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コロナ対応型の補助金について

本年度はコロナウイルス感染拡大対策の補助金が活用されております。
このコラムが掲載される12月でコロナ対応型の「IT導入補助金2020」と「小規模事業者持続化補助金」の最終公募受付が終了していると思います。特に「IT導入補助金」は9次募集!といった今までに無い長期間の公募を行いました。
本年度は「IT導入補助金」に加え、「ものづくり補助金」と「小規模事業者持続化補助金」の3つの補助金が、生産性革命推進事業に組み入れられ、一体的な運用が行われております。
ものづくり補助金は、4次公募締め切りが12月18日(金)で、5次公募が来年1月から公募開始になることが発表されております。

IT導入補助金と小規模事業者持続化補助金のいわゆる「コロナ対応型」は12月の公募で本年度は公募終了と思われます。本年度はこの3つの補助金に「コロナ特別枠」が設けられました。今回はこの「コロナ特別枠」について解説していきたいと思います。

補助率は最大で3/4だけど狭き門!
IT導入補助金2020のポータルサイト によると、補助金は「通常枠」と「特別枠」の2つに大別されます。特別枠は、新型コロナ感染症拡大防止のため、非対面型のビジネスモデルへの転換を迫られたなど、特別の対応をした事業者のために設けられました。
通常枠はA類型とB類型に分かれており、いずれも導入費用の2分の1を補助額として受け取ることができます。補助額はA類型が30万~150万円未満、B類型が150万~450万円です。特別枠はC類型で、補助率は最大4分の3、補助額は最大450万円です。目的が「サプライチェーンの毀損への対応」か「非対面型ビジネスモデルへの転換」、「テレワーク環境の設備」かにより補助額は異なります。パソコンやタブレットなどのハードウェアのレンタル費用も補助対象になります。
ECに関しては「非対面型ビジネスモデルへの転換」が該当するのですが、単純にECサイト構築だけではITベンダーとしての登録は難しいです。そこで何らかのパッケージツールを開発してその登録を行いながら、業務の1つとしてコンサルティングを導入するパターンとして事業者登録する方法がありました。申請するのは、ずばり「C類型-2」です。

・生産性向上のため業務プロセスの改善と効率化に資するITツールの導入
・非対面型ビジネスモデルへの転換(ここをEC構築とうまく組み合わせる)
・テレワーク環境の整備などに資するITツールとその活用に必要不可欠なハードウェア(レンタル品)の導入 →(という事は、購入品は対象外)

補助対象となるハードウェアは、デスクトップ型PC、ラップトップ型PC、タブレット型PC、スマートフォン、およびこれらに接続して事業に対応するためのWebカメラ、マイク、スピーカー、ヘッドセットなど。
リース期間は補助事業期間内なので、その後「買取」を勧める業者もいると思われます。

    

累計 補助金申請額 補助率 甲乙丙ツール要件 ハードウェアレンタル
C類型-1 30万〜150万未満 2/3 「甲:サプライチェーンの毀損への対応」
のみ導入
選択可
150万〜450万以内
C類型-2 30万〜300万未満 3/4 「乙: 非対面型ビジネスモデルへの転換」、
「丙 :テレワーク環境の整備」
どちらか一つ以上を導入
300万〜450万以内

従来と比べて本年度は応募者が多く採択率が低い!
IT導入補助金の過去採択率データがありました!

  採択率 当時の状況
2017年 約2倍 そもそも制度があまり認知されていない。申請ミス多発。
2018年 ほぼ1倍 小規模事業者のHP新規制作がほぼ全て採択される。
2019年  約3倍 ターゲットを中堅中小企業に移行すると公言

推測ですが本年度の採択率は4~5倍と思われます。この制度は小規模事業者に対しては「小規模事業者持続化補助金」に公募するよう移行させたい意図が見受けられます。
私も認定支援機関として財務諸表の作成・監修のサポートを行いましたが、正直なところ売上3億円以上、従業員数20名以上の製造業でITツール導入の費用対効果が見受けられ、従業員雇用を守りながら規定以上の賃上げ計画を有する企業から採用されている感がありました。よりダメージの大きい企業から救済したいのかもしれませんね。

小規模事業者持続化補助金(コロナ型)はこんな補助金でした。
従来は補助金上限50万円ですが、コロナ型は上限100万円で補助率3/4!
補助対象経費の1/6以上が以下のA~Cのいずれかの要件に合致することが必要。
A サプライチェーンの毀損への対応
B 非対面型ビジネスモデルへの転換
C テレワーク環境の整備   
(IT導入補助金と分類は一緒)
※1「事業再開枠」(感染防止対策のための取組)
業種別ガイドラインに基づく新型コロナウイルス感染症感染防止対策のための
取組にかかる経費について上乗せ補助。(遡及可能 上限50万円)
※2 特例事業者に対する上限上乗せ
クラスター対策が特に必要な特例事業者に上限50万円を上乗せ。
※1は補助金以外にコロナ対策に使用した費用(マスク、アルコール消毒等)の
実費を5月まで遡及して請求可能となりました。
※2は、屋内運動施設、バー、カラオケ、ライブハウス等の特例事業者のガイドラインに該当する場合には、さらに50万円を上限で補助します。

このような大盤振る舞いだったのです。実際に応募者が殺到し、3次公募結果発表が約30日延期になりました。これは前代未聞の事です。同時に採択率も3倍程度かと思われます。

来年度はどうなる??
なかなか収束しないコロナウイルスですが、補助金のコロナ型の公募は12月で終了です。
令和元年度補正予算持続化補助金(一般型)の今後のスケジュールですが一般型の公募日程はすでに決まっており。次回公募締切りは令和3年2月5日(金)当日消印有効(4次締切)です。5次締切りも、現時点で令和3年6月位に締切りを設け、それまでに申請のあった分を審査し、採択発表を行うと発表されております。
私は現状を鑑みて補助金コロナ型の来年度公募は多分あると思います。令和2年度補正予算が確定してから約1か月で次年度公募は始まると思います。ご参考までに。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 渡辺 太志

(株)アイズモーション専務取締役/プロフィットシステム常務取締役
コンサルタントとして企業の経営戦略から組織開発までトータル支援が可能。SNSを活用した集客・販促により宣伝広告費の圧縮を行い、経営改善に繋げるシステム作りのコーディネートを得意とする。


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