オンラインミーティングへの慣れとコミュニケーションの阻害要因を考える
ミーティングといえば今はオンラインミーティング
今となってはミーティングといえば、概ねオンラインミーティングのことを指すようになりました。
ほとんど行なっていない従来の対面型のミーティングはリアルミーティングとかオフラインミーティングと呼ばれるようになりました。以前はオフラインミーティングといえば「会議室を離れて会食等しながらお話ししましょう」というある種の隠語のように使っていた時期もありました。
いずれにしてもこれは私の周りのごくごくローカルなコミュニティでのラフな会話の上での言葉の使いかたです。正しい使い方ではなく仲間内で雰囲気を伝えることが目的なので使う場所と使い方には多少注意が必要ですね。
オンラインミーティングへの慣れと熟練
オンラインミーティングでは、なかなか細かいニュアンスが伝わりにくいのが悩みだと思います。
感覚や空気が読みにくい、表情がつかみにくいからなどの理由からでしょうか。
結果として大切な議案は容易に決定されず、多くの保留事項を抱えながらペンディングされていくことが多くあります。
終わらない話の聴き疲れや、伝わらない、決まらないことによる心理的なストレスにより、参加者は無気力になり、惰性で定例的に開催されてゆくだけのミーティングになってしまったりするケースもあります。
しかしその反面、よい慣れかたといいますか上手いミーティングに出会うことも時々あります。
残念ながら特定の個人のポテンシャルに依存していることが多いのですが、適切に事前準備されており、ミーティング中の的確な振りと回しで発言も活性化し、短時間で構成されているので飽きる間もない内容であり、アジェンダとまとめが簡潔であるといったものです。
おそらくこの進行者のかたはリアルのミーティングでもその能力をいかんなく発揮されていたものと思います。
オンラインのほうがやや運営がタイトなのかもしれませんが、よく考えるとこのあたりの大切なポイントはオンラインもオフラインも同じと考えられるのではないでしょうか。
オンラインミーティングをうまく進めるポイント
ついついネガティブなことばかりを先に考えがちですが、よいと思うところをよく考えて、うまく開催することが肝要だと思います
私が考えるオンラインミーティングをうまく進める基本的なポイントは以下のとおりです。
他にもたくさんありますが、主だったものだけ紹介します。
アジェンダ、時間、参加者と進めかたです。
オンラインミーティングのアジェンダ
アジェンダ(議題)は極力、項目を絞ること。多いときは会議自体を分割することも検討しましょう。
必ず事前に共有し、ミーティングのオープニングで確認します。終了時には振り返りを行います。決定事項、保留事項を明確にします。今後の予定と次回の開催予定も忘れずに確認しましょう。
オンラインミーティングの時間
定刻で開始することは当然ですが、最低5分前から接続可能とし、基本的に延長はしないようにしましょう。
時間はできれば30分、長くとも最大1時間までがよいと思います。
アジェンダが複数ある時は会議を分けることの是非を検討しましょう。
オンラインミーティングの参加者・参加人数
最少人数を心がけましょう。
事前のアジェンダをもとに適切な参加と人数を選定しましょう。参加人数が多いとどうしても間延びしますし、会議の緊張感も損なわれます。
ただ会議開始時には必ず一言ずつ発声していただき、発言の予行演習と雰囲気作りを行います。会議終了時にも一言ずついただきたいところですが時間に余裕がなければ開始時だけでも行いましょう。
オンラインもオフラインも同じ
前項にも記しましたが、オンラインもオフラインも基本となるポイントは同じなのではないでしょうか。
オンラインだからというネガティブな思い込みがいちばんいけないことのように思います。与えられた、そして限られた環境の下で最大限の成果を出すことがビジネスの基本であり、それがビジネスマンとして発揮すべきまたは期待されるべきポテンシャルなのではないでしょうか。
今回はオンラインミーティングツールに関して触れませんでしたが、もちろんツール選定も大切な要素だとは考えますが、ツール選定に終始してミーティング自体のやりかたがあまりにも後回しになっているケースもあります。
それよりも問題なのは新しいテクノロジーに対する拒否反応が厄介だと言えます。主義主張と個人的な好き嫌いを一概に否定することは避けたいと思いますが、ミーティングツールのようなコミュニケーションツールに関してはシェアの高いもの、組織や取引先で既に利用しているものに依存するケースがよくあります。
責任ある立場のかたに特に見受けられるような気がしますが、「また新しいツールか」、「いやだ」、「嫌いだ」など気軽に言ってはいけません。あなたのために多くのかたが余分な手間とストレスを抱えているかもしれないのですから。
まずはつまらない先入観をなくしましょう。
現在と未来に対し、正しく冷静な目でよりよい判断をされることを切に希望いたします。
JECCICA客員講師 和田 務
株式会社シーズファクト代表取締役社長 クライアントサイドに立ったITコンサルティングを経営、業務改善、物流といった幅広い視点から行い、企画から運用・保守まで全てのフェーズでのプロジェクト支援が可能。複数のITベンチャー企業の設立・経営に参画し、幅広い人脈を生かしての新規ビジネスの企画、アライアンス提案も行う。