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ネットショップの教科書90 「EC運営者の守るべき3つの大切」を考える

本誌は、2013年5月に創刊、3名の理事挨拶から始まり、会のミッション、10名の特別講師紹介の掲載と続きました。そして本号が記念すべき第100号の発行です。8年と4ヶ月、素晴らしいです。JECCICAの運営に携わってこられた方々、協賛会員・協賛会社として支えてくださった皆さま、本誌の編集発行に携わってこられた編集委員の皆さまのお力あってのことと思います。関係者の皆さま、JECCICA会報誌第100号の発行、おめでとうございます。

さて、この記念すべき第100号、筆者が担当するコーナー「ECの教科書」ですが、紹介するのは東京オリンピック開催中の8月上旬におこったある事件から、戒めとして、備忘簿としての記録です。

筆者がECに関わった1998年から今年で23年となります。さすがに23年ともなると、その間に蓄積された画像、商品情報、サイト情報、顧客情報、各ソフトのログイン情報、各サービスのログイン情報などデジタルデータは膨大な容量となります。顧客より預かった大切なデータ、経験に基づき蓄積してきたノウハウデータを外敵の攻撃から守り、データ保管システムの保全に努めないといけません。そのような立場にいる筆者のバックアップシステムの根幹とも言える外付けHDD、あるはずのディスクのボリューム名が突如消え、当然、中のフォルダやデータが見えなくなりました。バックアップデータはいくつかのディスクに分散されており、そのうち、ネットワークに接続されていなかったHDDがかろうじて被害をのがれることができました。それでも最新のデータで確認できたのは今年5月のものです。

コンピューターのフォルダ、デバイスとディスク、ネットワーク

外部からの攻撃に備えてウイルスセキュリティソフトの配備、パソコンや周辺機器の安定使用には十分に注意していただけに、23年間の連続したデータを失ったと思った時はショックでした。
デスクトップのコンピュータアイコンを右クリックし〔管理〕-〔ディスクの管理〕

コンピュータのフォルダをみると、バックアップをセットしているディスク(M:)のボリュームラベル(名)がなく、ディスクが見えない以上、ファイルへのアクセスができません。

1)デスクトップのコンピュータアイコンを右クリックし〔管理〕を選択。
2)Windowsスタートボタンをクリックし〔ディスクの管理〕をクリック。

上記いずれかの方法で「ディスクの管理」を開くことができます。前述の画像で「ディスク3ベーシック931.51GB」が、ボリューム名なし、パーティションなし、未割り当てであることがわかります。このディスクは外付けUSB(TOSHIBA 3.1)ですが、このようになると内部のファイルを見ることができません。

念のため、以下確認してみました。

・同じパソコン内で別のUSBポートに接続。
・他のWindowsマシンに接続。
・Macマシンに接続。
・ケーブルを替えて接続。

いずれも、症状に顕著な差は認められません。ここで出ている

「ボリュームラベル(名)」「パーティション」「未割り当て」ってなんでしょうか?
本誌読者には、今さら聞けないというお立場の方が多いのではないでしょうか?

ボリュームラベルとは、Windowsなどのファイルシステムで、ストレージ(外部記憶装置)上に設けられた記憶領域やメディア(ディスク)に与えられる名前です。

パーティション分割とは、ひとつの物理ストレージ(HDD・SSDなど)を仮想的に複数に分割すること。パーティションは分割する仕切り板そのものにあたります。

未割り当てはパーティション又はフォーマットが破損している状態です。

未割り当ての場合は、パーティションやフォーマットを修復できれば元通りにアクセスできるようになりますが元のデータを消してはいけない事情がある場合は絶対やってはいけません!データを消してもいい場合は、以下の手順で復元・再設定します。

< データが消えてもいい場合 >
未割り当てになってしまったHDDやSSDの内部データが必要ない場合は、パーティションとフォーマットを再設定するだけで復元することができます。

①「ディスクの管理」画面で、未割り当てのディスクをクリック。
②下の画像の様に斜線が入っていることを確認します。
③メニュー「操作」をクリックし、「すべてのタスク」「新しいシンプルボリューム」をクリック。

④ウィザードの開始が表示され、「次へ」をクリック。
⑤ボリュームのサイズを指定し、「次へ」をクリック。
⑥ドライブ文字を割当て、「次へ」をクリック。
⑦フォーマット形式を選択(Windowsの場合、NTFS推奨)「次へ」をクリック。
⑧「完了」をクリックし、フォーマット実行。

<データの復旧が必要な場合>
未割り当てになったディスクからデータを復旧させたいときは、破損したパーティションを修復する必要があり、その場合のパーティションの修復には専用のソフトの使用、データリカバリー代行業者への委託など方法はいくつかあります。

【データリカバリー代行業者】

BUFFALOデータ復旧サービス
PC スマートライフ

【データリカバリーソフト】

MiniTool Power Data Ricovery
cgsecurity.org

データを残したまま、破損したパーティションを修復する場合、専用ソフトを使用するにしても、リカバリー代行業者に委託するにしても復旧の完全保証は得られず、リスクのあるものです。復元データが文字化けしている、一部のデータが欠損している、ファイル名が変更されている、など様々な不完全な修復結果となる場合があります。日頃よりこのような事態に陥らないように対策を心がけておかないといけません。

外付けハードディスクを認識しない原因は、

・物理障害
・倫理障害
・外付けHDDとのUSBケーブルやACアダプタの故障

が考えられ、それらを引き起こす要因として、ハードディスクの衝撃による故障、USBの安全な取り外し方法以外での取り外しでファイルシステムにダメージを与えた、外付けHDDへの電源供給不足、USBポート・USBケーブルやACアダプタの故障、悪意あるウィルス攻撃などがあります。

今回のトラブル原因は、はっきりしたことがわかりませんが、修理・データ復元に二週間ほどの期間を費やし、クライアント様にご迷惑をかけるなど業務に与えた影響は多大です。

私たちECに携わるものは、

・お取り引きいただく購入者や取引先の個人情報など機密保持の義務。
・ネットワーク上でデータを扱うものとして、外部からの悪意あるウィルス攻撃に対する防御。
・ネットワーク通信機器、ハードウェア、ソフトウェアの保全。

これらを常に意識し業務に当たる必要があると思います。

今回紹介しました内容は、前向きなものとは言えないかも知れませんが、ECに携わるものとして
「EC運営者の守るべき3つの大切」、筆者自身初心に帰る戒めとして本誌第100号に寄稿いたします。

EC運営者の守るべき3つの大切
・機密保持のお約束
・万全のセキュリティに努める
・通信デジタル機器の保安に努める

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 松橋 正一

EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。


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