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マーケティングビギナーの方へ 「妄想力を磨こう」

マーケティングと聞くと難しく感じてしまう…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな初心者ユーザーの方には是非「妄想トレーニング」をおススメします。
例えばマーケティングで商品開発を行うステップ構造を書いていくとすれば、

「着想」

「仮説策定」
 ↓
「情報収集・分析」
 ↓
「プランニング」

「商品化」
 ↓
「トライ&エラー」

…もう既にに聞いただけで難しく、
ロジックは苦手…とか、何から手を付けてよいのやら、投げ出したくなってしまうという方もいらしたりするのでは?

しかし、この中で最も重要なのは「着想」と「仮説策定」です。
実はこの2つで仕事の8割は終わっていると言ってもよいほどです。

今日はこの2つを磨くための「妄想トレーニング」をご紹介します。

■課題解決から始めよ
着想は言葉を変えれば「気づき」であり、日々の生活の中における事実です。
そして、仮説の策定は「想像力」。
つまり気づいたことに対し、課題は何か、どうしたら喜ぶのか、何故欲しくなるのか…と相手の立場で考えて、イメージを膨らませて妄想していきます。

まずは「悩み・課題の解決」からスタートしましょう。

例えば身近な例でいえば
「妻は毎日食事の支度が面倒だと言っている」

この気付きから、まずは「何を面倒だと思っているのか?」を考えます。
具体的に
「献立を考えるのが嫌なのか?」
「時間がかかるのが嫌なのか?」
「買い物が面倒なのか?」
「そもそも料理が苦手なのか?」
「食べた後に私たちが美味しいと言わないからか?」
「仕事が忙しくて疲れているのか?」
「僕がご飯を作ればよいのか?」
…どんどんと妄想は広がっていきます。

どうでしょう?もうこの段階で「解決策」というサービスをたくさん思いつきませんか?この事実から生まれたのが通販で大ヒットを続ける「ミールキット」です。

上記に出てくる「面倒くさい」もまた大きなキーワードです。
巷には食事に限らずたくさんの面倒くさいがあるはず。まずはそこから着想を得て妄想するトレーニングをしてみてください。
更に「テレビのニュースでは何が問題だと言っているのか?」「電車に乗っている人は何に不満があるのか?」などなど…世の中にあふれる「課題」はたくさんのトレーニングテーマとなるでしょう。

■事実から着想を得よ

さて、課題解決が出来るようになれば次は「事実から着想を得る力」の磨き方です。
先日、グミ商品の開発を考える中で、面白い事実に気づきました。グミはここ数年ヒットが続き、売り上げが伸び続けているお菓子ジャンルの1つです。
開発に際し、複数の属性の方にヒアリングをしている中で「若い人と年配の人にはグミに対する意識差がある」ということを漠然と感じていました。

そして、調べてみると
「日本で国産のグミが初めて発売されたのは1980年のコーラグミ、その後1988年に果汁グミが出て女子高校生にヒットした」という事実がわかりました。

この事実は私に1988年を境に「グミの壁」があるのだという決定的な気付きを与えてくれました。つまり今現在、30歳以下の人とそれ以上の年齢の人では「グミのある生活環境」が違うのではないか?という仮説です。

ここからは仮説を更に具体化するために妄想を膨らませます。
例えば、1988年より前にあったグミは輸入グミであり、これを食べた経験がある40代以上。この年代はガム世代であると同時にグミには身近さがない。そればかりでなくゴムのような輸入グミのイメージが頭の中にある。何か特別な理由がなければグミを買わないのではないか?
それに対し20代にとってはグミはガジェットの1つで、口寂しさを紛らわせたり、気分転換をするグッズと捉えているのではないか?
これらの想起から、若い世代を対象にしたグミと、40代以上のグミは企画を大きく変えていかねばならないことが予想されますし、だれをターゲットにすると良いのかもイメージがわき始めます。

更に先日、非常に面白いデータを目にしました。
オーガニック白書2017を眺めていた時の事。
オーガニック商品のリピート率が高いのはなんと20代の男性という事実に気づきました。

この事実から、私の妄想は止まらなくなりました。
最もターゲットから遠いと想像されているはずの20代の男性。
当然、出現率は低いのですが、しかし一度利用した後のリピート率が最も高い…。

そこで知的レベルの高い20代男性のライフスタイルを妄想してみることにしました。
シェアリングエコノミーを地で行くため車や高級品は持たない、洋服はファストファッションでOK、デートは割り勘、結婚願望はない。しかし男性特有の「こだわり」「深堀り」という思考はある。じゃあ、それはどこに向かっているのか?アウトドア?自己投資(身体づくりや社会活動など)?また承認欲求や社会の一員として認められたいという欲求もまぁまぁ強い。男女平等とはいえ、男子としての自負もある。確かにオーガニックライフスタイルを志向する要素はあるようです。

更にいえば、この層は、オーガニックに限らずロングテールマーケットの可能性が大きくあるのではないかと思うのです。

課題解決は表に出ているニーズにこたえていく手段ですが、
事実から着想を得ることができるようになれば、潜在的なニーズを探ることが出来るようになりますよ。

ロジカルマーケティングと言われると、どうしても耳をふさいでしまいがちな方も、
まずは人間の思考に寄り添う妄想力を是非磨いてみてはいかがでしょうか?
きっとそこから新しい商品、サービス、メニューが生まれてくる可能性があると確信しています。

北村貴

JECCICA客員講師
北村貴(きたむら たか)
㈱グロッシー代表取締役

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