2023年 年頭所感 小林厚士
新年明けましておめでとうございます。
皆様におかれましてはお健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
旧年中は、一般社団法人ジャパンイーコマースコンサルタント協会(JECCICA)への格別のお引き立てを賜わり誠に有難うございました。皆様のご支援のもと、無事に新春を迎えることができ心から感謝申しあげます。
現在、2022年12月の初旬。1年は本当に早いもので、気がついたら年頭所感を書く時期となっておりました。
この1年を振り返ってみると、やはりコロナウイルスの影響により、生活スタイルはじめ、企業経営、運営スタイルの具体的な変化が見受けられる年となりました。 今まで当たり前であったことが当たり前ではなくなり、新たなスタイルが定着しつつある年でもありました。
生活スタイルにおいては現時点で外出制限はなくなったものの、旅行支援を活用する外出はお得感はありますが、
普段の生活の中でいざ外出するとなると、周りは値上がりラッシュであり、今までの感覚で行動するとなるとコストは確実に割高になりました。
まだ、ビジネス面においてはリモートワークやオンライン会議や面談などが定着し、今までかけていた時間やコストが大幅に削減されたという反面、淡々と事が進んではいくが、リアルコミュニケーション特有の熱度が薄れ、
リアルからのインプットや体験が激減することにより、人によっては良いアイデアや気付きが今まで以上に出なくなったり、業務の速度や精度などに影響を及ぼしてしまっている場面も多く見受けます。
そのような状況や環境の変化の中で、逆に自身がこの先どうしていくのか、そしてどうありたいのかと、真剣に自身と向き合えるという機会があるもの事実です。
このコロナ渦の数年で、業態変更や戦略変更、事業の棚卸しや業務コストの大幅な見直しなどとおこなう事業者と、コロナや景気のせいにして、自身の変化を嫌う事業者との「差」が確実に出て来ていると実感します。
このような状況だからこそ、実は自身や事業の変革のきっかけであり、行動タイミングであると言えます。
この状況下において変革をすすめた事業者は、すでにその成果も生み出しつつあります。
経営面でいうと、固定費、変動費の見直し、そして人件費として雇用条件の見直しであったり、事業面でいうと最も得意であったり、強みがある主軸業務そのものをステージアップさせたりと、情勢や環境の変化において敏感に順応していくことができる術をノウハウとして身に着けていく様子も多く見受けることができます。
このような状況下の中で、常に進化を続けているEC業界にフォーカスしてみますと、大きな変革が見受けられます。 コロナ渦によるEC利用の頻度が高まっていることもあり、売り手よりも買い手の「お買い物スキル」の向上が格段に向上しているように思います。
スマートフォンを使う時間も長くなっていることもあり、検索上手、比較上手なユーザーが拡大。
今まではシステムやテクノロジー、そして広告費等でCVRを上げていた売り手も、そのやり方だけでは
潜在ユーザーに対してイニシアチブは取りにくい時代となってきています。
したがって、EC市場規模の大半を担う関東圏や地方都市のEC利用ユーザーは、日々「新たな刺激」を求め、検索はもとより、オムニチャネルやOMO経由での新たな発見を日々の行動の中において日常化しつつあります。
ECショップは日々増加しているなか、今まで埋もれていて目に触れることがなかった地方の逸品や、ニッチすぎる商品などの出会い頻度も加速しているように思います。
そうなると、売り場がシンプルなプラットフォームがインスタントECであっても、実店舗以上に売りあげる事業者も増えており、EC専業の事業者とはまた違う経営スタイルが生まれ、時間とともに確立されていく事が伺えます。
この先、そのような状況が拡大していく中で、忘れてはならないのが物流です。
現在の日本のECの市場規模は、複数ある物流業者による企業努力の賜物であると考えます。
Amazonは今年全国27箇所に物流拠点を拡大。
今後は更にドミナント化されていき、既存の物流業者や宅配業者とともに、サービスの質はますます向上していくでしょう。
そして、DtoCやBtoC,BtoBはもとより、CtoCの市場規模はますます右肩上がりになり、物量は確実に拡大して行くことが想定されます。
時代はついにここまで来ています。
ちなみに我が家を例にしますと、10歳になる末っ子が家の不用品をEC-CtoCで売る係です。
若干親のサポートはありますが、ほぼ一人でスマホで撮影〜出品、梱包してコンビニで出荷までを一人でこなし、お小遣い稼ぎをしています。
買う方はもとより、売る方においても既にECは生活の一部であり、日常化しつつありますね。
当会は本年も引き続き、このような現況の中でも常に最新の業界動向や様々な視点から市場の動きを睨みつつ、より優秀なECコンサルタントや企業内のEC事業部リーダーを多く輩出できる様、邁進していく所存でございます。
本年も皆様方の益々のご隆盛とご健勝を心からお祈り申し上げます。
理事【小林厚士のプロフィール】
地方型Eコマース経営・運営総合的アドバイザー
主な経歴
1996年:建設業にてCADとの出会いによりPCへの可能性に目覚め転職を決意
1997〜99年11月:自作PC制作、販売、環境構築、法人向けトレーナー
サービスを展開
1999〜05年3月:ネット販売会社設立 2箇所の海外支店をハブに、最大7店舗のネットショップ運営展開を行う
2005年4月〜:アイズモーションウェブコンサルティング設立
2007年6月:株式会社アイズモーション設立
2013年:WEB・EC及び経営コンサルティング支援を行い現在に至る
・99年より楽天市場出店を期に、最大7チャネルのECサイトを運営
楽天店舗では02年楽天ショップオブザイヤースーパーオークション賞受賞
・長野県・新潟県・富山県・山梨県登録専門家(IT部門)
長野商工会議所経営革新支援アドバイザーセンター 登録専門家
経済産業省中小企業支援ネットワーク強化事業 認定専門家
物販で培ったマーケティングノウハウを活かし、経営視点かつ現場最優先の実践的なコンサルティングを得意とする。