車載スクリーンとEコマース
自動走行車あるいは自動走行車による輸送サービスは、まだまだ遠い未来の話のように感じていましたが、イノベーションの進化のスピードは急速で、本当に実用化するところまで来ています。Googleからスピンアウトした自動走行のWaymoの車両の一部は、陸上でのチャーター輸送を許可するTCPナンバーを既に取得しており、自動走行車による人員輸送サービスが近いことを実感します。今までの車は運転を楽しむ”Fun to drive”の要素が強かった感がありますが、これからはいかに車内で時間を有効にすごすか、”Time spent effectively inside the car”の時代になっていくと思われます。(これは、私が勝手に考えた言葉ですが・・・。)この近未来的な車が現実になってくるとともに、車内での時間を有効に活用するプラットフォームを提供する企業もでてきています。自動車メーカー向けの車載コマースおよびサービスのグローバルリーダーであるXevoは、クラウド、自動車、モバイルデバイス向けのシンクライアントプラットフォームである”Xevo Journeyware”と、小売とドライバーの相互作用プラットフォームとなるオートモーティブコマースプラットフォーム”Xevo Market”を提供しています。最近の車は、InformationとEntertainmentを組み合わせた”Infotainment Screen”と呼ばれるタッチ式もしくはマウス式の大型スクリーンを装備していることが多く、このスクリーンから割引ディールを探したり、コーヒーやフードのオーダーをすることができます。XevoMarketは、場所や時刻などリアルタイムのインタラクションデータも活用し、車で過ごす時間をより生産的で楽しいものにする高度にパーソナライズされた顧客体験を提供するプラットフォームで、顧客とのコミュニケーションチャネルが一つ増えることになります。
例えば、Domino PizzaはXevoとの協力により、車にプリロードされた最新のピザ注文プラットフォームを立ち上げています。これにより、車両のタッチスクリーンを数回タップするだけで、お気に入りDomino Pizzaを注文することができたり、DominoPizzaが提供するTracker機能により、ピザの出来上がり状態をスクリーンで確認することもできます。このDomino Pizza注文機能は、Xevoのテクノロジーを搭載している数百万台の車に、今年後半から自動的にダウンロードされ使用することができるようになっています。
また、Xevoは自動車メーカーと戦略的に車載コマースの推進を行っており、車載タッチスクリーンと自動車メーカーのモバイルアプリのインターフェースを介し、お気に入りのマーチャントブランドやサービスとやり取りできるようになっています。顧客のクレジットカードまたはPayPalアカウント情報を安全に保存する自動車メーカーのウォレットアプリの支払いプラットフォームの作成もサポートしており、将来的にコーヒーショップ、ガソリンスタンド、駐車場などで車内からの支払いを可能にする技術を開発しており、さらに便利になりそうです。
JECCICA客員講師 渡辺 泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。