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2021年 年頭所感 河野貴伸

みなさま、昨年は大変お世話になりました。
本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

さて、みなさん感じられている通り、2020年のECは激動のでした。
コロナ禍において、ECの重要性は飛躍的に向上し、いっきに「インフラ」として浸透した年でした。
「商売」そのものも、顧客と直接繋がるスタイルへの強制的な移行が発生。オンライン上でのコミュニケーションについても様々な模索がされた一年となりました。

一方で、大きく露呈した二つの問題があります。
一つは、オンラインは未だオフラインのすべてを受け取れるほどのキャパシティやパワー、柔軟性は持ち得ていなかったこと。
もう一つは、急速に進行したEC化により、ECのコモディティ化が一気に進んでしまったことです。
多くの顧客のリテラシーが急速にアップした結果、EC側のインフラ、スタッフの技量、物流が追いつかない状況が発生しました。
この問題の根本的な原因は、ECに関わる人材に対して、適切な教育や支援体制を十分に築いてこれなかったことにあります。
もちろん、売り上げ自体は前年比で大きく上がったところが多かったと思います。それ自体は嬉しい悲鳴でもあるのですが、一方でこの問題の早急な解決が2021年は求められていきます。
多くの顧客は「便利さ」を知り、これからも積極的にECを使っていくと思われます。そして、オフラインが復活したとしても、顧客はオンラインも積極的に活用し続けるでしょう。しかしその一方でオフラインの有機的な結合も当たり前のように求めると思われます。

その需要に応えるために、EC事業者が進めなければいけないこと。それは、全体最適な組織設計の実践だと言えます。
システムやハードウェア的な内容ではなく、ソフトウェア(考え方)的な意味での組織変革。
顧客が強制的に、オムニチャネルやOMOを超越してしまった今、私たちECに関わる人間は、早急にその先の世界を見据える必要があります。
2021年は一気に「その先の未来」まで到達できるEC担当者の採用、教育、組織作り、思考のアップデートが重要な年になるでしょう。
商品やサービスを生み出す「源泉」に自分たちのビジネスの組織的独自性、優位性を組み込む。難しいテーマですが、世界が変革した先の未来でいま最も求められるチャレンジだと感じます。

ECはついに、名実ともにインフラとなりました。
ECに関わる人間はこれまでに以上に「社会」を背負っている意識と誇り、覚悟をもって、そして自信をもって挑んでいきましょう。
みなさんにとって、2021年が飛躍の年でありますように。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 河野 貴伸

株式会社フラクタ 代表取締役
EC-CUBEエバンジェリスト
Eコマースに関わる人材育成とブランディングに重点を置き、業界の発展とEC-CUBEの普及、デジタルイノベーションの推進支援をメインに全国でセミナー及び執筆活動中。


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