Eコマース、四半期ベースで過去最高を記録
アメリカ合衆国商務省が発表したデータによりますと、2024年第4四半期は、Eコマースの四半期ベースの総売上高および小売全体に占める割合がともに過去最高を記録しました。
2024年第4四半期のアメリカのEコマース売上高は、季節変動の調整なしで合計3,529億ドルと推定され、対前年比9.3パーセント増となり、小売全体の総売上高の成長率である3.7パーセントを大きく上回る伸び率となりました、Eコマースの成長が小売全体の成長を上回るのは、2022年第3四半期以降10四半期連続、総売上高の成長率を2倍以上上回るのは2023年第2四半期以降7四半期連続となります。
ちなみに、昨年第4四半期の小売全体の売上高は1兆9,772億ドルで、Eコマース売上の小売全体に占める割合は17.9パーセントとなりました。2024年1年間のEコマース売上高は1兆1,926億ドルと推定され、2023年から8.1パーセント増加し、2024年の小売全体の売上高の16.1パーセントを占めました。
売上高の前年比成長率
現在までに、アメリカのEコマースの売上成長率が前年比で増加しなかった四半期は、2008年第4四半期から2009年第1四半期のリーマンショック、および2021年第2四半期から2022年第2四半期までのパンデミックによる影響のみで、これらは外的要因により影響を被りましたが、全体的にEコマースの躍進は目覚ましいものがあります。ただし、2021年第2四半期以降、アメリカのEコマース売上高は前年比10パーセント未満の成長となっており、以前のような2桁成長とはなっていませんが、これは急速に成長したEコマースが安定期にはいってきている証と言えると思います。
ところで、昨年のホリデーシーズンでは、11月と12月だけで2,400億ドル以上の売上がありました。そのうち410億ドル以上が、感謝祭からサイバーマンデーまでのわずか5日間で記録されたものです。中でも、スマートフォンからの売上はホリデーシーズン全体の売上の54.5パーセントを占め、いわゆるMコマースの定着が見られます。
商務省では、Eコマースの売上を、購入者が注文するか、価格と販売条件が、インターネット、エクストラネット、電子データ交換(EDI)ネットワーク、Eメール、その他のオンラインシステムの方法で交渉される商品およびサービスの販売と定義しています。また、支払いはオンラインで行われる場合と行われない場合があり、季節変動、休日および取引日の違いを調整した推定値も発表していますが、価格変更は調整していません。

JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。