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アメリカにおけるEコマースの物流、配送

東西で4,000km近くある広大なアメリカでは、梱包/配送に要する時間は、2014年の調査では平均配送日数が6日となっていました。ハワイ州やアラスカ州では、通常さらに時間を要します。また、配送費用も有料なところが多く、100ドル以上購入して初めて無料配送サービスを受けられるといった感じでした。消費者はそれを受け入れ、どうしても短期間で商品を受け取りたい場合は、追加で数十ドル払って1-2日配送オプションを選択せざるを得ません。現在でも、専門店での標準配送を調べてみますと、GAP 3-5営業日、Abercrombie & Fitch 4-9営業日、Uniqlo 3-7営業日、Ralph Lauren 5-7営業日、Bonobos 1-5営業日といった感じです。それでも、無料配送キヤンペーンは以前より増えた感はあります。

このような背景において、Amazonにおける物流、配送は大きく変革を遂げている感があります。今までの経緯を見ますと、私の記憶では次のようになっています。

UPSとの単独契約
ホリデーシーズン時の配送遅れから、FedExやDHLなど他の物流業者も利用
地域的にAmazon主体の物流を実施
USPS (アメリカ郵政事業)の利用
週末配送も可能にすべく、USPSとの提携サービスを拡大
不在時に家の玄関前におくリスク回避のため、Amazonロッカーへの配送を実施
地方の巨大なフルフィルメントセンターに加えて、都市部に小規模のフルフィルメントセンターを配置し、短期間配送の実現
Amazon Prime Air CargoとAmazon Prime Truckの利用による、フルフィルメントセンター間とソートセンターとの商品移動の強化
専用エアポートの確保によるAmazon Prime Airのハブ拠点
ドローンによる空からの配送
Amazonの物理拠点を設置し、そこでの商品受け取りを実現
Amazon配送の実施
写真つき配送通知メール送付
Amazon Key Home Kitを利用した家の中への配送

(上写真は、テキサス大学構内にあるAmazonの物理拠点。商品受け取りキオスクとロッカーが見えます。)

信じられないかもしれませんが、よほどの高額品でない限りは、不在の際は今でも商品を家の玄関前においていくのが通常です。このように家の前におかれた商品の盗難は多く、Amazonロッカーや物理拠点での受け取り、家の中への配達、により盗難の不安が解消できるのは助かります。

そして、最新のサービスとして、Amazon Key Appを利用した”車への配送”を実施しています。これは、全米37都市にてVolvoとGMを対象としたAmazon Primeメンバー向けの特定のサービスで、その仕組みは次のようになっています。

Amazon Key Appをインストールし、Amazon Primeアカウントと車のリモートサービスアカウントをリンクさせる。
Amazon.comもしくはAmazon Mobile Shopping Appからオーダー。チェックアウト時に配送先で”In-Car Delivery” を選択すると、配送日と4時間の予想配送時間帯が表示される。
配送日当日、予想配送時間が知らされる。
一般がアクセス可能な駐車場所を指定し、そこから2ブロック以内に車を駐車する。
配送員が車の場所に着いた時、注文者にメッセージを送信。配送員が正しい車に着いたことを暗号化された認証プロセスでAmazonが確認し、車のロックを外す。
商品を車の中に入れ(トランクへの配送が基本)、車をロックし配送が完了。同時に、注文者に配送完了メッセージを送信する。

(イメージは、Amazonのホームページより抜粋)

ところで、ほとんどの小売業者が、Amazonのように物流プロセス全体を見直すことは難しいのが現状です。そのため、アウトソーシングされた配送を使用するのが最も迅速な方法で、小売業界ではこの1年でほぼ倍の利用率となっています。中でも、Instacartは食料品の同日配送を行う代表的な配送アウトソーシングサービス会社で、著しい成長を遂げております。

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