【ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】37 ジャパンEコマースコンサルタント協会 川連一豊 代表理事〈「ポルトガルワインとオリーブオイル メルカードポルトガル」〉/一線画するウェブ・EC戦略で差別化
出荷のアウトソーシングやシステムをうまく使って、夫婦だけで運営しているネットショップがある。
それが、鎌倉に拠点を置く「ポルトガルワインとオリーブオイル Mercado Portugalメルカードポルトガル」(http://www.portugal.co.jp/)だ。
このお店の目玉商品は「オリーブオイル」。予約が殺到する人気商品になっている。
レビューを見ると多くのお客さまに支持されているのが分かる。
このオリーブオイルは広告や集客の施策はほとんど何もしていないのだが、コンスタントに毎月1500本ほど出荷するヒット商品となっている。
メルガードポルトガルが大切にしているのは、自分たちが選んで良いと思った商品だけを販売しているということだ。
実際にポルトガルまで足を運んで自分たちの五感で確認していることがヒット商品を生み出すきっかけになっている。
と言ってもなかなかできないことだが、毛利さんは足繁く通い、納得のいく商品だけを取り扱っている。
商品には自信があるということで、店長の毛利さんに聞くと「商品説明については、過度に誇張した表現にならないよう心がけている」とのことだ。
この辺りはさらりと言っているが大切なことであり、ページ上で言わなければならないことと過度な表現とは違うということは認識したい。
毛利店長に、2015年はどのような展開を考えているのかと聞いてみたところ、「お客さまから見たデザインの部分をなんとかしたい。
これまでサイトのデザインなどは自分たちでやってきましたが、そろそろ限界かなと思います。
サイトだけでなく、ギフト箱や紙カタログなどお客さまの接点となる部分のデザインを改善していきたいと思っています」とのことだ。
自社サイトについては昨年末に斬新なデザインでリニューアルしている。
「商品の販売だけでなく、ポルトガルという国やワインの情報を多く載せて、ポルトガルに興味を持った方が集まるサイトにしていきたいです」と毛利さんは言う。
現在、コンテンツマーケティングが流行っているが、地に足がついた毛利さんのウェブ・EC戦略は他のサイトとは一線を画している。
※記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。
JECCICA代表理事・講師 川連 一豊
フォースター株式会社代表取締役。年間システム流通額1700億円を超えるシステム開発やセキュリティ専門オムニチャネルのおもてなし戦略、米国やEU、アジアなどのクロスボーダーEコマースを進める。