JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

最新セミナー・イベント情報
お申込みはこちら

楽しく誰にも分かるマーケティング:Vol.69 【イメージキャラクターの活用法とは?】

イメージキャラクターとは?
テレビCMや新聞・雑誌広告、そしてインターネット広告や企業のWEBサイト、ブランドサイトでは、あらゆるタレントさんやスポーツ選手を始めとした「著名人」が起用されています。こうした人たちのことを、「イメージキャラクター」と言います。イメージキャラクターは、企業や商品を象徴するのにふさわしい人で広告にいつも登場し、企業や商品の「イメージ=印象」づくりをする人と訳せます。

イメージキャラクターは著名人だけではなく、ディズニーや著名なアニメのキャラクターなども含まれ、更にはゆるキャラブームもあってか、イラストなどで創る自社オリジナルのイメージキャラクターも該当します。ちなみに日本の広告は、著名人を起用したイメージキャラクターが登場する広告が非常に多く見受けられます。

イメージキャラクターの利点
イメージキャラクターを起用する利点は幾つかありますが、最大の利点は、認知度の向上です。「イメージキャラクター=企業や商品の『顔』」として、顧客に親しみやすいイメージを提供することで目に留めるきっかけが増え、記憶に残りやすくなるからです。

企業や商品の顔には「ネーミング=商標」もありますが、親近感のあるイメージキャラクターは即効性とインパクトをもたらします。これは、認知心理学のひとつである「単純接触効果」であり、何度も見たり聞いたりしたモノに対して好感を抱くというもので、顧客が購買を起こすきっかけになります。

また、InstagramやFacebookなどのSNSを介して、顧客から不特定多数の方へ情報発信されることで、大きなアピール効果や、「バズマーケティング=意図的にクチコミ発生させ商品やサービスの特徴や感想などを周りに広める手法」も期待できます。

一方で広告の作り手にとっての利点は、イメージキャラクターを軸としてデザインを考えることが出来るので広告表現が行いやすく、様々な販促ツールやプレミアム・ノベルティ類にも連動して活用出来るため、立体的で一貫したプロモーション戦略を行うことが可能です。

更にはイメージキャラクターの存在は、社員が持つ「会社への愛着」を促す効果や、企業を取り巻く「ステークホルダー=株主・経営者・従業員・その家族・顧客・取引先・行政・各種団体など」との関係性の醸成にも繋がります。

このような利点が目指すゴールは、企業や商品の「ブランドイメージ=顧客に価値をもたらす唯一無二の独自性ある印象」を育てることに大きく寄与します。

イメージキャラクター起用の留意点
単に企業や商品の認知度を高めるだけでなく、ブランド育成にも寄与するイメージキャラクターですから、起用する時には細心の注意を払う事が重要です。競合が起用していないか、契約時や出演時の金額は、などの基本的な抑えどころとは別に留意する最大のポイントは、「目指したい印象とイメージキャラクターの印象が同一である」ことです。イメージキャラクターは、キャラクターの持つ印象と影響力を借りて、企業や商品の名称やイメージを醸成する訳ですから、一番に留意するポイントです。

この「印象の同一」が無いと、タレントさんなどのイメージキャラクターだけが記憶に残ってしまい、購買に繋がりません。「CMは良く見るけれど、何の商品のCMか分からない・・」という結果をもたらすのは、イメージキャラクター起用の大失敗例です。

最近、イメージキャラクターとなるタレントさんの「サブスクサービス」が登場し、中小零細の企業でも費用面でタレントさんを起用し易くなっています。利用する企業側にとってはたいへん有難いサービスと言えますが、複数のタレントさんが入れ替わりで起用されたのでは、統一した印象を創りだすことは出来ません。

イメージキャラクターの今後
海外のラグジュアリーブランドは、「アンバサダー=広報大使」として商品を利用し、PRに寄与する著名人はいますが、イメージキャラクターとして広告に出る例は殆どありません。こうした一流ブランドは、既に確固たる「ブランドイメージ」が存在するため、そのブランドの商標やロゴマーク、モノやサービス、ブランドのもたらす世界観が、多くのファンを魅了するからです。
昨今では、先のSNS効果もあって、価値あるモノやサービス、それを造っている企業は、広告をしなくても、顧客がインフルエンサーやアンバサダーとなって推奨してくれます。

一方で、どれだけイメージキャラクターと広告にお金をかけても、企業や商品に「独自性ある顧客価値」がなければ支持されません。こうした観点から単に「目立つから、即効性があるから」イメージキャラクターを起用することは、減ってくると個人的には思います。

そして最後に一言お伝えしたいのは、イメージキャラクターという言葉は「業界用語」であり、広告に表記して顧客に伝える言葉ではありません。良く中小零細の企業の広告に「当社イメージキャラクター」と記されている広告やWEBサイトを見かけることがありますが、何だか自社や自社商品に自身がないから、タレントの力を借りている印象をすごく感じます。実際に大手企業の広告には一切「当社イメージキャラクター」とは入っていません。くれぐれもご注意下さい。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 鈴木 準

株式会社ジェイ・ビーム マーケティングコンサルタント


 - JECCICA記事, お知らせ, その他, コラム, ニュース

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

Copyright© JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会 , 2024 All Rights Reserved.s