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自社ECへの集客と差別化

毎度有り難うございます。フラクタ河野です。
前回は、「ECサイトのブランディングに必要なストーリーとコンテンツ」という題材でお話をさせていただきました。
自社コンテンツでどのような情報、写真(クリエイティブ)を発信していくべきか・・・
まずはできることから着々と積み上げていく事が大事です。
紙1枚だけだととても薄く、心もとないですが、紙が100枚、1000枚と重なった姿を想像してみてください。
きっと周りにも自信を持って紹介できるようになるはずです!

■お客様に見てもらってこそ

さて、今回はその先のお話。
素敵なコンテンツができて、自分たちの商品も自信をもって紹介できる土台ができた。
でもやっぱり見てくれるお客様(サイト訪問者)がいないと、結局意味ないような・・・。
その通りです。
我々の目的は、「コンテンツを作る」ことではなく「自社ECへ来訪したお客様がコンテンツを見て、ブランドを感じ、もっと好きになってくれる事 =>
ファンになってくれること、買ってくれること」が最終目標です。
ですので、ここに「集客」がなければ、実践した努力も水の泡・・・そこで、今回は集客について、お話していきます。

■お客様は「だれ」なのか?

ECサイトの「集客」をはじめよう!と思った時に、最初に思いつくのはどんなイメージでしょうか?

SEO?
リスティング広告?
バナー広告?
アフィリエイト?
ソーシャル上での記事投稿?

どれも重要ですね。しかしこれらはすべて「戦術」です。一つ一つは重要であっても単体では機能しません。
集客を行う上でまず最初に行うべきは「地図を描く」コトです。

地図?なんじゃそりゃ?

はい。説明足らずでした。地図というのは「お客様がどの様にして、自分たちのECサイトを知り、訪れてくれるのか」を図で示したものです。
マーケティングの世界では、「カスタマージャーニーマップ」等で呼ばれることもありますが、今回はそのさわりの部分「どうやって知ったのか?」を考えていきます。
「どうやって知ったのか?」は実際のデータをつかって調べることも重要ですが、サイトをオープンしたての状態やこれからオープンする、また十分なデータがまだ得られていない状態の時もあります。
どちらにしても、「どうやって知ったのか?」を見つけるためにはお客様は「だれ」なのかを想像する必要があります。

皆さんは自社ECの「お客様」像は直ぐに説明できますか?

・年齢はいくつくらい?
・お仕事は?
・どんな事に興味がある?
・趣味は?
・こだわりは?
・日々どんなサイトを見る?

なんとなくの想像の姿でも構いません。「こういった人がお客様だったら嬉しいな」でも良いのです。まずはこの姿がしっかりと思い描けていないと、先に進まないので、じっくりと想像してみてください。
重要な事は「幅を広く持たせない」こと。色々なお客様がいると思いますが、その中で「最も多い」お客様、または「最も来てもらいたい」お客様を想像してください。
そして、その「お客様」になりきって、自社ECにたどり着くまでの流れを想像します。

ここで最初に上がった手法

SEO?
リスティング広告?
バナー広告?
アフィリエイト?
ソーシャル上での記事投稿?

が出てくると思います。
どれでECサイトまでたどり着きましたか?上記にはない手段でしょうか?
そうであればそれをしっかりと、図の中に書いておきましょう。
社内の何人かで、一緒に想像すると、結果がバラバラになることもあります。
その場合はすべての手法を書いておきましょう。

■見えてきたお客様。次の一手は

お客様は「だれ」なのか、そしてどうやって自社ECにたどり着くのか。なんとなく見えてくると思います。
その見えてきた道筋にリソースを投下します。
ここで大事なことは「コスト」ではなく「リソース」で考えることです。
インターネット広告は様々な手法を取ることが可能です。
しかし、ここでは「費用対効果」を重要視することはあっても「リソース対効果」を重要視することはあまりありません。
これではうまくいきません。

想像してみましょう。
お客様像が見えてきて、結果下記の経路からの集客がもっとも効率的と仮説が立てられたとします。
(%は集客の割合。解説のために簡易的な数字にしています。)

SEO 35%
アフィリエイト 25%
ソーシャル上での記事投稿 40%

さて、どれを実行すべきでしょうか?
一見するとソーシャル上での記事投稿を重点的に行うべきように思えます。
しかし、これはリソースが考慮されていません。この中で、担当者が実践するのにもっとも「リソース」消費されるのは「ソーシャル上での記事投稿」です。
逆にほとんどリソース消費されないのは「アフィリエイト」になります。

もちろん、ここに対して、更に「コスト」を考慮する必要があります。
しかし、なぜ「リソース」を先に考える必要があるのか?
それはEC担当者や、ECマーケティング担当者が日本全体で不足しているためです。
そして今後更に状況は厳しくなっていくことが予想されます。
「足りないから人を採ろう」という考えはもはや通用せず、如何にして現状のメンバーで最大効率で回す必要があるため、「リソース」の概念を最重要視する必要があるのです。

このように、「リソース」を考えながら打ち手の優先度を変えていくことにより、より効果的な集客が可能になっていきます。

■差別化は自分でやったら異質化だ

「お客様の姿が見えてきて、集客の道筋も思い描くことができた。しかしこれでは数多のライバルたちから、我々のサイトを選び、訪れる理由付けが足りないのではないか・・・もっと大きなインパクトをつけるために差別化をすべきではないか?」

もっともです。
現代は「情報過多社会」。よほどのインパクトが無いと記憶にも残りませんし、そもそも気付きすらしないかもしれません。
しかしそこであえて自分たち自身で自社サイトや商品を無理やり差別化しようとすることは「異質化」と言えます。
先程想像した「お客様」の立場に立ってみてください。
本当に強烈な「差別化」が重要でしょうか?
わざとらしい差別化にうんざりしたことはありませんか?

差別化とは、自らが無理に設定するものではなく、日々発信される情報や行動、商品のこだわりやコミュニケーション全体をお客様が自然に感じ取って、はじめて成り立つものです。
最初の話に戻りますが、紙1枚だけだととても薄く、心もとないですが、紙が100枚、1000枚と重なると、とても重厚な姿になります。
お客様の姿が見え、集客の道筋も描けた段階で、日々の活動をしっかりと指針をもって積み上げていくこと。
これこそが差別化への最短経路です。

■ECサイトは奥が深い

今回は集客と差別化を書かせていただきました。まだまだ書き足りない事が沢山あるので、次回は「サイトオープン初期の集客」について、もっと掘り下げていきたいと思います。
あらためて、ECサイトは奥が深い!と日々感じます。
皆さん一緒に楽しく自社ECサイトを改善していきましょう!

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 河野 貴伸

株式会社フラクタ 代表取締役
EC-CUBEエバンジェリスト
Eコマースに関わる人材育成とブランディングに重点を置き、業界の発展とEC-CUBEの普及、デジタルイノベーションの推進支援をメインに全国でセミナー及び執筆活動中。


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