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Eコマースでオーダーして、店舗で商品を受け取る

前回は、アメリカにおけるEコマースの物流、配送に関して、Amazonでの例をご紹介
しました。配送日数の長さに加えて、不在時に家の前に商品を置いていくことに驚かれ
た方も多いと思います。パッケージソリューションを提供する企業の調査によりますと、
回答者の31パーセントが過去1年間にEコマースで購入した商品を家の軒先から盗まれ
たことがあると回答しています。特に電化製品の盗難が心配なことから、Eコマースで
電化製品を購入することをためらっている方も多いようです。ここで、今回は商品の受
け取り方に関する変化をご紹介したいと思います。
今までのEコマースでは、家や会社まで配達してもらうという概念が定着していました
が、この数年の動向としまして、Eコマースで注文をして実店舗で商品を受け取るタイ
プの利用者が増えています。このタイプは、”BOPIS” (Buy Online Pick up In Store)、も
しくは”Click and Collect”と呼ばれています。受け取る場所は実店舗が大半ですが、中に
は7-11のような第三者やBOPIS/Click and Collectの集中センターなどもあります。前回
写真でご紹介しましたAmazonキヨスクもこの一つです。サプライチェーンのソリュー
ションを提供するJDA Software Groupの調査によりますと、2017年には全インター
ネットユーザーの半数が過去12ヶ月間に少なくとも1回はこのBOPIS/Click and Collect
を行なったことがあり、2015年の35パーセントから大きく増加しています。

オンラインで購入して、実店舗で受け取る割合

(出典: JDA Software Group)

BOPIS/Click and Collectを利用する理由として、利用者の10人に4人が配送料金を避け
るため、3分の1が早く受け取るためと回答しているとおり、オーダーしてから時間をか
けずに、配達費用を節約でき、かつ盗難の心配もないBOPIS/Click and Collectの利用者
はさらに増加するものと思われます。小売業者にとっても、消費者と接する機会が増え、
さらなる購入の絶好の機会ともなることから、BOPIS/Click and Collectは歓迎されてい
るようです。事実、オンラインオーダーを受け取りに実店舗に来る消費者の40パーセン
トが店内で追加購入を行っているというデータもあります。(JDA Software Groupの調査よ
り)
実際に店舗側もその傾向やメリットを把握して、店舗内にオンラインでオーダーした商
品受け取りの専門コーナーを設けたり、BOPIS/Click and Collect利用者向けの専用駐車
スペースを設けたり、あるいは店舗入口まで店員が持っていくサービスを提供しており
ます。

Nordstrom入口にあるPickup看板

Walmart店舗内にあるPickup場所

専門ブランドにおけるオムニチャネルへの取り組み

次のグラフは、アメリカにおけるアパレルなど専門ブランドにおけるオムニチャネルへ
の対応を表したものですが、2016年からの1年間でBOPIS/Click and Collectの対応を進
めたブランドがほほ2.5倍となっています。

ところで、成長するオンライン食料品業界でも、BOPIS/Click and Collectの提供によ
り、大幅に売上を伸ばしている企業があります。伝統的なスーパーマーケットチェーン
であるKrogerは、2018年第1四半期の業績レポートにて、同社のオンラインでの売上が
対前四半期比66パーセント増加したと発表しました。ここで大きく貢献しているの
が、Krogerや各地域にある子会社にて提供されているオンラインで購入して店舗脇で受
け取るプログラム”ClickList”、つまりBOPIS/Click and Collectであります。

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