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2018年頭所感 雨宮 雄一

新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

2017年は、国内外の様々な政治環境に翻弄されつつも、経済的には好況と言える1年でした。
小売業界でも、多くの業種で売上が前年実績を超えており、消費者の消費意欲は底堅かったと見受けられます。

EC業界おいては、全体としては引き続き成長基調です。総務省の家計消費状況調査(2017年第三四半期)によれば、
インターネットを利用した支出額(ひと月の平均、世帯当たり)が3万円を超え、前年比130%程度の高い伸びを示しています。
一方、宅配便のコスト上昇が多くのEC企業を苦しめたものと思います。2017年は、売上はそれなりに好調なのだが、
利益的には厳しかったというような年だったのではないでしょうか。

私は、2017年も小売・EC関連のM&Aに携わって来ましたが、2018年にも通じるテーマとしては3つ挙げてみたいと思います。

1つ目は、昨年も触れた事業承継です。
後継者不在という理由から会社・事業の売却を検討される経営者(株主)は本当に多いです。
特に、リアル店舗中心の小売業の高齢経営者が、ECへの展開の必要性を理解しつつも自社にECを推進出来る人材がいないので、
ECを積極展開してくれそうな企業に売却したい、というケースは何回も目にしました。この流れは今後も続くと思われます。

2つ目は、人材不足を解消、あるいはアウトソースしていた機能を内製化するためのM&Aです。
現在の採用マーケットは完全な売り手市場で、有用な人材を確保するには時間もコストも掛かってしまっています。
売り手市場の影響で、各種アウトソース費用もジリジリと上昇しています。
EC業界では、EC企業がサイトデザイン・制作会社やシステム開発会社を買収する、というような、流れが出来つつあります。

3つ目は、新しいテクノロジーを組み込むためのM&Aです。
EC業界でも、AI、ビックデータ解析、VR/AR、音声認識、ライブコマース...言葉は踊りますが、様々な取り組みが
行われています。この時、EC企業が最先端の技術を持つベンチャー企業に出資し、当該技術を独自活用していくケースが
増えて来ています。

これまでM&Aというと、飛び道具のようにに思われてきましたが、EC業界においても合理的な戦略的選択肢として市民権を
得て来ていると感じています。

このような時代だからこそ、いつでも自社が買収側に回れる、ないしは、売却することが出来るよう、「基本を磨く」ことと
「進化をする」ことに邁進しなければなりません。また、ショップを支えるサービス提供者側は、ショップの「本質的課題」を
解決する一手を提案する必要があります。

JECCIAとしては、「基本」を大切にしながらも「進化」出来るEコマース人材を育成していくべく、引き続き努力していく所存です。

最後になりましたが、皆様方におかれましては、この一年が希望に満ちた躍進の年になりますよう心からお祈り申し上げ、
年頭のご挨拶とさせていただきます。

雨宮 雄一プロフィール写真

JECCICA専務理事・講師 雨宮 雄一

EC得意分野/大規模EC運営、EC事業M&A フォーセンス・パートナーズ(株)代表取締役パートナー公認会計士。 コンサルタント歴20年、小売業の経営改革とM&Aに精通。 元HMVジャパン社長としてEC事業運営にも従事。


 

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