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受注 〜注文が1日10件以上(受注管理ソフト有り)

JECCICA客員講師 長山 衛

nagayama

 

ネットショップで受注数が増えてくると、対応のきめ細やかさにも限界が来ます。

多くの店舗では、月商200万円を超えて来る辺り(1日10件以上)では受注処理の効率性を意識し始めるでしょう。

これまで受注が入るたびに処理を行ったりと、時間に余裕があるから出来た事も改めてルール化を考えて進める必要が出てきます。

私の経験を踏まえて、受注管理ソフト導入ルール化についてご説明します。

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考え方

そもそも受注管理ソフトを導入すると言うことは、業務効率化を図ることでコストの削減と売上アップの施策に注力するものになります。

受注管理ソフトを導入すること自体がリスクとならないように、導入時に検討しておきたい項目を以下にまとめます。

  1. 受注規模 (最大受注時を想定)
  2. 機能 (自社の業種に合致するか、出店先に対応しているか)
  3. サポート体制
  4. 期間と費用

 

1.受注規模 (最大受注時を想定)

ネットショップの場合、季節商材を取り扱う事も多いため平月の受注処理件数と最大ピーク時の受注処理件数では大きくかけ離れています。

平月の処理件数が少ない時をベースに受注管理ソフトを考えてしまうと、いざピークを迎えた時に問題が発生することもあります。

そのため最大ピークを想定した上で、ピーク前には導入してテスト運用期間をしっかり設けることを推奨致します。

 

2.機能 (自社の業種に合致するか、出店先に対応しているか)

現在、受注管理ソフトは数多く販売されております。ソフトによって特徴も様々です。

自社の業種に合致しているか吟味をしましょう。

例えば、食品に関しては配送区分(冷蔵・冷凍・通常)も多く、農産物や水産物は発送時期が全く分からない事があります。そのような対応でも問題なく利用出来るかどうか事前に機能を確認しておきましょう。

イレギュラー対応が多い店舗の場合、特に注意する必要があります。

また、出店先のASPやモールに受注管理ソフトがそもそも対応しているか確認を忘れずに。

 

3.サポート体制

受注管理ソフト会社のサポート体制が実は凄く重要です。

何故なら、ASPやモールの機能変更によっては、これまで使えていた機能が突然使えなくなるリスクもあるからです。

サポート体制が充実している会社では、そのようなタイミングでも早急に対応をしています。

受注処理はお客様対応に直結するため、問題がないように進める必要があります。会社の選定を見誤ると後々になって大変なことに発展します。

サポート体制が万全の会社では、常に連絡が取れますので、是非この点を把握すると良いでしょう。

1社の話だけで決めるのではなく、必ず複数社に打診をし、直接営業の方に話を聞いて相性の良い企業を選定しましょう。

 

4.期間と費用

最後に導入期間と費用を検討します。

期間は、受注管理ソフト自体の導入期間もありますが、店舗としてどのタイミングで導入するべきか考えておきましょう。

一番リスクの少ない(=受注処理が少ない)時期を設定するのが望ましいですね。

また、費用に関してもパッケージ購入なのか、月額支払いなのか会社によって様々です。

店舗運営におけるキャッシュフローも考えた上で最適なソフトを選定するようにしましょう。

 

効果

受注処理ソフトを導入することで業務効率化が飛躍的に向上します。

これは時間とお金の2つの視点でプラスになります。

時間が増えることで、本来の売上向上のための商品開発やサイト作りに時間をかけることが可能になります。

お金に関しては、人件費を削減することが可能になります。

某大手ネットショップでは、1日1000件でも1人で受注処理を行っているケースもあります。

但し、注意する必要があります。効率化を考えるばかりに顧客対応が疎かになってはいけません。

基本的にシステムで対応可能なところは問題ないですが、お客様のお問合せは必ずチェックするようにしましょう。

多くはお届け日やギフト対応等の記載だと思いますが、時として見落とすとクレームに繋がる内容があります。

店舗にとってはたくさんある受注の1件に見えますが、お客様からすれば1対1のやり取りです。

成功している店舗は、システムに頼る内容と人的リソースをかけるべき内容の区分けをしっかりしています。

 

作業ボリューム

通常時であれば午前中に受注処理は完了すると思いますし、完了する体制が望ましいです。

受注管理ソフト導入前は、受注があれば都度対応していたかもしれませんが、受注管理ソフト導入タイミングでは改めて自社ルールの策定を推奨致します。

主に受注処理〆時間の設定となります。〆時間の決め方は梱包や配送準備から逆算して設定するのが良いでしょう。

現在では配送整備が進んだことで、当日出荷も増えております。

〆時間を1日2回正午と夕方にすることで、お客様ニーズに応える店舗もあります。

ネットショップのデメリットの1つは商品が届くまで時間がかかることなので、単純に短縮できるだけ顧客満足度は高まります。

とは言え、他の業務に負担をかけてまで進める内容ではありません。

この辺りは店舗コンセプトをどこに設定するかによりますので、是非じっくりと検討してみましょう。

 

まとめ

受注管理ソフトの導入は、バックヤードの体制作りに重要な要素です。

一度システムを導入すると、他のシステムへの切り替えには相応の負担も発生するため、最初に導入する時に将来的な展望も含めて選定する必要があります。

そして、社内の体制作りも同様に最初に作っておかなければ後からの変更は労力が大きくかかります。

何事も新しいことをやるにはエネルギーが必要ですが、それを乗り越えてこそ成長に繋がります。

売るためのプロモーションやサイト制作という業務も大事ですが、実はバックヤード体制の方が重要性は高いです。

一人一人の顧客対応という意識を担当者は必ず持つようにし、流れ作業で済ませない体制作りを心がけてください。

 

 

JECCICA客員講師 長山 衛

nagayama

過去12年で商品ページ作り込みを5,000ページ以上経験。そこから累計250億円以上の売り上げ樹立。ECデザイナーとして撮影からデザイン制作を前線で行う。

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