2024年 年頭所感 鈴木準
新年あけましておめでとうございます
長かったコロナ禍による制限も解除され、昨年から日常生活が戻ってきました。特に感じるのは、海外からの観光客の多さです。東京都内及び近郊で生活していると、どこに行っても外国人観光客。新規に開業するホテルも観光客向けが多く、昨年11月に都内にオープンした「麻布台ヒルズ」も多分にインバウンド需要を目論んでいると思います。
こうした様子を見ると、華やかな印象を受けるのですが、我々の暮らしの足元は生活必需品の度重なる値上げや、昨年の世相を表す漢字が『税(ゼイ・みつぎ)』であったことからも分かるように、生活に直結する税金の動向が注目され、国民生活は落ち着かない感じです。
一方で中長期的に私たちの社会を見ると、今年は「人口の2024年問題」である「50歳以上過半数社会」が訪れます。少子高齢化と言われて久しいですが、65歳以上高齢者の予備軍を含めると、日本の人口は50歳を境にして下世代より、上世代の方が人口の多い国に突入します。
既に政府は70歳までの雇用延長の努力義務化を2021年4月に施行し、リモートワークの普及や副業解禁など、働き方も大きく変化していますが、その一方では人生100年時代と言われても、今後の人生プランに大なり小なり不安を抱えている人は多数派でしょう。
私の友人で60歳になる、お子さんとお孫さんもいらっしゃる女性が居ます。彼女は50歳を過ぎてから、自分自身の美容法として顔の筋肉である「表情筋」を鍛える「顔ヨガ」を習い始めたのですが、すっかり虜になって学習を重ね、自分で教える立場になりました。私もコロナ前に彼女のワークショップに参加して顔ヨガ体験を行い、ビフォーアフターの写真を撮って効果を体感しました。ところがその後コロナになってからリアルのワークショップが出来なくなったのですが、こうした中で彼女はZOOMを使い「オンライン・顔ヨガ教室」をスタート。そしてInstagramに写真を掲載して拡散し、全国から集客をしたのです。
当初はお小遣い稼ぎ程度で、周囲の友人知人相手に行っていたのが、今ではすっかりとビジネスになっているようで、彼女はコロナ禍の約3年間で、すっかり次のライフスタイルとワークスタイルを、デジタルの恩恵もあって見つけたのです。
人生100年時代に私が思うのは、これまで会社や家族のため「やらねばならぬ」ことで頑張ってきたのですから、50歳を過ぎたら「やりたい」ことをやって対価を得る、新しい働き方と暮らしを見つけるのも楽しそうです。そのときに障害になるのは、「自分にはできない」という固定観念です。
実現を可能にするポイントは大きく3つあると思います。
① 自分自身の経験や強みを棚卸して、今の社会のニーズと照らし合わせること。
② インターネットを始めとしたテクノロジーを上手く活用すること。
③ 自分の大切な人やお客様を笑顔にさせることを心掛け考えること。
新しい時代、好奇心と行動力があれば誰にでも「自分らしく生きる」ことは実現可能だと感じています。イノベーションは、そんな人間の意識から拡がるのではないでしょうか?
今年一年が、皆様にとって「ワクワクする」良き一年となりますよう、心からお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
JECCICA客員講師 鈴木 準
株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント