2024年 年頭所感 恩蔵優
皆さま明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。2024年新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。恩蔵 優(おんぞう まさる)でございます。
まずは個人的な件ですが、去年を少し振り返ってみました。
年初から川連さんとコンサルに関するお仕事を始め、3月にJECCICAとは独立する形で、川連さん・出口さんと共に、越境EC専門の協会、一般社団法人 日本越境EC協会(JACCA)を設立し、私が代表理事に就任。
協会運営は初めての経験なので、川連さんのノウハウや成功事例を教わりながら、毎月登壇者をお呼びして越境ECに関するセミナーを開催したり、コンテンツ充実のためにコラムを掲載したり、PR活動を活性化したり。
夏には、中国の深圳市越境EC協会から招待を頂き、第六回世界EC貿易博覧会へ日本を代表する協会として訪中してきました。
越境ECに関わる世界をよりクリアにし、進むべき道を整える。出来ないを出来るにし、日本の産業を拡大させ、散らばる情報のナレッジセンターになるべくして立ち上げたJACCAも今年3月で1年になります。
4月からは私の主軸企業が変わり、数年前よりカリフォルニア州に設立している、日本と米国の貿易及びBtoB ECプラットフォーム運営企業のMaddler USA LLC.とは別に、大阪に本拠地を構える(株)イルグルム、そして皆さまもきっとご存知の(株)イーシーキューブの取締役COOに就任しました。直前回のコラムでも書きましたが、ECパッケージ(カート側)は初めての領域なので、出逢う企業が180度変わり知らないことばかりですが、知見も増すばかり。
2023年はJACCAといいイルグルム/イーシーキューブといい、新しいことばかりを経験させてもらったので、私の世界が広がりました。
国内ECの世界も引き続き広がっていますね。
経産省が2023年8月31日に公開した最新資料によると、2022年の日本国内のBtoC-EC市場規模は、22.7兆円(前年比9.91%増)、BtoB-EC市場規模は420.2兆円(前年比12.8%増)。物販分野の成長率は5.37%でした。
またEC化率は、BtoC-ECで9.13%(前年比0.35増)、BtoB-ECで37.5%(前年比1.9増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展。
年頭所感的なことを申しますと、 個人的には2024年は、EC店舗にとっても再度”セキュリティの年”になるかもしれないと感じています。
Googleは今年2月から、Gmailアカウントにメッセージを送信する際にメール認証が必要になると発表しました。Gmailアカウントに1日あたり5,000通以上のメールを送信する場合、対応が必要になります。Yahooも同様で、今年初頭までに強力な電子メール認証を導入することを義務付けると発表しています。言われてみれば、アクティブでないメールアカウントへの対応など、2023年上旬から頻繁にGoogleからメッセージが届くようになりました。
ドメイン取得のお名前.comが、Webサイトのセキュリティ強化の一環として、セキュリティ・脆弱性診断サービスを昨年12月から始めました。
クレジットカード会員情報の保護を目的とし、著名企業やカードブランド・決済代行会社の多くが会員であるJCA(日本クレジット協会)やIPA(情報処理推進機構)、ECPF(EC決済協議会)、JADMA(通信販売協会)、サイバーセキュリティ連盟といった国家的なセキュリティ対策関連団体も、H.Pやセミナーを通して頻繁に警告を鳴らしています。
物販系分野全体の国内EC化率はいってもまだ9.13%です。世界の平均は推測で19.3%。国内ECはまだまだ伸び盛り。中国が圧倒的に数値を牽引してるとはいえ世界平均との差をみても、伸びしろしかないといってもいいかもしれません。日本は世界EC規模ランキングで、中国・米国・イギリスに続く第4位ですからね。特に食品業界など市場規模の大きい分野でEC化が進むと、グッと数値が伸びるかもしれません。
ただ、売上げを向上させる営業戦略だけでなく、顧客と企業の安全安心の根幹となるセキュリティ・脆弱性対策も万全に行いながらECを拡大していくことがより求められてくると思います。
JECCICAの理念でもある”負けない日本経済を作る”ことに私も引き続き貢献したいですし、国内はJECCICA、越境はJACCAとして今後とも皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。
2024年、本年が皆様にとっても素晴らしい一年となりますことを。
JECCICA客員講師 恩蔵 優(おんぞう まさる)
得意分野 / 大中小規模コマース運営、事業創造、越境EC、グローバル物流、HRBP人事
1976年生まれ、日本大学法学部卒業。 起業やIPOを複数経験し、スタートアップから大企業まで第一線で戦い抜いてきながら小規模ながら個人投資家としての側面も持ち合わせる。
(株)ネットプライスをきっかけに2005年からEC界に入り、ITに物販の知識を組み込み、バイヤー及びマーチャンダイザーとして注目される。
その後広告代理店・アパレル・EC・グローバルSNS企業等のMGR・CxOを歴任。
オンライン・オフライン関わらず20年以上モノに関わり、国内仕入れから越境ECまで熟知するマルチプレイヤー。