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アマゾン車両の電動化

アマゾンでは、世界中で27万9,000人の配達ドライバーが、1日あたり2,000万個の荷物を配達するために約10万台のガソリン駆動の配送用バンを保有していますが、その他にもアメリカ国内では電気自動車スタートアップのリビアンと共同開発した電動配送バンも活躍しています。(アマゾンは、リビアンの最大の株主でもあります。) こちらは現在1万台以上保有しており、アメリカ国内の1,800都市で配送を行なっています。アマゾンは、2019年の気候公約の一環として、2030年までに10万台のリビアンバンを使用するという全体目標を掲げ、今後も電動配送バンを大幅に拡大することを昨年秋に発表しております。これに伴いガソリン駆動のバンは徐々に減少していく予定となっています。ちなみにアマゾンでは、2050年までに脱炭素社会を目指すパリ協定よりも10年早い、2040年までにネットゼロカーボンを達成することを目指しています。

ちなみに温室効果ガスの最大の排出源となっている交通機関を電気化することによる脱炭素化の動きは、アマゾンに限らず、物流事業者や他の交通機関でも行われています。ここシリコンバレーを縦断する鉄道として、ディーゼル駆動のカルトレインがありますが、電動化された列車が今年の秋に運行する予定となっています。

次にアマゾンが目指しているのは、長距離トラックの電動化です。すでに、港からアマゾン施設へのコンテナ輸送や、アマゾン施設間での荷物の輸送のために、南カリフォルニア全域に50台近くの新しいボルボ製の大型電動トラックを配備しています。

こちらは、配送トラックと異なり、輸送する物品も非常に多く、バッテリーの航続距離が大きな問題となります。このような背景において、カリフォルニア州では、奨励金およびディーゼルをやめることで節約される資金をベースに、電動トラック用充電ステーションの稼働を始めています。例えば、南カリフォルニアと北カリフォルニアを結ぶフリーウェイに面した市に、Trucking-as-a-Service (サービスとしてのトラック輸送)の電気自動車インフラ会社は、最近約0.5平方kmの敷地にトラック充電拠点を開設しました。ここでは、約30分でトラックを充電できるメガワット級の巨大な充電器を含む、50台の充電器が設置されています。アマゾンでも、大型電動車両をサポートするために、地域内の11拠点に45台以上のDC急速充電器を独自に設置しています。ところで、このボルボ製大型電動トラックは、ドライバーに優しい、人間工学に基づいて設計されているとのことで、長距離の運転でも膝が楽であったり、アクティブ衝突回避機能などの安全機能も充実しており、また同等の車両と比較して信じられないほどの静粛性を備えているとのことです。

アマゾンはもはや物流会社とも言えますが、配送用バン、長距離トラックの電動化とともに、自社保有の輸送貨物機の大型化による配送効率の向上も進めています。
(イメージは、アマゾンのホームページより抜粋)

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

JECCICA客員講師 渡辺泰宏

カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。


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