2023年 年頭所感 川連一豊

新年を迎え、謹んでご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご厚情に預かり、心より御礼申し上げます。

新型感染症の影響が大きい2022年は、悲しいことも有りましたが、うれしいことや感動することも多い1年となりました。コロナ禍でも正常化に向けて動いているのは間違いありません。気づけばいろんな面でコロナ前からはガラリと変わってしまいました。
2023年のECはテクノロジー、お客様の動向、法律や規制の３つがキーワードです。

1つ目はECを取り巻くテクノロジーです。
ここのキーワードはAI人工知能です。以前は赤ちゃんのようなAIしかなく、一つ一つ丁寧に教えないとわがままな答えしか出してくれない性格がバラバラなAIという感じでしたが、機械学習アルゴリズムとディープラーニングの進化が凄まじく、私達の生活に本当に普通にAIが忍び込んできました。以前のAIの性格はイケイケドンドンのAIやら、とにかくコンサバなAIもあり、どれが本当の答えなのか？と思っていたのですが、最近はかなり正確な答えを出してくれるようになってきています。中には大人顔負けのAIもあります。
とにかくAIはECにとっては無くてはならないテクノロジーになっていると言えます。Google広告もECサイト内の広告表示、LPのバナー表示、ページの自動生成、検索もAIが活躍しています。
一方、EC業界で働く人材不足も顕著です。コロナ前から人材不足は顕著でしたが、コロナバブルで一気にECが更に広がり、売上が伸びている企業も多くなっています。もちろんリアル回帰で売上が厳しい、円安で仕入れも上がって厳しい店舗さんもあります。私が計測しているEC全体の売上は全体的には上がっています。となると、人材を確保してもっと売上を上げたい、さらにサポートしたい企業やソリューションを開発したい企業が出てくるのは当然で、今やECが出来る人材はかなり引き合いがあり高い金額を提示する必要が出てきます。この人材不足の影響でやはり外部の力を使うか、テクノロジーを使うかになってきますが、今の流れからするとAI人工知能を使うという手段は、かなり現実的になってくると考えられます。
将棋のAIのように、次の一手を教えてくれるとしたらどうでしょう？今まで天才的な頭脳とセンスで売上を上げてきた店長からすれば、優れたAIがあれば、カスタマーサポート、受注予測や受注作業、ページデザイン、自動ページ生成、検索対策などを自動で行ってくれれば人材がいなくてもある程度はカバーできるようになると考えられます。部下はすべてAIというのは可能かもしれません。

2つ目はお客様の動向です。
今回のコロナ禍で大きく変わったなと感じるのは、安心安全な商品、原材料を気にするユーザーは増えたところです。この先の未知なウイルス発生なども考えるとこの安心安全というキーワードは必須だと考えられます。SDGｓ関連のキーワードも重要になっています。2019年2月から4月に掛けてECではマスクや消毒液関連が非常に売れたのですが、フードロスも大きなキーワードになりました。最近の異常気象もかなり気になります。異常高温・大雨・日照不足・冷夏などがこれだけ続くと地球に影響が無いように行動をおこなすのは当然の成り行きかなと思います。私自身、今年2022年9月の台風でクルマが水没してしまいました。50年に1度の大雨対策として考えていたのですが、それを上回る災害の場合には為す術もないですし、今後の対策に非常に悩みます。

3つ目は法律や規制についてです。
これは個人情報保護の影響が大です。サードパーティクッキー関連はもちろん、法律もどんどん変わりECが盛んになればなるほど規制もガイドラインも厳しくなります。今後の法改正で特に労働環境や運送業界への規制、インボイス制度はECに取ってかなりの影響があるでしょう。

ECを取り巻く環境はまだまだ伸び盛りです。負けない日本経済を作っていくことは我々JECCICAの理念でもありますので、2023年もうれしい1年になるよう邁進して参ります。
引き続き、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
最後に本年が皆様にとって素晴らしい一年となりますことを祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。

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