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手のひらで決済するAmazonの新サービス

もともとこちらでは現金決済は少ないのですが、新型コロナウィルスによるパンデミックにより、店舗での決済はカードやスマートデバイスのウォレット機能による非接触型決済が大半となっています。この非接触型決済は、カードやデバイスなど物理的なものを介して行われていますが、Amazonはその先を行く画期的な決済方法を進めています。


2020年に発表されたAmazon Oneと呼ばれるこの決済は、手のひらを使用して決済する仕組みで、具体的に物理的なものを介する必要がありません。人間の目や標準的なカメラでは認識できない、手のひらにある線や起伏など表面領域の詳細と、静脈パターンなど皮下機能の詳細の両方の微細な特徴をデータベース化し、Amazon Oneデバイスでスキャンして認証し、決済を行うものです。わずか数秒で手のひらの認識、認証が可能ということで、店舗での支払いに要する時間短縮をはかることができること、および手のひらは各人でユニークなことから、盗難カードの使用防止対策にもなります。

利用方法ですが、まず店舗に設置されているAmazon Oneキオスクで手のひらをスキャンし、クレジットカードと電話番号の登録をしてAmazon Oneアカウントを作成し、あとは購入の際に手のひらをAmazon Oneデバイスにかざすだけです。

手のひらという個人の生態情報を取得し、その情報はAmazonのデータベースに保存されるわけですから、やはりセキュリティ面での心配はあります。が、Amazon Oneは、Amazonの長年にわたるプライバシーポリシーと管理に従って設計されており、クラウドベースのセキュリティ対策により保護されています。手のひらの情報はAmazon Oneデバイスに保存されず、サーバーとの転送およびサーバーでの保存は暗号化されており、さらにデータ分離やアクセス制御により、常にデータは保護された状態にあるとAmazonは説明しています。

現在、このAmazon OneはAmazon本社のあるシアトルをはじめ、南カリフォルニアを中心に、全米の大都市にあるホールフーズマーケット、Amazon Go、Amazon Fresh、および一部の空港のショップなど計156ヶ所で利用可能となっており、消費者は無償で利用できるようになっています。Amazonでは、Amazon Oneをこのような店舗での決済に加え、イベント会場の入場ゲートなどでの利用も視野に入れています。

ところで、一般企業であるAmazonに自分の生態情報を提供することはとても違和感を感じるのは事実であり、多分私は利用することはないと思います。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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