2023年のサイバーウィークの傾向

Adobeが最近発表しました、感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間のショッピング期間”サイバーウィーク”のオンラインショッピングデータによりますと、各日の売上は次の表のようになっています。このレポートは、Adobe Analyticsデータに基づいて、アメリカの小売サイトへの1兆を超える訪問、1億ものSKU、18の製品カテゴリーをカバーするオンライン商取引を分析することにより、アメリカのEコマースに関する最も包括的な見解を提供しています。

11月23日
感謝祭

11月24日
ブラックフライデー

11月25日

11月26日

11月27日
サイバーマンデー

5日間合計
サイバーウィーク

売上
(1ドル=145円)

56億ドル
(8,120億円)

98億ドル
(1兆4,210億円)

103億ドル
(1兆4,935億円)

124億ドル
(1兆7,980億円)

380億ドル
(5兆5,100億円)

前年比

5.5%増

7.5%増

7.7%増

9.6%増

7.8%増

2010年に、初めて単日での売上が10億ドルを超えて話題になったのを覚えていますが、今ではその10倍以上の売上が連日続いています。また、このサイバーウィーク5日間で合計380億ドル、日本円に換算しますと、なんと5兆5,100億円の売上を記録しました。配送中のUPSスタッフと話したところ、やはりサイバーウィーク直後の配送はとんでもない量であったと言っていました。

この期間、多くの買い物客が大幅な割引を得られる電化製品、おもちゃ、アパレル、家具、家電製品などの購入を行いましたが、サイバーマンデーは依然として史上最大のオンラインショッピングの日であり、この1日だけで、Adobeの当初予測を上回る総額124億ドル(1兆7,980億円)の売上がありました。特に、東海岸時間の午後10時から11時までがピーク時間となり、この時間帯では毎分1,570万ドル(22億7,650万円)もの買い物がオンラインで行われました。

カテゴリー別に見ますと、特にアパレルの売上が顕著で、オンライン売上高は2023年10月の平均日と比較して189パーセントの増加となっています。需要の強いその他のカテゴリーとして、家電製品(166パーセント増)、おもちゃ(140パーセント増)、家具(129パーセント増)、エレクトロニクス(103パーセント増)となっています。また、おもちゃ、ゲーム機、ゲームソフトウェア以外の売れ筋商品として、スキンケアギフトセット、ブレンダーやミキサーなどの小型キッチン家電、テレビ、スマートウォッチ、アクティビティトラッカー、Bluetoothヘッドフォンなどがありました。

ところで、これら売上増の貢献の一つとして考えられるのが、今すぐ購入して後で支払うという”Buy Now Pay Later -BNPL”です。サイバーマンデーには、このBNPLの利用が過去最高を記録し、BNPLによる売上が前年比42.5パーセント増の9億4,000万ドル(1,363億円)あったそうです。

BNPL利用者は、今まではどちらかというと少額での利用が多かったのですが、今年はBNPL利用の注文あたりの商品数が前年比11パーセント増で、BNPL利用金額の増加が見られました。

また、ブラックフライデーでは、オンラインショッピングによる売上が過去最高を記録しました。この数字は、ブラックフライデーにおけるショッピングの伝統が依然としてアメリカの消費者に強く残ってはいますが、早朝に起きて長蛇の列に並び、モールで大混雑の中を歩き回り、店舗内で人混みの中買い物をするために何時間もかけ続けた時代から脱却し、店内でのブラックフライデー体験を中心にパラダイムが変化したと考えられます。

Adobeでは、11月1日から12月31日までの2ヶ月間にわたるホリデーシーズン全体で、小売業の売上高が前年比4.8パーセント増の2,218億ドル(32兆1,610億円)に達すると予想しています。Eコマースの成長が店舗でのショッピングを上回り続ける中、その5分の1がオンラインでの売上と予想しています。