スポンサープロダクト広告「Amazon広告レポートは宝の山」
2018年12月より機能強化された「Amazonスポンサープロダクト広告」は、Amazon出品で売上を上げるうえで広告レポートの活用が有効と繰り返し説明してきましたが、こんな声が聞こえてきました。「Amazon広告レポートは、期間設定の期間が短くて参考にならない!」ある程度統計の期間が短いほど、新鮮なデータで解析できると思います。季節の特別なイベントを取り込んだ長い期間の統計データは、判断を狂わせます。半年、一年などの期間で統計データ解析しても、それは山、谷をならした平均的な凡データになりがちです。今回は、Amazon出品で売上を向上させるために必須の「Amazonスポンサープロダクト広告」をとことんみつめ、「広告レポートは、広告戦略の宝の山」と感じていただけること示したいと思います。Amazon出品で、売り上げを伸ばしていくには、「Amazon内検索で検索結果上位表示」、「スポンサープロダクト広告の活用」によりセッション数(閲覧)を増やす、すなわち来場者を増やすことが重要であることは言うまでもありません。JECCIC NEWS71で紹介しましたが、Amazonで売れるための基本は、「検索」であり、Amazonでのお買いものの70~80%は検索によって捜され、検索結果表示ページのTOPページ(検索表示第1ページ)の中から70~80%から購入確定するものと思われます。
Amazon出品で、売り上げを伸ばすには
ユーザーの求める検索キーワードによって、検索上位表示に成功すれば、当該商品ページのセッション数は上昇し、おのずと、「注文-商品評価」と繋がり、売上は、更に検索上位表示へと「正のスパイラル」に入ります。
この自然検索により、「正のスパイラル」に入る早さは、出品商品のトレンド力、需要などで異なります。認知されていない新商品を新規出品し、早期に売上を伸ばすには、「Amazonスポンサープロダクト広告」の活用が有効です。新しく機能が加わり、機能強化された「Amazonスポンサープロダクト広告」の具体的活用法を紹介します。
スポンサープロダクト広告を管理するには、セラーセントラル管理画面のヘッダーメニュータグ「広告」-「広告キャンペーンマネージャー」を開きます。
広告キャンペーンマネージャー
売上を早期に上げるためにスポンサープロダクト広告を有効に活用する方法は、Amazonが用意している広告レポートを利用し、効果分析の後、広告手法を修正していくことです。広告レポートによる効果分析のやり方、テクニックについてはJECCIC NEWS71で解説しました。
セラーセントラル管理画面のヘッダーメニュー〔レポート〕-〔広告レポート〕を開くと、以下の画面で6種類の広告レポートがエクセルファイルとしてダウンロードできます。
広告レポート
【広告レポートタイプ】
・検索ワード
・ターゲティング
・広告商品
・掲載位置
・購入された商品
・期間別パフォーマンス
それぞれの広告レポートの「インプレッション数」「クリック数」「広告費」「売上金額」「注文数」を降順にソートし(数の多い順に並べる)、広告グループ、カスタマーの検索キーワードを分析することで、売上向上のための広告効果の高い広告(ターゲティング)を見つけることができます。新しい広告レポートタイプに「掲載位置」というレポートタイプがあります。これは、スポンサープロダクト広告の入札の結果、該当広告がどこに掲載されているかを示すものですが、JECCIC NEWS71でわかりづらいというご意見をいただきましたので、再び解説します。セラーセントラル管理画面「広告」-「広告キャンペーンマネージャー」の「キャンペーン」-「広告グループ」-「掲載枠」を開きます。掲載位置は、以下の3ヶ所に分類されます。
①検索結果表示TOPページ上部
②商品詳細ページ
③その他検索結果ページ(トップ以外、2ページ以降)
キャンペーン広告グループ
①は、Amazon内検索結果が表示されるTOPページの一番上(先頭)に表示される広告です。
②は、各商品詳細ページ(広告主とは限りらず)の中で類似商品として掲載されるプロダクト広告です。
③は、検索結果表示TOPページ以外、その他の検索結果ページに掲載される広告です。
これら①~③の掲載位置の表示する割合を「入札額の調整」で調整することができ、「キャンペーンの入札戦略」が、入札が動的か、静的か、自動でアップするか、ダウンするかなど設定がわかります。
掲載位置でのインプレッション、クリック数、売上、各比率(%)を集計した例が次の表ですが、
この例では〔検索結果ページの上部〕での掲載が約50%ですが、他のジャンルでは、〔商品ページ〕に多く掲載されている例も多く見られます。広告レポートにより、どの掲載位置が、広告費用対効果 (RoAS)が好ましい状態かつかむことができます。「入札額の調整」のパーセンテージを調整することで、3つの掲載位置の割合を大まかにコントロールすることができます。
広告レポートタイプ〔検索ワード〕のデータは、ターゲティングを設定するマニュアル、設定しないオートに関わらず、出品者が設定した検索キーワードと、カスタマーが実際に用いたカスタマーキーワードをみることができ、「インプレッション数」「クリック数」「広告費」「売上金額」「注文数」などをみて効果判定ができます。
広告レポートタイプ〔検索ワード〕
上の表は、広告レポートタイプ〔検索ワード〕データの抜粋ですが、出品者が設定した検索キーワード(ターゲティング)とカスタマー検索キーワードが異なるものを抜き出しました。
広告レポートの活用として、
1) コンバージョンの有るカスタマー検索キーワードで登録していないものは、マニュアルのグループに
新しい検索キーワードとして登録する。
2) カスタマー検索キーワードにASINが入っているものを抽出分析する。
カスタマー検索キーワードにASINが入っているものは、そのASIN経由の来場で、コンバージョンが有る場合などは、ありがたい注文です。それと同時に、検索キーワードなどで直接来場いただいている訳でなく、他の商品詳細ページから、リンクをたどり来場された。言葉を換えれば、「前のページで、目当ての捜し物はなく、リンク先のこちらで見つけたということになります」なぜ、「前のページで、目当ての捜し物がない」のかはわかりません。集客力のある商品詳細ページで売れている出品商品かも知れません。集客力はあるけど、転換率の好ましくない出品商品かも知れません。そのASINを経由している事実は間違いありません。そのASINを解析する意義はあります。強くススメルのが、それら(コンバージョン有りで、カスタマー検索キーワードにASINが入っているもの)ASINリストを作成し、商品名と販売価格を付記することです。商品名中のワードは、Amazon内検索に強く影響します。それらリストから、今まで見えていなかったヒントが見えてきます。もちろん売上向上のためのヒントです。次に、広告レポートタイプ〔ターゲティング〕のデータですが、出品者が設定した検索キーワードの、「インプレッション数」「クリック数」「広告費」「売上金額」「注文数」などをみて効果判定ができます。
広告レポートタイプ〔ターゲティング〕
広告レポートの活用として、
1)それぞれの項目の数値を確認し、各キーワード(ターゲティング)の入札金額を見直します。
2)コンバージョンなしで、クリック数が多く無駄と思われる広告費が発生しているものを除外キーワードの対象とすることを検討する。
2018年末に強化されたAmazon広告レポート機能、6タイプの中で、「掲載位置」「検索ワード」「ターゲティング」を解説、活用法を紹介しました。新しくなった広告レポート機能の利用に意義を感じておられない方、「分かりにくくとっつきにくい」とお思いの方もおられるかも知れません。新しくなった広告レポート機能は、利用していくうちに、いいところが見えてきます。正に「広告レポートは宝の山」です。是非、ご活用ください。
JECCICA特別講師 松橋 正一
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。