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利用しやすくなったスポンサープロダクト広告

JECCICA特別講師 松橋 正一

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費用対効果に優れていると言われているAmazonスポンサープロダクト広告も2014年9月に開始されてから1年半以上経過し、利用する出品者が多くなるにつれ広告入札金額も徐々に上昇し、売上高広告費比率(ACoS)の改善を求められる時期になってきました。

そんな中、広告費用を抑えることができる「除外キーワード」の設定機能が最近追加されました。出品者にとっては嬉しい機能です。

「除外するくらいなら、最初からキーワード設定しない方がいいのではないですか?」「除外するキーワードは削除すればいいのではないですか?」と疑問に思われる方もおられるかもしれません。

Amazonスポンサープロダクト広告は、出品者が対象キーワードを決める「マニュアルターゲティング」と、購入者が入力した検索キーワードに対し関連のあるSKUをAmazonが自動選択し広告を掲載するインプレッション重視の「オートターゲティング」という2種類のターゲティングがあります。

「オートターゲティング」は、対象キーワードを決めることはできませんが、「マニュアルターゲティング」は、一括アップロード機能を利用すると「部分一致」、「フレーズ一致」、「完全一致」など、キーワードの一致のタイプを設定することができます。

今回追加された「除外フレーズ一致」、「除外完全一致」とあわせて説明します。

 

<広告を表示するキーワード>

タイプマッチは、「部分一致」、「フレーズ一致」、「完全一致」など、キーワードの一致のタイプを設定することで、特定の検索用語により広告が表示される確率をコントロールすることができます。

例えば、部分一致を使用してより広範な閲覧者に広告を表示するか、または完全一致を使用して特定のグループの買い物客に焦点を定めるかを選択することができます。

【部分一致】設定するキーワードが含まれる購入者の検索キーワードに対して、また語順が異なる場合でも、検索キーワードに他のキーワードが含まれる場合でも、幅広く広告が表示されます。可能な限り広告の表示数(インプレッション)を増やす場合に効果的です。

 

【フレーズ一致】購入者の検索キーワードと完全に一致するフレーズ、または前後に他の語句を含むフレーズが検索された場合に広告が表示されます。 広告の表示機会を減らしすぎることなくターゲットを絞り込むことができます。また部分一致と比べ、より関連性の高い購入者の検索キーワードに対し広告を表示することができます。

 

【完全一致】購入者の検索キーワードと完全に一致し、前後に他の検索キーワードが入力されていない場合にのみ広告が表示されます。また検索キーワード語句に設定するキーワード以外の語句が含まれる場合は広告は表示されません。完全一致では、部分一致やフレーズ一致よりも、より関連性が高い広告の表示となり、より広告の表示数(インプレッション)は絞り込まれます。以下の表は、各マッチタイプによって、購入者がどのようなキーワードで検索したときに広告が掲載されるかの例です。

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「部分一致」では、一部のキーワードが含まれ他のキーワードとの組み合わせでもヒットし、メンズでありながら、レディースでもヒットしてしまいます。

「フレーズ一致」では、完全に一致するキーワードの前後に他のワードの組み合わせでもヒットします。「完全一致」では文字の如く、購入者の検索キーワードと完全に一致しないと表示されません。

 

<除外キーワード>

除外キーワードを設定することで、指定した除外キーワードを購入者が検索した際、広告を表示しないようにすることができます。

除外キーワードを設定すれば、パフォーマンスの低い検索を除外し、広告費用を抑えることができるため売上高広告費比率(ACoS)の改善に役立ちます。

また除外キーワードを設定することで、購入者のより関心度の高い広告に絞って広告を掲載することも可能となります。

【除外フレーズ一致】指定したキーワードと同じ語順で検索された場合、除外し広告が表示されません。

【除外完全一致】指定したキーワードのみで検索された場合、除外し広告が表示されません。 以下の表は、除外キーワードの各マッチタイプによって、購入者がどのようなキーワードで検索したときに広告がされないかの例です。除外キーワードは「フレーズ一致除外」と「完全一致除外」の2つのマッチタイプから選択できます。

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例えば、ファッション商材を販売している場合、「メンズ」を除外キーワードとして広告グループに設定することで、その広告はレディースに絞って広告掲載することできます。

「オートターゲティング」は、購入者が入力した検索キーワードに対し関連のあるSKUをAmazonが自動選択し広告を掲載する仕組みです。

比較的入札額が低いロングテールキーワードやこれまで見過ごされてきたキーワード、これからニーズが高まるであろうキーワードに対し広告を掲載できる、インプレッション重視の機能ですので、出品者が検索キーワードを設定できません。

インプレッション重視のターゲティングだけに、コンバージョンにつながらないキーワードでクリックされ無駄に広告費用を上昇させてしまう場合があります。

しかし、今回の「除外キーワード」の設定機能の追加は、「オートターゲティング」にても設定できますので、より無駄な広告費用を抑えることができるようになりました。

 

この便利なタイプマッチの設定はどこでできるのでしょうか?

実は、Amazonセラーセントラル管理画面では、スポンサープロダクト広告タイプマッチの設定はできないのです。

唯一設定できるのは、[一括アップロード機能]で既存広告データをダウンロードし(エクセルファイルとCSVファイルでダウンロード可能)、タイプマッチを設定編集し、アップロードするしか方法がありません。既存広告データには、「オートターゲティング」、「マニュアルターゲティング」のインプレッション、クリック数、広告費用、注文数、売上金額、売上高広告費比率(ACoS)のデータがありますので、それらを参考にタイプマッチを設定することが可能です。

また、「スポンサープロダクトレポート」より、「検索キーワードレポート」をダウンロードすると、購入者が入力した検索キーワードに対し関連のあるSKUをAmazonが自動選択し広告を掲載する「オートターゲティング」の検索キーワードに対するインプレッション、クリック数、広告費用、注文数、売上金額、売上高広告費比率(ACoS)のデータを分析することができますので、除外キーワードを設定する上でとても参考になります。

 

 

JECCICA NEWS Vol.36 掲載

JECCICA特別講師 松橋 正一

matsuhashi

楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。

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