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ネットを理解し、ECやWEBサービスを先読みする

ネットを理解し、ECやWEBサービスを先読みする

EC

JECCICA特別講師 清水 将平

shimizu

 

たまたま入社した会社から出向し、1997年からインターネットサービスプロバイダ(ISP)でテクニカルサポートとして働いていた私は、14.4Kbpsの28.8kbps、56Kbpsのアナログモデムから、ISDN、CATV、ADSL、そしてFTTH(光ファイバー)、PHSによる無線通信などネットの進化を誰よりも早く体感できる環境にありました。

 

もともとインターネットは、アメリカの軍事技術が応用されて発展した背景もあり、技術が日本で認可されるのに時間がかかり、アメリカより遅れて日本に入ってきます。

 

当時からお客様のお問い合わせも、ニュースグループと呼ばれるネット掲示板やWEBサイト上のフォーラムでほとんど解決している情報を得る事ができ、

 

 

情報がない場合でも秋葉原で最新のOSを搭載したパソコンとモデムを買ってきては、自ら検証することで、どこのプロバイダよりもきめ細かい対応をすることができ、大手プロバイダがその手間を書けない分、私が所属していたプロバイダは、当時のほとんど全てのインターネット専門誌で、サポート満足度No.1という評価をいただくことができたのです。

 

2001年にプロバイダを離れ、1年ほどカナダに在住し、帰国後は、商社でケーブルインターネットのモデムを販売、2003年から2007年に楽天に在籍し、起業する2010年までまた同じプロバイダに復帰することになるのですが、サラリーマン時代にとあるベンチャーのお手伝いをしながら、楽天に出店したことがあります。

 

その結果は、散々たるもので、楽天在籍時代に上手く行った方法では、全く集客ができず、すぐに撤退することに。

 

理由は、簡単でした。インターネット環境の変化についていけてなかったのです。EC業界から通信業界に戻り、光ファイバーなどインターネット回線を売る仕事に戻り、ネットショップで商品を買う側の環境の変化を完全に見失ってたわけですね。

 

もともと1997年から2003年くらいにかけては、インターネットが普及し、パソコンでの常時接続が当たり前になり、2005年くらいからフィーチャーフォンと呼ばれるガラケーを1人1台所有する時代でした。その間の国内ECは、ネットで物が買えるということが当たり前になりつつもあるものの、楽天市場のようなモールでの品揃えも十分ではなく、WEBメールや携帯キャリアメールをメインのコミュニケーション手段として利用するお客様にメルマガを配信するだけで、簡単に物が売れる時代だったのです。

 

特にガラケーは、狭い画面で比較検討しにくく、常に持ち歩いているデバイスですから、PCより反応率が高く、私が楽天に在籍した時代では、5万円の広告で300万くらい売れることも珍しいことではありませんでした。

 

そして、多くのネットショップがこぞって毎日数回もメルマガが何万件、何十万件も送られるようになり、モールは、プロバイダのようなメール配信事業者に受信ブロック(配信制限)されない交渉も必要になった時代でもあります。

 

そして、2011年の震災から大きな変化が起きました。いわゆるメルマガ配信規制です。被災者への配慮を優先して、楽天ショップが毎日配信できていたメルマガが無料で1週間に1回のみ、それも保有する全てのリストには配信できない、毎日配信したい場合は、月額10万円と1通0.3円の配信料が必要となったのです。

 

消費者としては、毎日何十件も届くメールが減ったので、良かったとは思いますが、ショップにとって、この変化は、大きなストレスを与えました。

 

そして、同時にモールに特化したSEO業者というのも登場してきた時代でもあります。楽天の場合は、商品レビューも検索順位に影響するわけですので、昨今話題になった不正レビュー投稿会社が登場したのもこの時期くらいになると思います。

 

その頃から、そのような環境に疑問を持ち始めた私は、ECマスターズという会員制サービスを立ち上げ、モールの集客対策や最新のノウハウをショップ自ら学べて実行できる環境を構築し、インハウスSEOのようなサービスを提供してきました。

 

スマートフォンが普及することで、お客様がメルマガのような受動型から検索という能動型の情報収集を行うようになり、口コミで噂が広がり、広告での費用対効果があわなくなったショップからの相談が急激に増えてきました。

 

しかし、今現在は、どうかと申し上げると、楽天市場のような日本最大級のモールは、ショップ数が4万件から伸び悩み、逆にインターネットネイテイブや英語に抵抗がない若者が世界中の情報を簡単にアクセスし、個人で海外から商品を仕入れて、AmazonやBUYMAなど固定費がほとんどかからなく集客力もあるマーケットで物販をはじめる人が続々と増えてきているのです。

 

今現在、ECマスターズは、楽天の実績あるショップのサポートだけではなく、はじめたばかりで集客に広告費をかけられないショップに対して、たった低価格の会費で、楽天市場だけでなく、Amazon.co.jp、Yahoo!ショッピング、ポンパレモール、Qoo10など国内モールだけでなく、私自身がもともと得意であったパソコンやExcelなどソフトの活用方法まであらゆる質問に24時間以内に回答するというサービスを提供しています。

 

最近、気づいたのですが、これは1997年から2001年まで私自身が、プロバイダで次々と発売されるパソコンとモデム、メールソフトなどあらゆるものに24時間以内に回答していたことと、全く同じことをECで実現しており、これが私自身の天職であるのかなと。

 

そして、今現在、ECマスターズの数百ショップの1000件を超える質問をみると、ネットショップの悩みは、「売れない」なのですが、本当の悩みは「集客できない」更に深い悩みは、「パソコンが不得意で商品が登録できない」「モールの仕組みがわからない」であったりします。

 

ネットショップを取り巻く環境は、運営する側の人から買う側の人の間には、両端にインターネットに接続するためのパソコンやスマートフォンなどのデバイスが存在し、そのデバイスを上手く活用できないと集客し続けるのが難しい時代だと感じます。

 

お客様(人)―デバイス―ネット―モール(ショップ)―ネット―デバイス―ショップ(人)

 

ですので、ネット運営者自らがインターネットを理解すること、そしてそれに接続されるデバイスを自ら利用、活用してみることが、ネットでビジネスを成功しつづけるには、重要であり、モールなどプラットフォーム提供者は、Amazonのようなグローバルで共通でシンプルな仕組みのように、簡単に利用できる環境を提供することが非常に大事になってくるかと思います。

 

追伸

 

某ハンバーガーチェーンが効率化を優先して、メニューを設置しないなど、顧客離れをお越し、某有名居酒屋チェーン店がブラック企業と評価され、客足が遠退き、某スマホゲーム企業やソーシャルネットワーク企業がガラケーからスマホへの移行を先読みできず、苦戦するなか、スマホファーストな考え方で、急激に成長したメッセージング、ニュース、ゲーム、フリマアプリのサービスも増えてきました。

 

スマホ時代は、検索で飲食店でも商品でも簡単に調べられる時代。同じサービスを繰り返し利用するより、検索やソーシャルネットワークと通して、新しいサービスや商品と簡単に出会い、楽しむことができるわけですから、サービス提供者自らがお客様の立場になり、スマートフォンで実際に調べて比較し、注文してみること、お客様を飽きさせない努力が大事になってくるかと思います。

 

JECCICA特別講師 清水 将平

shimizu

 

EC得意分野/楽天などモール出店ショップ支援 日本ECサービス株式会社 代表取締役社長 ECマーケター。 元楽天ECコンサルタントとして数千店舗を担当。 独立後、月商数千万円規模のショップをメインに会員制サービス「ECマスターズ」を運営。

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