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ファッション・メタバース「ZEPETO」のはじめかた

メタバースはどの程度、普及しているのか?
話題になっているけれど、ECレベルで普及するかしないかは、まだまだ不透明な「メタバース」。最近では年末行事の「バーチャルマーケット」に、NetflixやBEAMSなどが出店して話題になりました。

図のように、利用されたのは、オーキュラスリフトなどのVRヘッドセットで参加できる「VRchat」というプラットフォームです。実際には仮想空間の自分自身の分身である「アバター」が着る「服」を購入することができました。仮想会場では、リアル店舗のショップスタッフを中心に44名がBEAMSのバーチャル店舗に登場。その後、バーチャル店舗の来店客がのちにリアル店舗に会いに来るといった仮想店舗とリアル店舗の「オムニチャネル効果」が生まれたそうです。参考までにSimilarwebによる期間中のセッション数は日本国内で約20万ほどとということで、Facebookの普及前夜といえる2009年9月時点のFacebookの日本ユーザが100万人程度でしたので、それと比較するとまだまだ普及している、という人数には至っていないように思われます。

どのようなVR空間が使われているのか?
ちなみに、VR空間を体験するには「VRヘッドセット」が必要ですが、HTC、SONY、Oculus などがシェアを争っていましたが、2020年の9月以降はfacebook社(META社)のOculusが一強状態となっています。

https://www.counterpointresearch.com/xr-headset-shipments-almost-triple-yoy-q1-2021/

さらに、どのようなVRプラットフォームが使われているかというと、先ほどのバーチャルマーケットに使われている「VRchat」は国内では月間50万セッションほどの規模を保有しており、こちらもVRchat一強と言えそうです。

ちなみに、ゲームに特化したメタバース空間では「Sandbox」がVRchatの約倍ほどのセッション数を獲得し急成長中です。その他、バーチャル渋谷で有名なCluster、古参のセカンドライフと続きます。

VR空間を作成するために必須の「Unity」
VRchat などのバーチャル空間に出店者として参加するには、Unityという3Dコンテンツを作成するツールの他、MAYA・3DS MAX・FUSION360といった3Dモデリングツール(CADソフト)、Photoshopといったアプリケーションの知識が必要となります。

簡単にメタバースに参加できるCluster
一方で、こうしたツールを一切使わずにバーチャル店舗を設営し、メタバースに参加できるプラットフォームも登場しています。たとえば、KDDIが出資している「Cluster」や、ソフトバンクが出資している「ZEPETO」は、VRヘッドセットなしでスマホでもユーザが楽しめる、という点もあり、メタバースECの普及を後押ししてくれるのではないかと、感じています。

「リアル世界でも使って見たい!」をブランディング
では、これらがどのようにECと今後関与してゆくかというと、こちらが、筆者がZEPETOで購入したラルフローレンのコーディネイトです。

なんと総額たったの480円。実際に購入すれば10数万円するコーディネイトです。これを自分のアバターに着用させて、仮想空間でお出かけしていると「リアル世界でも使って見たい!」と、ぐっとブランドとの距離感が縮まるのを体験できます。
つまり、VRchatやCuluster、ZEPETOに住むユーザ達は、常に自分の「アバター」の着衣のコーディネートを楽しんだり、新しい空間(ワールド)で「出会い」や「交流」を楽しんでいます。その空間に、こうして企業が作成した自社のバーチャルアイテムとワールドを提供することで、実際には購入を躊躇するような高額なアイテムでも安価に試着することができ、またワールドでその世界観を楽しむことができる、ということです。さらにスタッフがこのワールドにいれば、会話をし接客することも可能です。まさに冒頭でご紹介した、BEAMSさんの取組のように、リアルスタッフが仮想空間で接客したら、リアル店舗へやってきた、という構造が現時点で期待できる「ブランディング」という成果が期待できます。
とはいえ、まだまだユーザ数も少ないですし、自社のCADデータや3Dソフト、Unityを使いこなすスキルや外注に出した場合はコストもかかります。しかし、手軽に自社製品のバーチャル版を仮想空間で展開できるため、実験的段階とはいえ、あらたなカスタマーとの接触ポイントとなり得る技術であることは間違いありません。
特にこの2022年春にはVRゴーグル一強のMETA社(facebook)のOculus上のメタバース空間「ホライズンワールド」がリリースされ、ユーザ数の増加も期待されるところです。さらに各プラットフォームでも今後、機能が拡張されれば直接ECに直結することも想定されます。
まずは、アパレルだけでなく業種を問わずに、ZEPETOから、来るべきメタバースECを体験されてみてはいかがでしょうか。簡単に始め方動画もYoutubeにアップしておきましたので、ご興味のある方はご覧頂ければと思います。

http://issun.cc/zepeto

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 宮松 利博

得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。


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