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「伝える」と「伝わる」のあいだに Vol.8 弱った人への言葉とケアの姿勢【前篇】

うおー。8月初旬コロナに罹患しました(2年ぶり2回目)。3日ほどの発熱で済んだのでかなりの軽症。同じ家にいる夫が無症状だったのも幸いでした。
しかし私が寝込んだ3日間、夫婦でよく口論になりましたね(LINEで)。これはふだん頑強な私が体調を崩して寝つくと起こりがちで、主に私が夫の行動についてムキーとなるパターンです。
というわけで今回は、誰かが弱った時の思いの伝え方や姿勢について書こうと思います。なんと前後篇です!

★まず「大丈夫?」がない問題
「うちの奥さんが体調崩した時に限って喧嘩になるんだよな…」
会社に勤めていた頃、同僚のD君がランチの席でそうぼやきました。
「俺は最大限気を使ってるつもりなのにすごく怒られるからイヤになる。熱出して機嫌悪くなってるのかなあ」と彼は言います。私はふと思いついて聞いてみました。
「D君さ、そういう時、奥さんにまず『大丈夫?』って言ってる?」
「え?言ってないよ」
「…それが原因。間違いない」
「え!え?マジ?そこなの!??」

皆さんはいかがでしょうか。「俺はいつも言ってるよ」「えっ、言わんけど?」など色々あると思います。たかが「大丈夫」されど「大丈夫」。確かに言ったところで事態は何も変わりゃしないけど、そういう問題ではないんですよね。

「大丈夫?」という問いかけは「あなたのことが心配ですよ」という気持ちの発露です。弱った人に最初にそれを伝えることはとても大切だと私は思います。
心底しんどい人がいちばん最初に聞きたいのは「じゃ予定リスケで」(実務のみ)、「そんなら外でメシ食ってくるわ」(自分のことだけ)、「俺も死ぬほど疲れてるよ」(しんどさマウント)、などではありません。「私はあなたを気にかけている」という寄り添いの言葉です。ワード自体は「大丈夫?」でも「しんどいの?」でも「それはつらいね」でも何でもいいのです。

うちの夫もかつては「大丈夫って言わないよ絶対」マンでした。そこで私は「一切感情が伴わなくていいから、まずは第一声を『大丈夫?』にしてみてくれ」と言いました。彼は了承しました。そうして言葉をただ機械的に口にし続けていたら、いつのまにか「まずは相手の様子を気にする」という感情が後からついてきたようです。今では「帰りに何か買ってくるものある?」と連絡してくれるようになりました。

★「経過を見守りケアをする」がない問題
最初に「大丈夫?」をクリアすればOKかというとそうでもありません。
今回、夫は確かに「大丈夫?」とたずね、必要な飲食物を買ってきてくれました。家の中で顔を合わせると心配そうな顔はしてくれます。でもそこまでなのです。
飲み物も食べ物もどんどんなくなる。寝汗がすごくて寝巻きもシーツも毎日ぐっしょり。体調も体調も刻一刻と変わってゆく。その「経過」には無関心でノータッチ。ついに耐えきれなくなって言いました。「私がお願いしたり自分でやったりする前にちょいちょい様子を伺ってはくれないか」と。
「心配はしてるよ!」という彼に「心配ってのは心配そうな顔をすることじゃない!経過をチェックしてケアをすることだ!」と返してしまいました。

「絶えず経過を気にして目を離さない」、これに関しては圧倒的に男性の方が苦手な人が多い印象です。
まあ今回は私自身が軽症だし、買い出しの指示も洗濯も自分が頑張って何とかこなせました。でもでもこの先2人とも年老いてゆくわけで、「言われないとやらない」「経過は気に留めない」に慣れるのはすごく危険だと思うのです。「弱った人間にもある程度の判断力と行動力があるはず」という前提に立った楽観は、緊急事態を見逃す恐れがありますから。

・まず相手の心身の心配をし、言葉にして伝える。
・自分ができることはないか聞いて実行する。
・経過をこまめにチェックし、相手ができないことはやる。

相手が弱っていればいるほど、これらが多すぎることはないと私は思います(もちろん「構われたくない」という人もいるでしょうがそれはまた別として)。
今回は夫婦間のケアを実例として出しましたが、踏み込みの度合いは違えどこういうことは仕事や人間関係の上でも起こると思うのです。悩みや体調不良を抱えた部下や同僚、友人、身内。そういう人と対峙した時にこれらのことに気をつけて動いてみると、関係性や信頼度は確実に変わってくると思います!

JECCICA客員講師

コピーライター 近藤あゆみ

Lamp 代表
博報堂コピーライターから(株)ネットプライス・クリエイティブディレクターを経てフリーに。企業のMMVやネーミング、サイトディレクションなど手がける。恋愛コラムやブログも人気を博す。


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