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楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol.77 【創造力を拡げるブレーン・ストーミング②】

ブレーンストーミングのルール
前回に引き続き、ブレーンストーミングに関してお話しします。ブレーンストーミングのルールとして、4つのルールをお話ししました。
① 発言を批判・評価しない
② 自由に発言する
③ 質よりも量を重視する
④ 発言を結合・発展させる

ブレーンストーミングを成功させるには、この4つのルールを守りながら、進め方にも留意するポイントが幾つかあります。 ブレーンストーミングの進め方に関してお話しします。

ブレーンストーミングの進め方
① ファシリテーター(発言を促す進行役)を決める
自由に発言出来る環境を作り出すことは、ファシリテーターの求められる役割です。一方では、テーマに沿った発言を促し、横道にそれないようにコントロールすることも必要です。ファシリテーターは、話の流れを作り出し、全体を取り仕切る人ですが、私の経験で言うと、実際に企画立案に携わり、企画書を作成する人が一番重要なポイントを熟知していますので、企画書作成を行う人が良いと感じています。

② 参加メンバーを決める
メンバーに関しても、前回お話ししましたが、6名程度が最適です。これが10名だと一人あたりの発言数が減り、収拾がつかなくなりがちです。一方で5名以下だと話が盛り上がらない可能性があります。メンバー選定は、出来るだけ異なる考えや価値観を持つ人に参加してもらうため、当該プロジェクトに入っていない人を入れるのは効果的です。その場合には、プロジェクトで検討しているテーマのターゲットに近いと思われる人を入れるのが理想です。また役職が上の人が入ると、発言しにくい雰囲気になりがちです。

③ 実施時間を決める
時間を有効的に、そして集中してブレーンストーミングを行うため、必ず時間を設定します。時間に関しては60分から長くても人が集中出来る時間の上限でもある90分です。時間帯も頭が冴えている午前中が活性化します。事前のアナウンスや、実施の最初に「今から1 時間宜しくお願いします!」と参加者に伝えて、メリハリのある進行をしましょう。

④ ブレストのテーマとゴールを共有する
何についてブレーンストーミングを行うのか、テーマを決めます。例えば「今春発売する新製品のプロモーション」と題して実施する場合には、新製品の「ターゲットやコンセプト、発売日やエリア」など、基本的な情報を端的にまとめて参加者に伝えます。そしてゴールを「プロモーションのイベントアイデア」とすれば、より具体的なアイデアの発言を促すことが出来ます。漠然としたテーマだと、発言も散漫とした内容になってしまいます。

ブレーンストーミングの整理
ブレーンストーミングの後は、参加者のアイデアを整理し、ブラッシュアップする必要があります。この時に整理使えるフレームワークとして「マインドマップ」と「KJ法」があります。

●マインドマップ
マインドマップは、中心となる「キーワード」から関連する言葉やイメージをつないでいった放射状の図を言います。 頭の中で考えていることを、そのまま近い形で書き出すことで、考えや記憶、アイデアの整理がしやすくなります。マップの中心に「キーワード」を記して、発言されたアイデアを関連付けるように放射状に記していきます。こうすると、アイデアとアイデアの繋がりが明確化され、全体像が把握しやすくなります。

●KJ法
KJ法は、文化人類学者の川喜田二郎氏が考案した情報整理手法で、アイデアの言語化と可視化を通じて分析を効果的に行う手法です。 ブレーンストーミングで出たアイデアを「カード」に書き記し、それぞれグループ化して整理するフレームワークです。グループ化した上で「見出し・タイトル」を付けてまとめていきます。様々なアイデアがグループ化されることで、論理的に整理されるのと同時に、アイデアとアイデアの共通点が分かりやすくなります。

歩きながらブレーンストーミング?
今回はフォーマルなブレーンストーミングの進め方についてお話ししましたが、最後にユニークなブレーンストーミングをご紹介します。
アップルの創設者、スティーブ・ジョブス氏は「歩きながらブレーンストーミング」を実施していたと言います。スタンフォード大学の2014年の研究では、歩いているときにはクリエイティビティの出力が、平均で60%もアップすることが判明しています。

会議室ではテーブルをはさんで向かい合い、なんとなく威圧感が漂ったりすることがあります。一方で、外で季節を感じながら、皆が同じ方向を向いて歩きながら話すことは、まさにオープンマインドでアイデアを出し合う効果があるんですね。

ブレーンストーミングは「集団発想法」とも言われていますが、「型にはまらない」クリエイティビティやオープンなコミュニケーションを活性化するためにも、時にはオフィス近くの並木道や公園などを歩きながらミーティングをすることもお勧めです。

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント


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