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全ページSSL/TLS化時代にサーバー証明書がもたらすもの

Webマーケターが知っておくべき常時SSL/TLS化のメリットおよび注意点

WebサイトがSSL/TLSサーバー証明書を実装していることをページランクの評価指標として優遇するとのGoogleからの公式発表(2014年8月)を受けて、Webマーケターの間でもSSL/TLSサーバー証明書に対する関心が高まりつつあります。今回は、常時SSL/TLS化のメリットおよび注意点、また注意点への対応策について、技術的な側面からではなく、Webマーケティングの観点よりご説明します。

常時SSL/TLS化にはいくつかのメリットがありますが、Webマーケティングをより効果的に行うという観点から押さえておくべき主要なポイントは以下の3点になります。

1. Google検索においてSEO効果が期待できる

Googleは、同社の「ウェブマスター向け公式ブログ」で、SSL/TLSを実装していることも検索ランキングの決定要因として考慮していくと発表しました。この変更は、現時点ではグローバルでクエリの 1% 未満にしか影響しませんが、これから長い期間をかけて強化していくとのことです。すなわち、SSL/TLSをWebサイトに実装していることが「ページランク」の指標における決定要因の1つになっていると言う訳です。

2. ウェブサイトのアクセス解析の精度が向上する

Webサイト訪問者がhttpsサイト(SSL/TLS実装サイト)からhttpサイト(SSL/TLS非実装サイト)に移動する場合、どこのサイトから自分のサイトへ来たかを知る「リファラー」(参照元)データが渡されません。すなわち、Google Analytics等の解析ツールでは、「no referrer」(参照元無し)としてカウントされます。リファラーデータを渡す移動元サイトが「meta name=”referrer”」を使えば、https→httpへリファラーデータを渡すことができますが、移動元サイトの運営者にそのような対応を常に求めることはできません。移動先サイトとなる自分のWebサイトをhttpsサイトにすれば、http、https両方のWebサイトからリファラーデータを受け取れるようになり、より精緻なアクセス解析が可能になります。

3. Google Chrome上でGeolocation APIを使用できる

位置情報もプライバシーであるため、http通信の場合だと、現在地の取得ができないブラウザが出てきています。下表の黄色のハイライトがそれに当たります。

このように常時SSL/TLS化にすることで、Webマーケターにとって喜ばしいこともありますが、その反面、注意しなければならない点もあります。それらについて、具体的な対処方法も交えてご紹介したいと思います。

1. 広告収入が減ってしまう可能性がある

httpsサイトはサイト内のコンテンツ全てがSSL/TLSに対応している必要があるため、httpサイトの広告を掲載できません。Google AdSenseではSSL/TLS非対応の広告を排除するため、入札競争率が低下し、広告収入が減ってしまう可能性があります。従いまして、httpsサイトに掲載する広告には、SSL対応の広告コードを使用する必要があります。具体的な使用方法は、Google AdSense のヘルプページ「SSL 対応の AdSense 用広告コード」(https://support.google.com/adsense/answer/10528)でご確認ください。

2. SNSのソーシャルボタンのカウント数がリセットされてしまう

ソーシャルボタンのカウント数は、シェアされたURLに対してカウントされる仕組みになっています。たとえhttpからhttpsへの変更であっても異なるURLとして認識されてしまうので、今までのカウント数がリセットされてしまいます。この点については、「php」による処理を加えることで、ホスト名以降のURLパスが同じであれば、httpサイトのカウント数を引き継いだように見せることができますが、あくまでもソーシャルボタンの仕様に依存するため、カウント数が引き継がれない場合もあることをご承知おきください。

以上、常時SSL/TLS化のメリットおよび注意点について、Webマーケターの関心が高いと思われる点を中心に、ご説明させていただきました。サーバー証明書の導入に向け、参考にしていただければと思います。

鈴木 謙一プロフィール写真

技術本部 本部長 東 久貴

2000年頃より、PKI技術を中心としたICTシステムの認証/暗号等セキュリティシステム提案~実装に携わってまいりました。
現在は、サイバートラストの技術本部長として20名のエンジニアを率いており、市場を見据えた次世代認証局やコンテキスト認証、IoT分野向けセキュリティサービスなど、新技術開発をリードしております。


 

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