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ゼロから学ばない!カンタン「GA4」乗り換えガイド(2)

忙しくてゼロから学ぶ時間が無い!
すでにGA4の導入は完了したけど、いざ使うとなると「GA4の機能をゼロから学ぶ時間が無い」というウェブの現場のお声から生まれた本シリーズ。前号はGA4のeコマース機能の導入課題や、GA4で無くなった「参照元/メディア」を見る方法などをご紹介しました。今月も、見慣れた旧アナリティクスのあの機能はGA4のどこを見れば良いのか等を中心に、各カートASPの最新状況のアップデート、追加されたGA4新機能、をご紹介していきます。

同指標で昨対を見たいなら、今月が最終タイミング。
Google公式マニュアルによると、現在のGoogleアナリティクスは、2023年7月からデータ取得が停止し、2024年1月には閲覧ができなくなるとのこと(2022/05/20時点)。つまり、ウェブ戦略に欠かせない「昨年対比データ」を同指標で確保したい場合は、遅くとも今月、2022年の6月末にはGA4への設定移管を完了しておく必要があります。ただネット上ではこの告知に釈然とせず、旧GAの延命を希望する声も大きくなってきているため、Google社の今後の方針変更も期待したいところです。引き続き定点観測して変更があれば報告していきたいと思います。

参考:ユニバーサル アナリティクスのサポートは終了します
https://support.google.com/analytics/answer/11583528?hl=ja

今月の各カートASPのGA4対応状況

各社Googleタグマネージャが実装できるASPの場合、タグのカスタマイズで実装が可能、という状態です。ただし各社カスタマイズで実装可能な場合でも、前号でお伝えしたとおり利用環境によってはうまく稼働しないケースもありますので導入後も検証が必要です。また、タグマネージャを使わずに標準機能で実装可能を公表されているのは、futureshopさんとショップサーブさんのみとなっています。STORESさんが管理画面上でのみGA4対応を告知されていましたが詳細の記載はなく確認中です。

futureshop、広告を使っている場合は要注意
最も早くGA4への対応を公表されたfutureshopさんは、現状でも管理画面から「設定>プロモーション管理>計測タグ一覧→GA4用のタグ設置」でGA4設定が完了する簡単さです。ただし一点、Google広告を利用している場合は注意が必要です。具体的には、Googleアナリティクスの拡張eコマース機能を使用している際に「Google動的リマーケティング広告」で使用するIDの不一致エラーが出てしまい「CPAが悪化する」などのケースを確認しています。futureshopさん側でもこの不具合は認識されており現在対応中途のことです。このような理由から、Google動的リマーケティング広告を使用されていて、futureshopでGA4設置する場合は、「拡張eコマース機能」のオン・オフは慎重に吟味されることをお薦めします。また、もしオフにすることを選択された場合は、futureshopさんが2022年10月に標準対応される際に「不一致問題」が改善している可能性もあるので「拡張eコマース機能」のオンへの切り替えを再検討することもスケジュールすることもお忘れなく。
参考:https://www.future-shop.jp/manual/operate/etc/ga4.html
「直帰率が無くなった!」なぜ?どうする?
前号では、GA4で消えた「参照元/メディア」をGA4で閲覧する手順をお伝えしました。今回は「直帰率」です。GA4になり、直帰率という文言が消えました。代わりは「エンゲージメント率」です。ザックリいうと直帰率の逆で、直帰率が「すぐにサイトから去った割合」とすれば、エンゲージメント率は「ずっとサイトにいてくれた割合」です。

上図のとおり、GA4上で、ライフサイクル>集客>トラフィック獲得で、7つめの%で表示されている指標が「エンゲージメント率」です。実際の画面上でも日本語が見切れるバグで確認しづらいですが、マウスを重ねると「エンゲージのあったセッションの割合(エンゲージのあったセッション数をセッション数で割った値)です。」と表示されます。今まで直帰率をレポートや会議の指標としていた場合は、代わりにエンゲージメント率を使うことになると思います。もし、どうして直帰率が無くなったのか!と説明を求められた場合は「GA4が、サイトだけでなくアプリ解析も兼用するツールのためです。アプリでは直帰という考え方は適切ではないためです。」

ただし、エンゲージメント率は厳密には直帰率の逆とは細部で意味合いが異なりますので、以下の用語でシッカリ違いを抑えてから会議に臨まれることをお薦めします。

・直帰率:ページで何も行われなかった 1 ページのみのセッションのパーセント数。直帰の場合、セッション継続時間は 0 秒です。
・エンゲージメント率:エンゲージのあったセッションの割合(エンゲージのあったセッション数をセッション数で割った値)です。
・エンゲージ:10秒を超えて継続したセッション、コンバージョンイベントが発生したセッション、または 2回以上のスクリーンビューもしくはページビューが発生したセッションの数。(Googleアナリティクス上の用語説明より)

新機能:「目標」のインポート・エラーが無くなった
旧アナリティクスで「目標」を活用されていた方は多いと思います。従来はタグマネージャを駆使して一つ一つ設定する必要があり専門知識と相当の時間数が必要でしたが、画期的な機能がリリースが実用化されそうです。

管理>設定アシスタント>コンバージョン>使ってみる (下図参照)でインポートすることができるようになりました。今までもボタンはあったのですが、エラーが頻発して使い物にならなかったところ、今月に入って突然エラーが無くなり取り込めるようになっていました。が、相変わらず「目標の値」はタグマネージャで設定する必要がありそうなので、現時点では完成度「60%」といったところでしょうか。とはいえ、たくさんの目標を設定されていた場合などは、かなりの工数が削減できるで大変ありがたい機能なので今後の改善に期待しております、Google様。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 宮松 利博

得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。


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