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EC運営の再構築化支援におけるECコンサルタントの視点について

最近特に増えてきていると感じるのは、事業を承継した二代目や三代目の社長が既存の自社EC運営においての再構築化を図るケースが多いということです。

またそれに伴い、今までECを必要としていなかった業種のEC事業の参入も目立ってきているように思います。

今回は、「EC運営の再構築化」と「今までには無かったEC参入を図る業種」において、ECコンサルタントが必要とする視点にフォーカスしたいと思います。

まず、再構築化や新規参入においての背景の要因として多いのは、

  • 「事業承継に伴い、新しい経営者の課題としてECへの参入もしくは再構築化」
  • 「製造メーカー、卸業種による直売スタイルの確立化」
  • 「気がついたら周りの同業がECに本格参入していた。」
  • 「実店舗では目立たない会社が、ECで業績を上げているという事実」
  • 「ベンダー様による成功事例の多い地方セミナー」
  • 「BtoBサイトシステムのレベルアップと低単価化」

などが挙げられます。

やはり「拠点を変える事無く、全国を商圏に出来る」というECのメリットを考慮すると、本格的な再構築化や新業種の参入化は企業戦略としてはずせない傾向にあるようです。

まずスタートを切る前に見られる企業体質のケースが2つほどあります。

  • ①即行動に移せる事が出来る企業
  • ②用意周到でないとスタートが切れない企業

があるという事です。

①においては、事前に運営資金が確保されており、即戦力として機能する外注チーム及び、そのコントロールを行う経営者や担当者に対して、的確に支援する体制となっており、ECコンサルタント中心に、初動より精度の高い戦略策定やベンダー選定、販促、運営計画等がなされていたりします。

精度の高いスタートダッシュが切れるという事は、やはり成功の確率も高くなりますね。

②においては、競合調査はおろか、ECトレンド等、最新の情報を掴んでいない状態で新たに社内チームの立ち上げからのスタートが多く見受けられ、ベンダー選定においてもネームバリュー志向になりがちで、コストやスキルに見合わない環境構築化が進み、気がついたら進んでは戻り、戻っては進むを繰り返す体質となり、無駄な時間だけが過ぎていく事に違和感を感じつつも、結果的にECサイトが立ち上がることがゴールになってしまっていたりします。

勿論①、②といった企業体質において、ECコンサルタントの大きな役目として、経営者に対し一歩立ち止まらせ、EC運営戦略における様々な判断と決断を促す素材を提供することが必要言えます。

また、いきなり運営指導から行うのではなく、まずはその企業が持つ様々な要素を引き出し、その企業として最良といえるEC運営戦略構築においての支援を行う事が、ECコンサルタントとしての力量と言えます。

ここで、ECコンサルタントとして企業支援を行う際、最初に確認するべき10の項目を挙げてみます。
(対象は個人事業主含む、中小企業となります。)

この10の項目において、ECコンサルタントが経営者(運営責任者)と向き合う事で、その企業が定める目的と成果が明確な状態でスタートが切れるので、非常に効率もよく、また、企業として健康的な状態での支援受け入れが可能になります。

  • 1、業界の背景

    なぜECに力をいれていく必要があるのか?

  • 2、販売商品の強み

    販売商品にどのような特徴や強みがあるのか?

  • 3、販売商品のユーザーウォンツ度とニーズ度

    末永く販売を行っていける商品(もしくは商流)なのか?

  • 4、現時点での運営スタイルのイメージ

    その企業に最良な支援内容組む為、現時点でのイメージの確認、把握を行う。

  • 5、モール、自社サイト上にある徹底的な競合調査

    同業他社の現在とこれからの動向を見据えた勝算判断を行う。

  • 6、運営スタッフ、既存ベンダー(既に導入していれば)担当者との面談

    EC運営経験の有無、または経験値レベルの確認、業務に対する想いなどの確認

  • 7、EC運営における現時点での短中長期ビジョン

    事業計画書などがあれば精査を行い、無ければ作成を促す。

  • 8、企業体質についての確認

    PDCAが理解されているか。稟議がスムーズに協議され、短期で可否が確認できるか等。

  • 9、現時点での販売計画の確認

    あれば内容確認の後精査。無ければたたき台作成の支援を行う。

  • 10、経営者(運営者)の温度感について

    企業がEC運営を行っていく事に対して「本気度がどの程度のレベル」であるかの確認を経営者(運営者)自らの声より伺う。

といったように、私の場合ECコンサルタントの支援基本原則として10の項目を定めています。

実際その企業の支援に入る際に予め自分なりの定義を持っておくと、初動よりブレのない支援が可能になるかと思います。

また、少々経営支援要素を含んだ内容も定めてありますが、やはり今の時代はECコンサルティングにあっても、最新テクニックやトレンド情報の提供のみならず、経営視点に立った促しや支援も必要であると考えています。

小林厚士プロフィール写真

理事【小林厚士のプロフィール】

地方型Eコマース経営・運営総合的アドバイザー
主な経歴
1996年:建設業にてCADとの出会いによりPCへの可能性に目覚め転職を決意
1997〜99年11月:自作PC制作、販売、環境構築、法人向けトレーナー
サービスを展開
1999〜05年3月:ネット販売会社設立 2箇所の海外支店をハブに、最大7店舗のネットショップ運営展開を行う
2005年4月〜:アイズモーションウェブコンサルティング設立
2007年6月:株式会社アイズモーション設立
2013年:WEB・EC及び経営コンサルティング支援を行い現在に至る

・99年より楽天市場出店を期に、最大7チャネルのECサイトを運営
楽天店舗では02年楽天ショップオブザイヤースーパーオークション賞受賞
・長野県・新潟県・富山県・山梨県登録専門家(IT部門)
長野商工会議所経営革新支援アドバイザーセンター 登録専門家
経済産業省中小企業支援ネットワーク強化事業 認定専門家

物販で培ったマーケティングノウハウを活かし、経営視点かつ現場最優先の実践的なコンサルティングを得意とする。

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