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ネットショップ運営者(事業部)が行う業務の棚卸しタイミングとその内容について

ネットショップを運営していると、時代の変化や環境の変化に応じて、様々な施策を打ち出し、常に現況に対して優位性を持つべく対応していくという流れが、日常業務の中では当たり前という認識を持っている運営者や事業部が殆どであると思います。

勿論この考え方は正しく、臨機応変な部分も含めて対応が出来ているネットショップは日々惰性的な運営が行われておらず、当然のごとく良い結果が導き出されている事と思います。

しかし、上記の考え方や行動がネットショップ運営の根幹であるという認識だけでは、ネットショップの成長度合いに比例し、段階的に様々な支障が発生してくることでしょう。

発生する支障によっては、改善に多くの時間やコストが必要なものや、場合によっては取り返しの付かないことなどもあるので注意が必要です。

今回はそのような事態になる前に、事前に認識しておく必要がある優先順位の高いポイントをいくつかご紹介いたします。

・運営戦略が的確であるか
 販売テクニックに長けており、集客手法や販売手法など、常に最新の状態で運営が行われているが、常にテクニックについての情報収集にリソースを奪われていませんか? また、導入したテクニックについて、ある程度の期間有効に活用できるものであればまだ良いですが、すぐに劣化する手法は多く存在するので注意が必要です。これから更なる規模の拡大を狙う為に、進むべき方向が正しいかを確かめるべく、一度向き合う必要があります。

・本当に儲かっているのか
 売上げ目標は達成できているものの変動費がかさみ、実際のところ粗利率や粗利額が下がってしまったというケースも多く見受けられます。 新規や大手企業の参入によりネットショップの運営コストは年々微増していることに着目しなければなりません。低コストで高パフォーマンスが出せる要因として、様々な条件が良い方向に合致しているごく一部のネットショップでしかない事を予め認識しておく必要があります。

・プラットフォームが適正であるか
現在の売上げ規模や今後の展開を想定した際、日々活用しているプラットフォームについて、適正なジャッジするタイミングがあるかと思います。現在のプラットフォームで賄える規模や機能性に限界を感じてきた際にはプラットフォームの拡大や乗り換えを行っていくという考え方があります。まずはカートASPから始めたが、業績の拡大やノウハウの蓄積度合いによってジャッジを行った結果、オープンソースに乗換えを行ったところ、自社の方向性や考え方に合った運営が行えるようになり売上げが大幅に向上したといったケースも多く見受けられます。

・多店舗展開、専門店分散戦略をとるべきか
更なる売上げ拡大を意識した際、現在のショップ以外にも、様々なプラットフォームやチャネルへの多店舗展開や、主力商品に特化した専門店を新たに打ち出すのかなどといった戦略の打ち出しも、状況によって出てくると思います。 逆に、年輪経営を目指し、現在の販売環境のみに一点集中させていくという考え方もあるでしょう。
販売する商材や、販売戦略を考慮した上で、これからの展開において最良な策を打ち出す必要が出てきます。

・広告運用の精度はコストに見合っているか
 広告の運用から予算管理まで、社内で賄っているケースが多いですが、本来の成果が生み出されているのかを検証する必要があります。 広告管理の業務に時間を割かれ、本来の業務であるページの整備や販促企画、顧客管理などが厳かになっているネットショップが多かったりします。ノウハウのある広告運用会社に運用を依頼したところ、社内で管理していた時よりもコストが下がり、優秀な成果が出るといった事がおきたりします。結果的に、本来の業務への時間配分も増えることで効率的に売上げを上げることが出来る体制が作れます。

・社内スタッフのマネージメントについて
 業績が拡大していくと、売上げが増加する反面運営スタッフの負担も大きくなっていく傾向があります。
業務が増えることで、新たに人員の確保を行う前に、社内ルールの見直しや、効率化が見込めるツールやシステムの導入を検討する必要があります。見直しをかけることで業務を効率化することで、社内スタッフへの負担も大きく増えず、モチベーションの維持を行う事が可能です。 売上げ規模に応じた社内スタッフへの配慮は必須と言えます。

ネットショップの運営を行っていく際、業績にあわせた最適な環境や見直しや業務フローの改善は必要不可欠となります。
 
運営に必要な要素や業務毎に、それぞれのタイミングで的確な見直しや、方向性を正すことをしなければ、売上げの拡大はおろか、ライバルショップに負けてしまいます。 戦略の棚卸しは全てを一度に行うことはできませんので、それぞれに棚卸しをする時期を見計らい、確実に成長していく必要があります。

JECCICA客員講師

JECCICA理事・講師 小林 厚士

EC得意分野/地方型EC運営、戦略構築総合支援
地方拠点かつ海外事業部展開をしたEC企業経営で培ったマーケティングノウハウ及び実績を活かし、経営戦略的視点を重視した、現場最優先の実践的なアドバイスを得意とする。


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