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【通販】定期購入離脱者へのCRM戦略

定期購入のサブスクリプションモデルでは継続率を上げてLTVを上げていかないと広告費の回収ができない場合があります。

売上(単品定価3,000円、定期4回目で計12,000円と仮定)-広告費(8,000円)-商品原価(2,400円)=利益(1,600円)となります(諸経費などはここでは抜いておきます)が、定期継続が3回でLTV9,000円だった場合、1顧客に対して1,400円の赤字となってしまいます。

定期継続回数によって限界CPO(Cost Per Order)が変わってきますので、継続率が高ければ広告に投下できる領域が増えます。限界CPOをあげるには商品力や販売方法、決済種別、単価などを調整・見直ししていくことで売上を向上させる必要があります。他にもCRM(同梱物、システムによるメール等の配信、コールセンターによるアウトバウンド)などで離脱防止を図ったり、アップセル・クロスセル施策などで1顧客のLTVを向上させることができます。

例えば解約の電話が掛かってきた場合には解約理由などを伺って解約阻止に繋がる説得材料を模索します。自分の経験での成功実績として、顧客から商品価格が高いと意見があれば、まとめ売りなどでの価格提案や、商品が消耗品であれば増量した商品を提案したりといったことがあります。仮に商品が10mgの商品だった場合、お得な20mgなどの提案をすると、解約予定の顧客がもう少し継続すると判断してくれたりもしますし、更にプレゼントを付けると顧客の判断が早くなり、短時間で解約阻止が成功することとなります。

解約の連絡時に解約理由を確認してシステムに登録しておくことで、解約から一定期間が置いた状態で顧客にアウトバンドを行う際にも、解約理由に沿った適切なご案内を差し上げることで再度購入していただくことが安易となります。解約理由が「商品価格が高く感じる」という点だった場合は、改善方法は商品企画、おまけなどで価格が妥当と感じるレベルまで満足度をあげること。それによりLTVを上げることに成功しました。

CRMシステムでメールやLINE、DM、SMSを活用して商品の魅力を再確認させて継続する意思を上げることも良い手段だと思います。電話で提案することで成約率が高くなりますが、時間と手間、費用が掛かるためCRMシステムからの配信が、LTV向上の王道のやり方であります。現在、システムからの配信は殆ど自動化されており、購入日、購入商品、決済種別、オファー内容など細かいセグメントで配信する内容を変更して、適切なタイミングで送ることが可能です。

顧客に合った提案をするにはアンケートなどを活用して顧客の属性を理解し、適切な配信をすることで、LINEブロックやメルマガ解除を軽減することにも繋がるのです。

これは単品の定期購入だけではなくサービスのサブスクリプションにも有効な手法です。顧客の課題を解決することで継続に繋げてLTV向上から収益を良くします。顧客と繋がり続けることで信頼関係が築かれているため、新商品・サービスをリリースした際にも購入率が高まりますし、都度新規顧客獲得の広告費を投下する必要がありません。

今回は通販での定期継続率を上げるお話の一部でありましたがCRMで対応する領域は深く、多種多様の方法があります。自社に合った方法を模索、検証を繰り返し、最強のLTVを掴めるといいですね。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 和田 聖翔

株式会社FID 代表取締役
1984年富山県生まれ。2011年株式会社FIDを設立。2013年ショッピングカートASPサービス「侍カート」の提供開始。2016年フルフィルメントサービスを開始。EC事業者の総合支援企業として活動中。


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