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ネットショップの教科書78

取り残されないようにしたい
「Webサイトの進化する検索」

前々号でTVリモコンマイクによる音声入力での検索のお話をしました。インターネット接続可能なデジタル家電の検索は、リモコンのテンキーと矢印キーで行っていましたが英文字、日本語検索がやりにくく音声入力による検索が主流です。

音声入力機能は、iPhone iPadなどの音声アシスタント機能である「Siri」利用も多く、今や音声入力機能はスマートフォンにとって、なくてはならない機能のひとつです。音声入力機能はどんどん進化しており、デバイスの機能の進化だけでなく、若者を中心に検索が、「PCからスマートフォンで」「GoogleからSNSへ」「単語から口語調検索へ」という具合に検索のスタイルは急速に変化しています。特に、Instagram やTwitterを利用した検索が若い年代の主流になっている気がします。今回は検索によりサイトに如何に導くかを考えてみます。

「サイトに、どんなキーワードで訪れているか?」
難しいテーマです。ECサイト運営者は期待を持ってキーワードを埋め込み、その効果によりアクセス数が上昇します。そして、キーワード毎の
・アクセス数
・セッション数
・直帰率
・平均セッション
・コンバージョン率
・コンバージョン数
を分析し、売り上げ向上に向けて検索の最適化を図り必要に応じて広告を設定します。
ここまできますと、「ECサイトに埋め込むキーワードが先か?ユーザーが求めるキーワードが先か?」まるで「親鳥が先か?卵が先か?」のように、どちらの要因で決まるかわかりません。
結果的にどのようなキーワードでECサイトを訪れているか?を調べるのに、Googleアナリティクスのレポートから分析する方法があります。

〔Googleアナリティクス〕
・オーガニック検索レポート
・検索クエリレポート

「オーガニック検索レポート」は、
オーガニック検索(検索エンジン)からサイトに流入したときの検索ワードを表示でき、検索キーワードごとにセッション数や直帰率などを調べることができます。

Googleアナリティクスでは、Bingで検索すると、サイトへ流入したときに検索ワードが含まれますが、GoogleやYahoo!から検索したときは、検索ワードが含まれません。そのため、検索エンジンの大半を占めるGoogleやYahoo!の検索キーワードの多くが「not provided」と表示されてしまいます。

「オーガニック検索キーワードレポート」でしか分析できない項目に「検索キーワードごとのコンバージョン分析」があり、どの検索キーワードで流入したユーザーのコンバージョン率が高いかが分析できます。母数は少ないものの、キーワードとコンバージョンとの関係が分かり、貴重です。

次ぎに「検索クエリレポート」ですが、
オーガニック検索キーワードレポートの場合、Bingの検索キーワードしか確認できませんでしたが、検索クエリレポートを使うと、GoogleやYahoo!の検索キーワードも確認できます。
また、検索キーワードだけでなく、掲載順位やクリック率も分かるので、オーガニック検索キーワードより詳しい分析結果が得られます。
ちょっと面倒なのは、検索クエリレポートを使うには事前に設定が必要で、Googleサーチコンソールにサイトを登録し、GoogleアナリティクスとGoogleサーチコンソールと連携しなければならないということです。登録し連携すれば十分価値あるものとなります。
Googleアナリティクスの他、前述のGoogleサーチコンソール、Bingウェブマスターツールなど、役立つ分析ツールがあります。

インターネットWebサイトの「検索」は、世界中の膨大なサイトの中から必要としている情報が掲載しているサイト(ページ)を探し出すことです。つまり閲覧者とサイト運営者の橋渡しが「検索」です。時には、「見せたくない情報が、見せたくない人に見られる」ことも、「精度の悪い検索エンジンでなかなか目的のサイトが見つからない」などもあります。「探しものがうまく見つけられる」には、サイト構築者、閲覧者、検索エンジン三者のテクニックが必要です。

〔検索のテクニック〕
・検索エンジンのテクニック
・サイト構築者のテクニック
・閲覧者のテクニック

ビジネス的には、「閲覧者のテクニック」はサイト運営者が教育できるものでもなく、コントロールできるものでもありませんが、閲覧者(購入者)の立場・目線で見るということで基本テクニックを紹介します。

〔完全一致検索〕
ひとかたまりのフレーズで明確なキーワード
例)”十和田市現代美術館行く前に”

〔OR検索〕
複数のキーワードのどれかを含む
例)十和田市OR黒にんにく

〔特定キーワード除外〕
-の後ろのキーワードを除外
例)十和田市現代美術館-広告

〔サイト内検索〕
サイト内で検索窓がない場合の検索
例)site:料金

〔本文検索〕
本文中に含まれているキーワード(単一/複数)
例)intext:8年間熟成した黒にんにく
例)allintext:ふるさと納税 青森県産 8年間熟成 黒にんにく

絞り込み検索する上で便利な機能ですが、利用者は多くないと思います。
しかし、少数でも利用者は確実におられ、これらの機能の利用を見据えた検索対策は無駄にはならないと思います。例えば、「本文検索」の本文中に含まれるキーワードを検索する「 intext:(単一キーワード)」と「 allintext:(複数キーワード)」です。Googleで検証の結果かなり精度が高いことがわかりました。閲覧者(購入者)の立場というより、競合ECサイトの対策・研究に役立ちそうです。

〔リスティング広告〕
・Google広告
・Yahoo!広告

リスティング広告とは、「検索連動型広告」ともいわれ、検索ユーザーがクリックするごとに課金されるPPC広告の一種です。 このリスティング広告で自社サイトに集客するプロモーションが売上げを上げる上で重要です。

リスティング広告は、2002年9月Google Adwordsが日本にてサービス開始、2002年11月Yahoo! Overtureが日本にてサービス開始しました。当時は、WindowsブラウザとしてIE(インターネットエクスプポーラ)の利用者が多いことから、リスティング広告というと、日本ではYahoo! Overtureが主流でした。
入札価格も2円から5円と安く、出稿するキーワードさえ見つければ、いい結果を出せるというものでした。その一例を紹介しましょう。

………………………………………………
名古屋でECサイトを運営、
名古屋から生花ギフトを送料無料で発送、
………………………………………………
というケースです。

「生花を贈る」⇒「届け先の近くの花屋を見つけ、より新鮮な生花を送料なしで贈りたい」という思いになるかも知れません。送り先の地名(市町村名)をキーワードにして検索するかも知れません。

日本郵政のWebサイトでは、住所の郵便番号(現在124,433件)のCSVファイルを提供しています。その他、全国市町村名のデータを提供しているサイトもあります。これらの地名キーワードを組み合わせた複合キーワードを作り、リスティング広告の効果を出した例があります。
しかし、競合との激化、入札価格の高騰により、闇雲にキーワードを増やすのは得策ではありません。
2002年に日本でサービスがスタートしたGoogle Adwords 、Yahoo! Overture は内容を一新し現在はそれぞれ、Google広告 、Yahoo!リスティング広告と呼ばれています。

リスティング広告を出稿すると、比較的早く集客でき、かつターゲットユーザーを取り込むことができコンバージョンにつながる可能性がある利点がありますが、課金型の広告サービスを利用するための費用が常にかかるので、運用コストがかさむという難点があります。
リスティング広告をかけずとも、素晴らしいコンテンツで検索上位に表示されている例があります。広告をかけず検索上位表示、理想です。

日本全国に1,789ヶ所の市町村があります。
筆者のふるさと青森県には40ヶ所の市町村があります。
前述の生花ギフトで地名と共に検索すると、その地域の花屋さんと「花キューピット」「日比谷花壇」がヒットします。花キューピットは、加盟店が表示されるので地域の花屋さんと同様としても、日比谷花壇さんは、大掛かりな仕組みでECサイトが構築されているものと思います。

以下は、ECサイトに設置してあると便利で親切と思われる「商品のお届け日マップ」です。

このようなマップがランディングページに設置されていても違和感がないと思います。
これに全国の市町村名を含めた複合キーワードで反応し、かつ、検索エンジンからペナルティーを受けない方法を考えて見てください。

47都道府県の内の青森県は、午後2時までのご注文はご注文日の翌日お届けが可能です。

青森県の以下40市町村は、午後2時までのご注文はご注文日の翌日お届けが可能です。
青森市 弘前市 八戸市 黒石市 五所川原市 十和田市 三沢市 むつ市 つがる市 平川市 平内町 今別町 蓬田村 外ヶ浜町 鰺ヶ沢町 深浦町 西目屋村 藤崎町 大鰐町 田舎館村 板柳町 鶴田町 中泊町 野辺地町 七戸町 六戸町 横浜町 東北町 六ヶ所村 おいらせ町 大間町 東通村 風間浦村 佐井村 三戸町 五戸町 田子町 南部町 階上町 新郷村

うまく知恵を絞って考えてみると、いいものが出来上がる気配がするのですが・・・
お試しになり、マイナスの結果になても賠償できませんがプラスになったら教えてください。(笑)

最近は、スマホのSNS、音声入力による検索が増え、検索キーワードは「単語」から「口語調」へとシフトしています。Googleアナリティクスなどで、ターゲティングキーワードのクリック数、セッション数、コンバージョン率をみて、広告を最適化しようにも、二度と同じフレーズのなさそうな口語調では、今後の広告戦略厳しいかも知りません。
進化する「検索」、実は進化するのは検索する側だけで、サイト構築側が取り残されている。ということのないようにしたいものです。

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 松橋 正一

EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。


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