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EC化よりも活況!?B2Bの営業オンライン化。その成功のカギとは?

コロナ禍で新規開拓に成功しているオンライン営業
「足で稼ぐのが営業だ!」某サービスのCMでお馴染みのこのフレーズ、筆者も超体育会系を通り越して軍隊と例えられた業界屈指の営業部隊出身であります。このコロナ禍での営業部門の皆様のご苦労はお察し申し上げる次第です。そんな中、BtoC向けのEC化といったデジタルシフトをしのぐ勢いを見せているのがBtoB向けの「オンライン営業」です。

あるときはコンテンツ・マーケティングでアクセスを伸ばし、あるときはSNSで拡散、そしてまたあるときはPPC広告で刈り取る。もちろんホームページ上は、マーケティング・オートメーション・ツールでガッツリ商談化。あとは営業部隊がリモートでデモ・成約、といった具合です。

そもそもB2B営業の3種の神器といえば、1)DM、2)テレアポ、3)展示会でした。私も現役当時は受話器をガムテでグルグル巻きにした左手でテレアポの鬼と化していたことを思い出します。それでも1日せいぜい300件程度、苦行の割に実りも少ない根性論がものいう世界だったのです。

それにも増して今回のテレワークが進んだことで、テレアポしても会社に担当者がいない、もちろん郵送もFAXもDMが見られない、そもそも展示会やセミナーが中止になったのでリストが集まらない、とアナログ営業3種の神器に依存していた営業部隊では、「隊長!壊滅的ダメージにより撤退です!」の状態です。

一方、その苦境を脱しようと導入されはじめたのが営業向けオンラインツールです。代表的なツールとポイント、その落とし穴もご紹介してみたいと思います。

マーケティング・オートメーション・ツール(MAツール)
MAツールとは、大量のリストの中から見込み客を見つけ商談化するまでの手順を、主にブラウザとメールで自動化してくれるツールです。自動化とはたとえば、自社ホームページに訪れた新規ユーザが、製品Aと製品Bのページを閲覧したあとに問い合わせフォームや資料請求フォームを通過した場合は、1営業日後に製品A・Bを分かりやすく比較解説した連続3回のメールを送信しいずれかのメールが開封された場合は3営業日後に営業担当が電話する、といった流れです。

こうしたMAツールには「ずっと無料」を謳うものもありますが、中には不完全でかえってコストがかかるものもある印象なので、しっかり導入前に検証と吟味をしておく必要があると思います。

また、自動化のメリットは「大量」のアクセス数があってこそです。一日100アクセスもないホームページの場合が導入してもあまり意味はありませんので、まずは後述するアクセス数を増やす方法から考えた方が良いです。

・HubSpot:https://www.hubspot.jp
・b-dash:https://bdash-marketing.com
・マルケト:https://www.marketo.com
・Pardot:https://www.salesforce.com

オンライン営業(接客)ツール
MAツールで商談化まで進んだら、商談日やデモ日を決めていよいよ営業担当の出動です。ただしテレワークだったり、出社されていても面会お断りのケースがあります。そのような場合に資料説明などの営業手段として有効なのが、電話とブラウザを使ったリモート営業のための「オンライン営業ツール」です。

zoomやskypeじゃダメなの?という問いがよく出ますが、実際に案件をこなしてみると分かりますが、大きな違いは営業先がデジタルにあまり強くなくても環境が悪くても成約まで結びつけられる確率が高い、という点。これはやってみないとなかなか実感できない、分からない点だと思います。

また、成功して数が増えてきた場合にテレアポ代行もやってくれるというオプションがあるのでここを重宝されるケースもあります。

たとえば、営業先がデジタルにあまり強くない場合にzoomで商談すると、よく起こるのが弱い無線LAN環境で音声プツプツ切れ問題で肝心の部分が聞き取れてなかった、とか、先方のマイクが遠くて会話が弾まず営業の命でもある「関係性づくり」に失敗する問題、加えていざ商談当日に先方がzoomのインストールができない、マシントラブルが発生!など様々なハードルが発生します。

これはアポ数が多ければ多いほど高確率で遭遇するトラブルです。これらに配慮されているのが以下のオンライン営業ツール。もっとも致命的な通話切れなどの音声対策には「電話」を使うのでネットのように途切れる事はまずありません。また資料と顔見せはインストール不要でプアなPCスペックでも問題無い設計になっています。

一方で、営業先の担当者や経営層までがデジタル環境はバッチリ、PCも8コア8スレッドのハイスペックでフリーズ知らず、ネットは常時100Mbps超え、マイクはゼンハイザーのグースネックタイプ、漏れなくそんなお客様ばかりの業界なら、zoomで十分です。ただ意外に中小規模になればなるほど経営層がzoomを使えなかったり、オンライン営業が上手く行けば行くほど営業リソースが足らなくなるので代行オプションを使いたい、となるケースが多いのかなと感じています。

・ベルフェイス:https://bell-face.com
・SOBAミエルカクラウド:https://www.soba-project.com
・ビデオトーク:https://www.nttcoms.com
・はなスポット:https://www.nttpc.co.jp
・VCRM:https://ksj.co.jp

B2Bのデジタル化、失敗要因トップ5
同じツールを使っていても「お上手・お下手」の差はあるわけで、上記のような各営業ツールの浸透は2020年4月ごろから一気に加速していますが、筆者がおこなうB2B向けセミナーなどでも「導入しているけどうまく活用できていない気がする」「成果が実感できていない」という相談者さまからのお悩みの声をいただきます。まず根本的な問題として「集客」の戦略はツールで解決できない問題の一つです。
よくある課題と失敗例として、
・SEO技術→コア・ウェブ・バイタルを理解していないため、記事を量産・修正しても検索上位に上がらない。
・リスティング戦略→ツールやキーワードに頼りすぎ。ターゲット層の行動を正確に理解できていない。
・SNS活用→投稿内容に付与するハッシュタグのロジックが理解できていないため、成果がでない。
・LP設計→ホワイトペーパーやB2B向けコンバージョン設計が無いなど、ネットに転がってるB2Cテクニックを流用しているだけ。しかも古い。
・スコアリング設計→そもそも計測できていない
など、法人向け営業では定番の、法人向けサイトのタイアップ広告やfacebook広告などを使ってはいるものの、ドン・キホーテ伯爵よろしくネットでかき集めたB2Cの成功事例でガムシャラに戦術を振り回したところで空振りに終わるどころか、コストの垂れ流しに終わってしまいます。

さらには「商談」というプロセスがある以上、営業マンのロープレ・トレーニングやトーク・マニュアル、クロージング資料など、B2Cのデジタルマーケティングには無かった要素が不可欠となりますし、最大の難関となる「解約・継続・アップグレード」という属人的テクニックに頼っていたベテラン営業マンの職人技をデジタル化できていないケースもあります。
そうした課題と失敗を列挙すると、上記の5つ以外に30の項目があがります。重要なポイントは、偏りのないバランスのとれた営業戦術を揃えておくことです。

オンライン営業を始めて見たけれどうまく成果に結びつかない、という場合は本稿をご参考いただき、よくありがちな失敗を犯していないかチェックいただければと思います。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 宮松 利博

得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。


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