JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

最新セミナー・イベント情報
お申込みはこちら

2025年 年頭所感 石郷学

新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。

経験が物を言う。ともすれば、従来の尺度で物事を考えがちですが、その枠組みで物事を考えることから遠ざかった方がいいでしょう。

例えば、小売業といえば、商品を製造し、時に問屋に卸して、小売店(EC)が販売する。これが過去におけるスタンダードでした。けれど、最近では買取が行われ、リユースが新品と同じ立場で、販売されているのが常識になりつつあります。

「最近は、画一的なデザインを着こなすことが常識になっている。でも、私はエッジが効いた服が好きだから、それはリユースで買います」。

とあるアパレル店員は、自身のファッションについて、そう語っていました。今と過去の服を掛け合わせて、自分のカラーがあるのだというのです。つまり、ファッションの中で、リユースが新品の服のアクセント(逆も然り)になっています。並列なんです。

これはデジタルが浸透して、一般消費者と企業とがダイレクトに繋がれるからこそ。そこで直接的に、リユースをやり取りしやすい環境が生まれたことによる現象です。

また、俯瞰して考えれば、それが無駄に製造をすることなく健全な社会になります。結果、企業の業績にも直結するから、限りなく標準となるでしょう。ただ、逆に、従来の小売業にしがみつくほど、商売のチャンスを失うことになります。

また、2024年、僕は渋谷近郊の新しい商業施設にも取材で数多く行きましたが、衝撃的だったのがスペースの使い方です。例えば、SHIBUYA TSUTAYA。スクランブル交差点の真ん前の一等地にして、ほぼそこには何も置かれていない。

坪効率なんて概念を完全に無視して、そのロケーションをどう活かすかという視点にシフトしています。そこで何をするかというと、例えば、ハローキティを素材にして、イマーシブな非現実的な空間を作り出して、期間限定でイベントを行っていたりします。

immersiveとは「没入感」を意味していますが、それが意味を持つのは滞在時間が長くなるからです。一般的にその滞在時間が長くなるほど、そのコンテンツへの愛着が増すとされており、空間を使って、よりファンの密着度を高めていく方向にあります。

場所という従来の常識を打ち破っていて、この場所の予約はずっと埋まっている。最近、AKIRAのイベントに改めて行った際、スタッフが教えてくれました。

だから、従来の枠組みを取り去った時に、何が必要とされるのか。それを考えておく必要があります。その答えは、人を軸に、場所と時間をクリエイトしていくことかな?

もう企業はダイレクトにお客様と繋がれる時代なんです。その時にそのお客様を知り、自分たちのお客様を、時にリアルで、時にECで、時に仮想空間でアクセスした時に、ちゃんと同じ顔つきで、向き合えるようにしていくことなんです。

そして、ECならば、ただ商品を送りつけるのではなく、お送りして届くまでの間をどうやってワクワクしてもらえるか、そんな工夫をすると、もはやECでのショッピングはリアルに匹敵する体験価値を持って、そのブランドへの愛着を増すことになります。

共通しているのは、お客様をどうやって、自分たちらしく、感動へと導けるか、その設計図を作っていくこと。

だから、極論、人を軸に、場所と時間をクリエイトしていく。それを考えるためのお客様との接点であれば、企業はその仮説と検証を繰り返す中で、時代の変化に左右されることなく、自らの存在感を発揮し続けられるのではないかと思います。

今日はこの辺で。皆さんにとって、素敵で“豊かな”一年になりますように。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 石郷 学

(株)team145 代表取締役


 - お知らせ, その他, コラム, ニュース, 年頭所感

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

Copyright© JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会 , 2025 All Rights Reserved.s