2024年の振り返りと2025年の未来予測
みなさま、新年あけましておめでとうございます。
2025年の新春を迎え、心より新年のご挨拶を申し上げます。
私、株式会社Eストアー企画設計室のマネージャーを務めております豊島と申します。Eストアー歴11年目にして、JECICCAさんのコラム初登場となります。
Eストアーをご存じではない方向けに少しご紹介させていただきますと、当社は1999年に設立され、今年で26年目を迎えます。国内自社ECカートとしては最古参の歴史を持ち、その間に取り巻く環境や流行は大きく変化してきました。今回は、企画設計室の視点から2024年の振り返りと2025年の未来予測についてお話しさせていただきます。
2024年は、EC業界においても多くの変化がありました。その中で特に記憶に残ったのは以下のトピックでした。
生成AIの本格導入
ECサイト運営においても、カスタマーサポートやコンテンツ制作に生成AIが広く活用されるようになりました。AI関連サービスが急拡大したことによって、企業規模や人員数に関わらず、高度なマーケティングが当たり前に可能となり、これまでそれらを優位性として捉えていた企業にとっては、競争環境がより多様化しました。
ライブコマースの増加
一時的な流行にとどまらず、ライブコマースの利用が着々と増えました。特に国内外のプラットフォームがライブ配信機能を強化したことで、新しい集客チャネルとして多くの事業者に採用され、カスタマーにも定着するという循環サイクルが生まれた為です。
ショップサーブの店舗さんでも売上の大半がライブコマースという店舗さんも増えています。
物流2024年問題
労働力不足や規制強化の影響を受け、配送遅延やコスト増加が業界全体の課題として浮き彫りになりました。一方で、ポジティブな側面もあり、これを機に物流最適化を図る動きも加速しました。先日、お話を聞いた某アパレルブランドさんの話によると年商数百億円を1日30分程度で受注処理できているようです。理由はまさにOMS/WMSを含んで物流を最適化した為です。
これらの課題やトレンドの中で、国内のEC市場はコロナ禍でのオンライン購入の定着を背景に、前年比で緩やかながらも成長を続けました。当社が提供する「ショップサーブ」を利用する店舗さんでも、集客の費用対効果の悪化といった逆風の中、着実な売上成長が見られた1年でした。
これらの流れを受けて、2025年はどのような動きが予測されるのでしょうか。以下に、企画設計室の視点から考える主なポイントをまとめました。
オンラインとオフラインのシームレス化
従来、ECサイトや実店舗は別々のチャネルと考えられてきましたが、2025年はこの境界をさらに意識しなくなると予測されます。
実店舗、ECサイト、SNSを意識しない買い物体験が当たり前となり、消費者は場所を問わずシームレスな購買を期待するでしょう。これに対応するため、当たり前に多チャネル対応が必要になると考えています。
ソーシャルコマースの浸透
TikTokやInstagramといったSNSプラットフォームでのコマース体験は、一時的なトレンドではなく、主要な販売チャネルとしての地位を確立すると考えます。
特に動画コンテンツの活用が重要性を増し、商品使用例やレビュー動画の活用が進むことで、カスタマーはオンライン上での購入前により詳細な情報を得られるようになります。
私も最近、TikTokでよく見るキムチ屋さんがあり、動画でとてもおいしそうなキムチが紹介され、注文したことがありました。
個別対応のサービス向上
2024年に広がったAI活用が2025年にはさらに進化し、ECサイトのパーソナライズがより向上すると考えます。これはパーソナライズツールの種類が増え、競争により、コストが最適化される為です。
たとえば、顧客ごとに異なるサイトデザインや表示内容を自動で最適化する技術がさらに普及し、個々のニーズに応じたサービス提供を受ける機会が増えると思われます。顧客にしっかり向き合える企業が、競争優位性を高めていくでしょう。
2024年はEC業界にとって変化の1年でした。2025年も引き続き、生成AIを中心としたとんでもないスピードでの技術革新や消費者の多様化するニーズに対応しながら、より良い購買体験を提供できるように皆様と一緒に業界を盛り上げていければと存じます。
最後に、本年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますことを心よりお祈り申し上げます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

JECCICA理事・講師 豊島 恵太
EC得意分野/食品通販支援
大学卒業後、照明メーカーを起業。2013年、株式会社Eストアー入社。サポート、セールス、コンサルタントを経験し、現在は企画設計室のマネージャーとしてECの未来を作る活動
を行う。