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TikTokがマーケティングを変える

最近、「TikTok売れ」という言葉をよく耳にします。
日経トレンディの「2021年ヒット商品ベスト30」でも「TikTok売れ」が今年のNo.1になっていることをご存じの方も多いと思います。

TikTokとは、BGM付きの15秒から30秒程度の短い動画を投稿、視聴できるSNSアプリです。
アプリ内には速度調整やメイク修正など様々な特殊効果機能が実装されており、「0.5倍速」「2倍速」など速さの調節しながらの動画撮影や編集、メイク修正機能で目を大きくしたり肌を滑らかにしたりなど“盛れる”動画もカンタンに作ることができます。
アプリ内に入っている楽曲から選ぶだけでBGMも付けられることから、ダンス動画が多く配信されているイメージをもっている方もいらっしゃることでしょう。

この「TikTok売れ」を簡単にいうと「TikTokで流行ると爆発的に売れる!」ということです。そこで、実際の事例を紹介してみたいと思います。

・30年前の書籍が10万5000部の重版
1989年の出版された筒井康隆氏の「残像に口紅を」をTikTokで紹介したところ、その動画が話題となり700万回以上再生され、「いいね」も50万回以上され、結果10万5000部の重版となる。

・関連動画併せて約5億回再生で10万個が即完売のお菓子
「地球グミ」(正式名称:トローリ プラネットグミ)の紹介動画投稿が流行り、ハッシュタグ「#地球グミ」の総再生数は約5億回以上。その結果、10万個が即完売し、入手困難となる。

・あの高級輸入車も3台成約に
山形のBMWディーラーが独自でTikTokを活用。キレイなお姉さんが山形弁の訛りそのままでクルマの機能説明や解説をしているユニークな動画が人気となり、3台成約となる。

・TikTok投稿で月間契約数60件の不動産会社
TikTokの投稿目的は広告宣伝費の削減。内見動画を投稿。その結果として、月の問い合わせ件数は100件、そのうち60件が契約。TikTok経由の売上は月間500万円以上にものぼる。

TikTokをきっかけにし書籍や食品や日用品、雑貨だけでなく、高額商品である車や不動産までもが売れ行きを伸ばしているのです。

では、なぜこのようは「TikTok売れ」が起こるのでしょうか。
それは、TikTokの特徴である「おすすめタイムライン」に答えがあります。
今までは目的にあった「検索」をすることが情報収集の手段でした。また、facebookやInstagramなどは「フォローしているアカウント」がアップした情報がタイムラインに表示される仕様になっています。
ところが、TikTokはそれらの逆をいきます。フォローしていなくてもおススメ動画が表示されるのです。これは、普段視聴している動画のジャンルや傾向からAIが関連した興味・関心を持つ動画を表示させているのです。
これによって何が起こるのか。それは、好みジャンルのボーダーレス化です。先ほどを伝えましたが、facebookやInstagramなどではフォローしているアカウントしかタイムラインに表示されません。しかし、TikTokでは、ダンス動画の次には動物動画、そしてメイク変身動画などがフォローもしていないのに表示されます。それこそが今まで興味関心のなかったジャンルに興味を持つきっかけとなっているのです。
これまでは少しでも有効なリーチをするためにも「フォロワー数」が肝になっていました。ですが、TikTokではフォロワー数がなくても、優秀なアルゴリズムによって動画に興味ありそうなユーザーをジャンルを超えて見つけてくれ、リーチしてくれるのです。

また、「比較」という点ではどうでしょうか。
先ほどの不動産を例にとってみます。
引っ越しという目的や興味がなければ、普通は不動産情報をチェックしたりしません。が、TikTokでたまたま流れてきた内見動画をみて、興味を持つと「なんかよさそう。実際に見てみたい」と問い合わせという行動に出ることが起こりやすくなります。そして、そこには既に興味が上回っているため、他の物件との「比較・検討」が生まれづらい状況が出来上がります。

ということで新たなマーケティングツールであるTikTokですが、運用にあたりいくつか注意点がありますので、それもご案内したいと思います。

・できるだけリアルな紹介動画にすること
TikTokでは、よくプロモーションで使われている「〇〇1位!▲▲さんおすすめ♪」的な“売らんかな動画”にはリアクションは薄い傾向があります。
それよりも、心底その商品を押しているリアルな紹介動画に人気が集まっていますのでリアルな声をお届けしましょう。

・動画はあくまで縦長で
TikTokはスマホ向けアプリのため、縦長動画を作成する必要があります。横長で作っている動画を流すと上下に余白ができてしまい、非常に見にくい動画になってしまいます。その場合は新たに動画作成をすることをおすすめします。

・動きが重要!
TikTokにはさまざまな動画が表示されています。目的は今まで興味のなかったユーザーにリーチさせることです。そのためにも目を引くような動き(速さや多さ)が重要です。また、マネしやすい動きであると、同様のマネした投稿が増え拡散されやすくもなります。そして、人数が複数の場合はフォーメーションも意識しましょう。

・最初の3秒で決まる!
何度もお伝えしていますが、TikTokにはさまざまな動画が表示されています。いくらTikTokのアルゴリズムにより興味ありそうなユーザーに表示されたとしても、興味を持ってもらえなければ最後まで動画を視聴してもらえません。そのためには、最初の3秒が重要となります。この3秒で興味を持たせ、最後まで視聴してもらい、商品購入や問い合わせに誘導できるようコンテンツを考えましょう。

いかがでしょうか。従来のマーケティングは「興味ある方へいかに情報を届けるのか」が重要でした。しかしTikTokでは「興味がない方にも情報を届けることができる」のです。
新たな購買層の獲得のためにTikTokは必須のマーケティングツールになってきます。
TikTokを通して新しい戦略が見えてくるかもしれません。
来年以降もTikTokからどんなムーブメントが生まれてくるのか楽しみですね。


JECCICA客員講師 松本誠世


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