゴリ・予算・ピックアップ
④Yahoo:商品・予算・質問形式、
⑤婦人画報:人気ランキング・カテゴリ・予算・おすすめ、
⑥JA:カテゴリ・予算・お父さんのタイプ、
⑦ベルーナ:おすすめ商品・予算・お父さん別・年代、
⑧無印良品:お父さんのタイプ・予算・アイテム
となりました。さすがいずれも網羅的に売れるメニューはしっかりおさえていらっしゃいます。
一方、注目は「お父さんのタイプ」です。たとえば、楽天なら、甘党、グルメ、お酒派、ゴルフ好きなどの「好み・趣味」や年代、また、義父、ダンナなどの関係性から商品を選びやすくしています。この傾向は、アマゾン、JA、ベルーナ、無印良品など、アクセス解析やA/Bテストツールを組み込んでいるサイトで多く見られます。上位8サイト中5サイトが採用していることからも、もし、まだ実践計画をされていらっしゃらない場合は、各サイト構造をチェックして、2024年の今期に活用して行くべきかと思われます。
あえて逆張りの「無印:父の日特集」
ただ、こうした「大勢がやっているから正しい」理論に対して、へそ曲がりのアインシュタインよろしく「我が道を行く」路線が「無印:父の日特集」です。
「無印良品」さんが特徴的だったのが、他のサイトは予算やカテゴリを最初に配置しているのに対して、「お父さんのタイプ」から選ばせる構造になっています。
さらに、お仕事頑張るおとうさん、おしゃれ好きのおとうさん、体型が気になるおとうさん、と「感謝を届けたい」という一貫したムードを感じます。
「売れやすい並び方」も重要だと思いますが「愛のある並び方」によって「このサイトから父の日ギフトを送りたい!」と、数値化できないコンバージョン率向上の「エモーショナルな要因」をお作りになられているのは、さすが無印さんだな、と勉強させて頂いた次第です。
お疲れ気味のウェブ担当者の皆さんも、ぜひご参考になられてみてください。
JECCICA客員講師 宮松 利博
得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。
RIZAPグループ社創業時の商品開発とマーケティングを手がけ3年で年商20億円に成長、上場と同時に保有株を売却し、Webコンサルティング株式会社ISSUNを設立。日本イーコマース学会を立ち上げ、産官学連携にも取り組む。