約6年半ぶりのアメリカ滞在で感じたこと(コロラド編)~
今年5月に久しぶりにUSに行ってきました。新型感染症の世界的な流行もあり、気がつけば約6年半ぶりの渡米でした。今回は現地のリテール事情を多少なりとも体感できればと思い、短いながらも住む、そして生活するという目的を持って向かいました。当初の計画としては1ヶ月ぐらいは滞在したかったのですが、なかなか予定が空けられずに結局14泊16日という中途半端な長さになってしまいました。少なくとも2週間の行程は確保したかったので最低ラインは何とか確保できたかなというところです。コロラド州スーペリアというところに7泊、シカゴに3泊、またスーペリアに4泊しました。6月の会報誌で初めてのシカゴに関しては少しだけ触れさせていただいたので、今回はおそらく4度目のコロラドに関して書いてみようと思います。
懐かしの街スーペリア
今回最も長く滞在したのはコロラド州のスーペリアというところです。こちらに滞在するのはこれでおそらく3度目です。デンバー国際空港から車で約40分ぐらいで、デンバーとマラソンで有名になったボルダーの間くらいのところにあります。スペリア・マーケット・プレイスがすぐ隣にあり、ターゲットやコストコ、ホールフーズ・マーケットなどがあるのでとても便利です。フレッシュが充実しているのでヘルシー志向のホールフーズ・マーケットも魅力ですが、私は何でもありのターゲットが好きです。本当はトレーダージョーズが好きなのですが、残念ながらここにはありません。2021年の年末の火災で街のかなりの部分が失われたそうですが、現在ではかなりきれいに復旧されているように見えます。ちなみにターゲットには無人レジがあり、クレジットカードだけではなくキャッシュでの決済も可能でした。コインも投入できますがお札は一枚ずつしか受け付けません。まとめて入れたらまとめて吐き出されました。それもすごい勢いで!なぜかとてもアメリカ的だと感じてしまいました。
ルイスビルのファーマーズ・マーケット
アメリカにはルイスビルという地名がたくさんありますが、こちらはコロラド州のルイスビルです。スーペリアの隣町です。高い建物がなく落ち着いた街並みはとても素敵で住みやすそうな印象です。土曜日の午前中に開催されるファーマーズ・マーケットでは、地元で採れる果物や野菜、パンやはちみつ、コーヒー、石鹸などが販売されています。南米のよく知らない国の食べ物などにもかなり興味をそそられます。カード決済も可能ですが、以外に現金が喜ばれているようにも見えました。少額決済なのでコード決済とかがもっと普及すればよいのにとも思いますが、難しいですよね。
ボルダーはなかなかの高級住宅地
前回渡米時には行けなかったボルダーにも今回は行くことができました。マラソンの高地トレーニングで有名になった街です。シャトークア・パークからのフラットアイアンの美しさが大好きです。リテール研究的には古い街並みを残したパール・ストリート・モールが素晴らしいです。日本ではショッピングモールといえばある種の建物を想像してしまいますが、ここは通りというよりはひとつの街です。様々なお店が立ち並び、一日楽しく過ごせます。ボルダーだけではなくコロラド全般に言えると思いますが、この辺りはロッキー山脈の麓なので寒暖の差が大きく、日差しと乾燥対策は必須です。初めて訪れた時に、乾燥していてビールを飲んでも酔わないのでちょっと走ったら激しく息切れしてしまってひどく後悔したのは強く印象に残っています。
円安円安というけれども…
今回は確かに円安の時期に当たってしまったようです。デンバー直行便だったせいもありますが航空運賃も思ったより高かったです。もちろん現地の滞在費、ほとんどが食費ですがやはり想定よりもかかってしまいました。今日(8月20日)現在のレートは1$=146~7円です。私が渡米していた時期は159~161円くらいでした。6年半前に両替した現金が少し残っていましたが、2017年12月に115.19円で両替していましたのでそれは少しだけ助けになりました。今はとても考えられませんが、私が子供のころはまだ360円でしたし、それは1971年まで続きました。今はどのくらいが適当なのかは私にはなんとも判断できませんが、帰国して日本の物価の安さと便利なお店にほっとしたのも事実です。100円ショップやコンビニを普段からそれほど利用するわけではないのですが、日本には安く済ませることができるお店がたくさんあると改めて感じました。ちょっと表現が難しいのですが、これは安心かつ経済的に生活するためにはとてもよいことだと思うのですが、競争力の面では必ずしもよいことばかりではないのではと思われます。
百聞は一見に如かず
今回の滞在は久しぶりに私に多くのものを感じさせ、与えてくれたようです。久しぶりに見るもの、聞くもの、感じるものがすべて新鮮でした。帰国してから多くの方とアメリカの話をさせていただきました。また今年はオリンピック開催年でもありパリに行った時の話もかなりする機会がありました。私がパリに行ったのは2014年12月ですから、もう10年も前の話になってしまいましたが…。あの時に行くと決めてよかった。それが正直な感想です。行けるときに行くチャンスを逃してはなりません。自身の実体験に勝るものはないのです。
最後に
私が滞在していたスーペリアの部屋の窓の下の通りには毎日黒いトラックがやってきました。毎日です。そのトラックには『Time files when Prime delivers』と書いてありました。ここにも量と時間と戦っている人たちがいるなぁ…と思いました。
JECCICA客員講師 和田 務
株式会社シーズファクト代表取締役社長 クライアントサイドに立ったITコンサルティングを経営、業務改善、物流といった幅広い視点から行い、企画から運用・保守まで全てのフェーズでのプロジェクト支援が可能。複数のITベンチャー企業の設立・経営に参画し、幅広い人脈を生かしての新規ビジネスの企画、アライアンス提案も行う。