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顧客の意図を取り込むEコマースプラットフォーム

アパレルを扱うオンラインショップでは、消費者の購入の利便性を高めるさまざまなツールを提供するスタートアップがでてきています。3D技術を利用したバーチャル試着に関しては以前ご紹介しましたが、今回は各商品の属性を大幅に増加させ、顧客の意図を組み込んだプラットフォームのご紹介をしたいと思います。

シリコンバレーで2015年にスタートアップしたLilyAIは、Eコマースの強化を図るために構築された顧客意図プラットフォームを提供しています。企業名にあるとおり、AIテクノロジーを駆使し、堅牢な商品属性データと独自の顧客意図をEコマーススタック全体に取り入れ、サイト検索、パーソナライズされた商品の発見、レコメンデーション、需要予測などを改善することで、アパレルEコマース業者の新しい収益を生み出しています。

多くのアパレルショップでは、衣類を性別、サイズ、色、価格などのカテゴリーに分類していると思います。これらのカテゴリーは、消費者が自分の希望する衣類を探すのに多いに貢献しますが、実際には生地の感触や特定のカットのように微妙に細かいところまでこだわる消費者も多いことにLilyAIは注目しました。

LilyAIが提供するプラットフォームは、堅牢なAIを利用した画像認識を使用して商品の特徴、属性を自動的に検出し、フィット感、スタイル、着用するのに最も適しているシチュエーションなど、アイテムごとに通常の10倍以上の属性を99パーセントの精度でリスティングできるようになっています。

これにより、消費者はより特定の属性にて検索でき、求めている衣服に近い商品を容易に見つけることができます。

また、オンラインショップ側は、特定の顧客にとってどの属性が最も重要であるかを追跡し、属性間の関係と、属性が各固有の消費者の行動、動機、感情的なコンテキストとどのように関連しているかを確認し、リアルタイムでの的確なレコメンデーションの提供、需要予測や割り当て計画の改善、返品率の引き下げ等の効果を得ることができます。

すでに、大手デパートのBloomingdale’sを始め、thredUP、BackCountryなどがLilyAIのプラットフォームを活用しており、この分野で収益が10パーセント以上増加したケースもあるようです。

特に、中古の衣類や靴などのマーケットプレイスであるthredUPのオンラインショッププラットフォームは、240万アイテムのリスティングが可能、かつ1日10万ユニークアイテムを処理できる機能を有しており、LilyAIのプラットフォームなしでは顧客満足度の向上はとてものぞめなかったものと思われます。

LilyAIは、最近グローバルでのサービス提供を開始したとの発表もありました。


▲thfredUPのオンラインショップサイトにて各属性抽出による商品検索結果。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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