令和6年度 新設された補助金情報
今回は令和6年度に新設され、すでに公募要領が公開された補助金の情報です。
中小企業省力化投資補助金について
中小企業省力化投資補助事業は、IoT、ロボット等の人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する事業です。
位置づけとして事業再構築補助金の後継として大きな予算が確保されていることから注目を集めています。中小企業の省力化投資を支援し、経済活動を活発化することも目的の一つです。
中小企業省力化投資補助金の対象者は、以下の2つの条件を満たした中小企業や小規模事業者とされています
①人手不足の状態にある中小企業や小規模事業者
②事業終了後1~3年で付加価値額を増加させることができる事業者
人手不足に関しては客観的に示す証憑を提示するか、人手不足が経営課題となっている旨を申告することが必要とされています。
また、付加価値額に関しては、事業終了後で従業員1人あたり、年平均3%以上の増加が見込める事業計画を策定する必要があります。付加価値額とは「営業利益+人件費+減価償却費」によって算出されるものを指します。
中小企業省力化投資補助金の補助額と補助率は、以下のとおりです。
従業員 | 補助上限額 | 補助率 |
5人以下 | 200万円(※300万円) | |
6人~20人 | 500万円(※750万円) | 1/2 |
20人以上 | 1,000万円(※1,500万円) |
※は大幅な賃上げを行った場合の補助上限額です。
●事業所内最低賃金を年額45円以上増加させること
●給与支給総額を年率平均6%以上増加させることが条件です。
大幅な賃上げに伴う補助上限額の引き上げを受けるためには、補助金の申請時に宣言すること・事前に従業員に対して賃上げの計画を表明する必要があります。
従業員に対して表明していない場合、補助金の返還が求められる点に注意しましょう。
対象経費について
中小企業省力化投資補助金の対象経費は、カタログに掲載されているIoTやロボットの人手不足の解消につながる設備の導入費用が該当します。
業種別に整理すると、以下のような機器が補助対象になります。
EC業界であれば倉庫関係の保管、在庫管理、入出庫などの省力・無人化が対象として考えられます。無人搬送車にも使えます。
また、飲食店の券売機による注文受付は今後の新札対応にも利用可能です。
宿泊業もチェックインカウンターの自動化が一気に進みそうです。
この補助金を活用するには補助金サイトに掲載されている「カタログ」から商品を選んで申請する方式となります。カタログから導入製品選びを行わなければいけません。
カタログに掲載されてない製品は補助対象外となりますので注意しましょう。
あれ? このスタイルは?? どこかで見たことがありますよね??
そうです。申請方法は「IT導入補助金」にそっくりなのです。
つまり、難しい事業計画は必要ないと考えられます。採択率はうまく申請が出来ればかなりの高確率になると思います。
申請の流れは以下になります。
中小企業省力化投資補助金は、省力化投資を促進して中小企業の付加価値額や生産性向上を図る制度です。活用すれば、生産性向上だけでなく従業員の労働時間の短縮や賃上げも実現できるでしょう。
また、他の補助金との併用ですが、明確に利用目的が違うのであれば併用可能とされております。人材確保や低い生産性に悩んでいる事業主の方は、活用を検討してみてください。
詳細はこちら。商品カタログは随時内容更新されております。
https://shoryokuka.smrj.go.jp/
現時点の情報をまとめました。以上になります。補助金申請・ご利用は計画的に!
JECCICA客員講師 渡辺 太志
(株)アイズモーション経営企画部長 プロフィットシステム常務取締役 コンサルタントとして企業の経営戦略から組織開発までトータル支援が可能。 SNSを活用した集客・販促により宣伝広告費の圧縮を行い、経営改善に繋げるシステム作りのコーディネートを得意とする。