ストリーミングTV
2024年12月のニールセンの発表によりますと、下グラフにあるとおり、ストリーミングサービスはアメリカの総テレビ消費量に占める合計シェアを前年の35.9パーセントから43.3パーセントに大きく増加した一方、ケーブルテレビのシェアは28.2パーセントから23.8パーセントへと減少しました。
ほぼすべての主要なサブスクリプションビデオオンデマンド(SVOD )と無料の広告付きストリーミング(FAST)で個人利用率が大幅に上昇しました。中でもYouTubeが8.5パーセントから11.1パーセントに、Netflixが7.7パーセントから8.5パーセントに、Amazon Prime Videoが3.3パーセントから4.0パーセントにと、トップ3のシェアが増加した一方、第4番目のHuluは2.6パーセントから2.5パーセントへとわずかに減少しました。HuluはDisney+に完全に統合されたことから、数値のカウントにおいて若干の誤差があったのかも知れませんが、個人的な感想としては、Huluは途中でフリーズすることが多く、そのプラットフォームに原因があるのではないかとも感じています。
ところで、アメリカの地方放送テレビ業界団体であるTVBによる、4,000人を対象としたストリーミング加入者の傾向や広告の視聴率に関する調査によりますと、Netflix、Disney+、Maxの加入者の半数以上が広告を見ていないというデータがでております。Netflix加入者の61パーセント、Disney+加入者の53パーセント、Max加入者の57パーセントが、割高ではありますが広告なしのプランを選択しているということです。また、広告を見たYouTube視聴者の74パーセントは、それをスキップするか、スキップできない場合はコンテンツから離れてしまうというデータもでています。ストリーミングTVに関しては、広告のあり方が今後変わってくる可能性がありそうです。
最後に、Netflixは2024年第4四半期の新規加入者数が約1,900万人となり、3ヶ月間の加入者数としては過去最高を記録したと報告しております。これにより、Netflixの全世界の加入者数は合計3億200万人となり、ストリーミングプラットフォームとしては最多となります。その成功要因は、注目度の高いライブスポーツイベントおよび新番組にあり、今後もこの分野でのサービスを強化していくようです。が、またサブスクリプション料金の全面的な値上げも発表しており、加入者としてはどのストリーミングTVに加入するか再考する必要もありそうです。
ちなみに私は、プロモーションのタイミングを見計らって、Netflix、Hulu/Disney+/ESPN+バンドル、Max(旧HBO)、Peacockに加入しており、プロモーション期間が過ぎるとキャンセルする予定でおります。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。