昔の方が良かった•••?
昔のことをあれこれ書くのはなんだか年寄りじみていて、自分の美意識に反するのだけど。しかしながら、私はJECCICAでも年寄りにカテゴライズされているのが現実で、最新のWebやEC事情は若い方にお任せするとして、年寄りには年寄りの役割があるのかと自分を納得させています。
みなさんが初めて自分の携帯電話を持ったのはいつでしょうか?もしかして最初からスマホだった??
一般人が携帯電話を持てるようになったのは販売形式が変わり価格的にグッと持ちやすくなった1995年。そこから本格的な普及が始まったと言われてます。
しかしまだ電話とポケベル的な機能しか有しておらず1999年のiモード、2001年に3G高速データサービスが始まって、多くのデータのやり取りが可能になり、写真や動画を送ったりと、やっと今のケータイやスマホの機能に近づいたようです。(だんだん思い出してきた人もいらっしゃるかな)
スマホがこの世に登場したのは2007年。アメリカでAppleのiPhoneが発売されました。そして翌年2008年日本でもiPhone3Gが発売されました。スマホがこの世に出てからわずか16年しか経ってないのです。そういやiPhone最新版はiPhone16ですね。(16年も前のことをつい最近のことのように言うのは既に年寄りの証拠)
スマホ登場前の2008年以前、どんな生活をしていたのか思い出すことも難しくなってきました。例えば八王子駅12時待ち合わせって何時に家出れば良いのでしょう?ケータイ以前は当てずっぽうで行っていた?時刻表めくって見てた??まったく思い出せません。
旅するにも飛行機もホテルもスマホからできるし、ホテルの様子もレビューも見られます。現地に着いてUber呼べばムダに運転手と喧嘩すること無く目的地に着きますね。
今年の4月にベトナムを旅したとき、ハノイの飯屋で一緒になった30歳のバックパッカーと話をしていて私たち夫婦が1994年に世界一周をしたことを話すと「スマホもケータイも無い時代に旅をした人は無条件に尊敬します」と言ってくれたのを思い出します。
みなさんはスマホもケータイも無く、ガイドブック「地球の歩き方」だけを頼りにアフリカを旅行するのって想像できますか?「地球の歩き方」でもケニア以外の情報は少なくて、タンザニアなんて10ページくらいのペラペラだし、タンザニアの首都ダルエスサラームの地図は子供のお絵かきみたいな手書き地図だし。その頼りない地図を見ながらホテルを探してダルエスサラームを歩く不安。
しかし想像力や勘でカバーしたり、地元の人に身振り手振りでコミュニケーションしたり、そのおかげで偶然すばらしいレストランや宿に出会ったり(これは逆のハズレことの方も多いけれど)。生の体験ができるという点では「昔の方が良かった・・」。
「昔の方が良かった」、もうこれを言うと年寄りだなぁ。
「昔の方が良かった・・」のであれば、iPhoneを捨てて旅に出る勇気はあるかと言われれば、ありません・・涙。
※写真は2007年7月、サンフランシスコのアップルストアで日本未発売のiPhoneを買ってご満悦な私。翌年日本で発売されるまで自慢しまくりましたよ。

JECCICA客員講師 斎藤 賢治
(株)クオカプランニング取締役会長
2001年お菓子パンの材料道具販売「cuoca」を立ち上げ、EC・リアル店舗・卸販売・レッスンスタジオとオムニチャネルを実践し最大32億円まで成長させる。食品の商品開発からプロモーションなどを得意とする。