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ウェブビッグビジネス(WBB)の創り方

JECCICA特別講師 笹本 克

笹本さん

 

共通点を探してみよう

オムニチャンネルとネットスーパー?

モバイルフレンドリーとメルカリ対応?

いや、LINEとFBを改めて徹底的に研究した方が……。

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昨今においても新しいテーマが尽きないネット業界ですが、もしも相当規模の資金と人員を投入して「今から」WBBを狙うとするならば、どの様な設計図を描けばよいでしょうか。

ショッピングの楽天あるいはアマゾン、レシピのクックパッド、ポータルのヤフー、他にもゲームや予約系など様々な業種&形態のWBBがあります。

 

今現在一定規模に達している成功者が、サイトを立ち上げた段階から詳しい設計図を描いていたのか、環境と時流と幸運に恵まれて、気がついたら今の規模に達していたのかは定かではありませんが(笑)、まずは、先輩成功者達の共通点を業種や時期を問わず考察してみることが必要です。

 

この「うまくいった先輩たち」の共通点探しは、コンサルタントとして売上&利益UPの「新たなヒント」を見つけ続ける上でも大変重要な視点になります。

 

ある特定の業種の、一つのサイトの、一つの成功事例や手法を鵜呑みにしてこれをマネするレベルの経営者やコンサルタントは、賞味期限の短いハヤリのテクニックと、様々な業種や規模のサイトにおいても長期的にその効果が期待できる再現性のある「本質的な視点やノウハウ」を見分けることができません。

 

その結果、流行に振り回されることとなります。

ネット業界は大変早いスピードで変化し続けています。

相当の神経を使っていても、もはや一人だけではその変化や情報を追い切れないところに達しているのではないでしょうか。

従い、流行に振り回されないためにも、本質的なノウハウを見極める視点を養ってゆく必要があります。

 

「先輩成功者の共通点」とは、「業種や時代を超えて」「複数回作用した」「成功への黄金律」であると笹本は考えます。

先輩成功者の共通点であれば、なぜ効果が上がるのかの理由が理論的に説明できないことであっても、まずは試しに実践してみるべきではないでしょうか。

例を挙げれば、仮に「お客様の顔が見えにくいWEBビジネスだからこそ、お客様への感謝の気持ちを忘れない様に、社員全員で大きな声で“有難うございます”と言うことを日課にしている」ごとくのことが共通点であれば、早速これをマネしてみるべきなのです。

 

 

それでは、WBBの共通点を考えてみたいと思います。笹本が思うには、

  • プラットフォーム型のビジネスになっている
  • ある段階から、「好循環」が始まり、 規模の拡大が加速している
  • 口コミand/orバイラルマーケティングの要素を持っている

この3つの条件をそろえることがWBBの共通点になっているかと思います。

 

【 プラットフォーム型のビジネス 】とは、商品掲載や投稿などの「場を提供している」形のサイトビジネスを指します。

フェイスブックなどのSNSもコミュニケーションの「場」を提供しているだけであって、これらのサイトにある膨大なコンテンツは、事業者ではなく登録ユーザーが作っているもので構成されています。

 

モールも同様で、楽天に掲載されている1億9千万を超える商品ページは、楽天自らが作成したものではなく、「出店者のコストと労力」で作られたものです。

検索ポータルとしてのヤフーも、立ち上げ当初は自社内のサーファーと呼ばれる担当者自身が、様々なHPを探してリンク集を作っていましたが、その後、リンクの掲載依頼に対応する形に変わり、次にHPを自動的に見て回ってデータを収集するロボット型検索エンジンと併用され、現在では検索機能においてはgoogleのロボットが収取したものを引用して表示しています。

つまり、自社で作成したコンテンツ=リンク集は現在では使っていないのです。

ヤフーの収益の大きな柱となっているオークションの各商品ページもヤフーが作ったものではありません。

 

ガラ携が主力時代のモバゲーの各種ゲームもその多くはゲームベンダーが作成したものですし、クックパッドのレシピも投稿者が考え出したものです。(クックパッドは全てのレシピを自社で試してから掲載しているそうなので、自社コンテンツの意味合いは多少含んでいますが。)

 

「ビッグビジネス」の規模になると、自社の資金やマンパワーでは「ビジネスの根幹を成す」「膨大なコンテンツ」を作成しきれません。

いかに「迅速に・大量に」主力コンテンツを「集めるか」については、WBBの設計段階から考慮すべき最重要課題になるかと思います。

 

この最重要課題をクリアする最善策は、ある段階からの【 好循環 】を獲得することです。

 

楽天の場合は、ショップを始めるためには、相当の資金と知識が必要だった時代、自社ドメインショップの数も少ない時代に、ある程度の資金と知識があればネットショップが開設できる「場」を提供しました。

そして、商品が集まるからユーザーが集まる、ユーザーが集まるから出店者が増え、また商品=コンテンツが増えて……という好循環を獲得しました。

 

WBBの多くは、オンリーワンの段階で好循環を獲得し、加速度を持って規模と知名度=ブランドを獲得し、他社の追随を許さない環境を築いています。

 

この構造はかなりシビアで、一般のショッピングにおいては、ヤフーは楽天に追いつけず、オークションにおいては、楽天はヤフーに追いつけず、書籍においては楽天もアマゾンに歯がたちません。

一度築かれた「構造」は簡単には崩れません。

 

たとえば書籍の場合、同じものを同じ価格で売っていても、楽天とアマゾンとでは約5倍の開きがあると言われています。

同業他社に「構造」を築かれてしまったら同じフィールドではビジネスが難しくなると同時に、「構造」を築いてしまえば、資金と人材を持つライバルが参入してきても簡単には追いつかれないともいえるのです。

 

つまり、ある段階で、「このビジネスは本格的に行ける」と判断したら、多少の無理をしてでも大きく投資を行い、一気に加速をすることが必要になってくるかと思います。

広告などで認知度を上げるのか、人員を拡充するのか、コンテンツ量を獲得するのか、どこに加速の重点を置くかはそれぞれですが、好循環で構造を獲得し、「他社より先に」規模と知名度を上げること。

 

楽天の三木谷さんが スピード スピード スピード と言っていたのもうなずけます。

 

 

ビジネスをさらに加速させるためには、【 口コミ&バイラルマーケティング 】の要素を持っていることが必要になります。

バイラルとは、ウイルス=伝染するという意味合いですが、たとえば現在注目されているLINEでいえば、「無料で電話できるからアナタも登録しておいてよ」という具合に既存ユーザーが新しいユーザーを連れてきてくれる要素を持っています。

複数名が一緒に敵と戦うゲームなども同様ですが、既存ユーザーからみて、新しいユーザーを誘うことが、メリットや楽しみにつながるシカケを作っておくことがバイラルマーケティングを成功させる秘訣です。

口コミについては、目新しさや、一定以上の規模を持てば、

「楽天で買ったの。ポイント付くし。」「すてきなバッグだね。えっ自分で作ったの?メルカリというフリマサイトがあるよ。一度出品してみたら」など、ある程度は自動的に認知度が広がることが期待できますが、口コミの王道は、商品やサービス、あるいは便利さやポリシーなどが、お客様の心を動かすまでの高いクオリティーであること。

 

これはリアルもネットも変わりません。

ビジネスの本質が磨かれているからこそ、WBBが成立することをお忘れなく。

 

 

JECCICA特別講師 笹本 克

笹本さん

自治体・関連団体にもEC関連の講演や講師を務め、DeNA、Yahoo!Japanショッピング事業部へのレクチャー、ドリームゲート起業講座の他、コンサルサイトの累計約600社、多業種でのコンサル実績も豊富。

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