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時代の変化にEC事業者はどう順応していく必要があるか

コロナ渦が収束の方向である現在、EC業界そのものと業界を取り巻く環境においてとにかく感じることは、「今までにないスピードの変化」です。圧倒的なスピードで業界そのものが大きく変化している状況であると考えます。

チャレンジ時代から攻略する時代へ
時代をリードするぞ!と意気込む熱血EC店長さんが非常に多かった時代から、仕組みで売る時代へ大きく変化。「とにかく実践して失敗から学び、自身のスタイルを確立していく」という形から、「EC運営を攻略する戦略構築」という書き方がふさわしい時代となりました。

多様化するプラットフォームと支援事業者
事業はヒト・モノ・カネですから、販売におけるプラットフォーム選びは慎重に行わなければなりません。 現在は本当に多くのECプラットフォームが存在しています。これから先のあるべき姿にむけて、改革を行う事業者は少なくありません。某モールで10年出店してきたがモールは退店し自社ECサイトに注力する、多店舗戦略をやめて最新のプラットフォーム導入で一点集中型にする、専門店として特化していく等々、様々な考え方がある中、これは時代の変化に順応していくための一つの方法でもあると考えます。

現在は、それに加えて様々な有料ツールの導入や、各セクションにおけるプロのベンダーとあらかじめアライアンスを組んでからのスタートなど、初期コストや運営コストも増加しています。ほぼ全ジャンルにおいての仕入れ価格の値上がり、インボイス制度といった新たな条件が加味される中で、KPIの設定には慎重かつ精度の高いものが求められます。販売商品の属性においては深堀をして見極める必要があります。ニッチな市場で趣向性、コレクション性がある、競合が少ない、独自性がある、潜在的なファンが多い、1年を通じて販売できる等々、自社の強みとなる要素は必ず必要であると言えます。

例えば、GA4対応のショッピングカートASPは増えてきていますが、GA4やサーチコンソール、Googleタグマネージャーの設定代行や、レポート作成等をサービスとするベンダーも非常に多く増えてきています。

GA4の「探索」の設定等が自身で行える方は問題ないですが、これがかなり高いハードルであるという方は少なくありません。

売り上げや購入率はもとより、EC運営の大きな特徴となる購入までのプロセス、離脱までのプロセスなどが測定できるツールですので、導入可能なプラットフォームでの活用は必須となるでしょう。そう言った面では、GA4導入、設定代行、月次レポート作成等を親切丁寧に支援するベンダーの存在は非常にありがたいものと感じるはずです。

利益と継続について
私自身もかれこれ12年ほど経つ自社ECサイトの運営を行っていますので、時代の変化は常に感じています。平成31年(2019年)10月1日から、消費税の税率が8%から10%へ引き上げられ、販売側も購入側も少なからず影響を受けることとなりました。

そして令和5年(2023年)10月1日からインボイス制度開始により世の中の仕組みが大きく変わる時代となりました。利益確保のために、競合他社との差別化、独自化を図るために導入する様々な支援ツールのコストの増加も避けられない状況です。

様々な支援ツール導入においては、競合も差別化レベルではなく、もはや標準化という認識を持つ時代となっているように思います。そして運営側のコストとしては、運営スタッフの雇用継続、確保として賃金の増加にも影響を及ぼしていきます。

考え方を変えねば粗利は低くなっていく一方
小売業の粗利平均は30%と言われています。自社商品の導入や企業努力により仕入れ価格を抑える努力は必要です。例えば今まで粗利30%でEC月商1,000万円前後の売り上げを維持していた事業者が、粗利が減ることにより現在は月商1,500万円の売り上げを作らねば、利益の維持はできないといったイメージになります。では、同ジャンルの動向を見ながら徐々に値上げに踏み切るぞという考え方もありますが、そもそもユーザーに支持されなければ購入数も増えません。

結果として、販売個数や客単価を増加させる方法になっていきます。ECの市場規模は年々緩やかに右肩上がりになってきているのは多くの方が認識していると思います。各店が大幅値上げをして市場規模を上げているのであればまだ良いのですが、市場規模増加の要因としてはECプレーヤーが年々増加している中での数値であると考えます。今後のEC事業者の動きとしては、EC運営を支援する各セクションのベンダーとがっちりタッグを組んでいく傾向が多く見受けられていくのかなと考えます。

最後に
EC運営におけるスタイルの変化においては、特にコロナ渦の経験により新たなスタイルが確立したと考えます。

これからますますAIを現場第一線で活用する時代、AIを活用して支援を行う時代となっていくと思われますが、運営に携わる人の熱いパッションや高いモチベーションの維持、士気の高いチーム力の構築こそ、事業の核であり常に研ぎ澄ませていかねばならない項目であり続けると考えます。

小林厚士プロフィール写真

理事【小林厚士のプロフィール】

地方型Eコマース経営・運営総合的アドバイザー
主な経歴
1996年:建設業にてCADとの出会いによりPCへの可能性に目覚め転職を決意
1997〜99年11月:自作PC制作、販売、環境構築、法人向けトレーナー
サービスを展開
1999〜05年3月:ネット販売会社設立 2箇所の海外支店をハブに、最大7店舗のネットショップ運営展開を行う
2005年4月〜:アイズモーションウェブコンサルティング設立
2007年6月:株式会社アイズモーション設立
2013年:WEB・EC及び経営コンサルティング支援を行い現在に至る

・99年より楽天市場出店を期に、最大7チャネルのECサイトを運営
楽天店舗では02年楽天ショップオブザイヤースーパーオークション賞受賞
・長野県・新潟県・富山県・山梨県登録専門家(IT部門)
長野商工会議所経営革新支援アドバイザーセンター 登録専門家
経済産業省中小企業支援ネットワーク強化事業 認定専門家

物販で培ったマーケティングノウハウを活かし、経営視点かつ現場最優先の実践的なコンサルティングを得意とする。

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