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楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol㉟ CLUBHOUSEはラジオの深夜放送感覚か?

スマホとSNSの普及で変化した社会
この10年で、スマートフォンとSNS(ソーシャルメディア)が普及し、世の中が大きく変化しました。SNSは、個人が新聞社やテレビ局を持つようなイメージで、自分が発信したい情報を投稿し、価値ある投稿にはフォロワーが付く。つまり昔からある「口コミ」のコミュニケーションに原点回帰したようです。前回お話しした「特定な分野で大きな影響力を与える人」、インフルエンサーが、様々な広告媒体以上に顧客に影響を与えています。

「ツイッター、フェイスブック、インスタグラム」など、様々なSNSがありますが、そんなSNSに、今年に入り新たに「CLUBHOUSE(クラブハウス)」がサービスを開始しました。

音声だけのSNSはラジオ感覚
私の友人のクリエーターである熱海在住の佐藤リッチマンさんと、ニューヨーク在住のワタナベカツアさんは、ともに自分自身が主体となり、様々な情報を発信しています。

私は先日佐藤リッチマンさんのトークルームに入り、仲間内で夜に話をしましたが、先ず新鮮だったのは「音声」だけということです。これまでのSNSは活字や動画で、マス媒体に例えると「新聞・雑誌・テレビ」でしたが、そこに「ラジオ」が加わった感じです。仲間内でゆるくつながる声だけのトークルームは、DJ佐藤リッチマンにリスナーが電話をかけて何人かと話をするといった、昔懐かしいラジオの深夜放送を感じました。また同時に感じたのは、今は自粛期間で立ち寄れない馴染みのBarに立ち寄り、マスターや常連さんと話をするような「止まり木」の雰囲気でした。

一方、ワタナベカツアさんはニューヨークで、得意領域である「ビューティー」と「ファッション」をテーマとし、各界のプロをゲストスピーカーとした業界裏話の対談が好評で、毎週日本時間の、日曜午前10時からレギュラー配信を行っています。

CLUBHOUSEは、このように「仲間内のコミュニティツール」として、また「特定なテーマに応じたルーム」を立てることが可能で、使い方は人それぞれ。ゆるい仲間内の繋がり、ある分野のプロの対談、業界内輪話、ミニコンサートなど、時代と顧客ニーズに求められるコンテンツ発信が可能です。

CLUBHOUSEの価値とは?
CLUBHOUSEの特徴は、ログ記録が残らないので、「ここだけの話」ができますし、その時参加していた人だけが聞けるという「希少性」と、「聞き逃すと損をしたような心理」が働きます。また発信する知識やコンテンツを持っている人には、「不特定多数に発信」できて、さらに「直接受け手と話すこともできる」利用価値の高いツールです。

そのため有名人やセレブが参加することが続出しており、アメリカでは2月1日にテスラCEOのイーロン・マスクが、宇宙旅行や火星のコロニー、ビットコインなどの暗号通貨など「彼のベース」となるものについて話をし、そしてAIから新型コロナウイルスワクチンに至るまで、多くのテーマについて話しました。

活字は文字の入力が大変、動画は撮影が大変、そしてZoom飲みは顔出しが大変ですが、音声だけだとこうした不満解消につながるのと同時に、音声は目に見えないことからくる「空想や妄想」といった感性を生かす効果があります。

デジタルツールの広がりで新たなマーケットを拡大!
私が高校生の時、放送部で「ラジオドラマ」を制作したことがありますが、聴覚だけで入ってくる情報は、頭の中で様々なイマジネーションを掻き立て、ラジオCMにもそんな効果があります。

そのような観点で言えば、1981年以降に生まれ、2000年以降に成人した「ミレニアル世代」、更にはその下の1990年代半ばから2000年代初めに生まれ、スマートフォンしか持ったことのない「Z世代」は、ラジオを聴く習慣がその上世代より少なく、Z世代に至っては、電話よりもLINEを始めとしたメッセージでコミュニケーションする、あるいはYouTubeでダイレクトに視覚で認識する世代ですから、「耳で音声だけ」のコミュニケーションは、逆に新鮮なのかもしれません。
一方でABS世代にとっては、昔のラジオ深夜放送のようでもあり、電話のようでもあり、懐かしさがあるといえます。

いずれにせよ、こうしたデジタルツールやサービスを使うABS世代に対するシニアマーケティングは、これまでのアクティブシニアといわれた対象と大きく異なり、あらゆるコミュニケーション手段、そしてEコマースから新たなビジネスが創造出来そうです。

■ABS世代…昭和30(1955)年から43(68)年生まれの、若者時代にバブルを謳歌した世代。

何もかもが眼に見える時代に、耳だけのコミュニケーションは新鮮でイマジネーションを掻き立てる。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント


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