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使いこなして売上アップ 楽天アクセス分析徹底活用

ECショップでの売上公式
売上=アクセス人数×転換率×客単価

言わずと知れたEC運営における売上基本公式です。売上を上げるには、訪問者(アクセス人数)を増やすか、転換率を上げるか、どちらかを狙って施策を打つわけですが、訪問者を増やすには、①広告などのプロモーションを実施。②検索エンジンなどのSEO。などがあります。広告は費用負担を覚悟しないといけません。転換率を上げるには、③信頼度の高いコンテンツを作る。④配送方法、送料、受注からお届けまでのリード日数、決済方法、販売価格など競合他店との優位差。⑤かご落ち率。などがあります。いいコンテンツを作るにはかなりの労力とスキル・センスが必要ですが、かご落ち率は、改善に労した時間以上に大きな効果を期待できる場合があります。

近年、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon(出品)などモールでは、「早い配送、安い!」が特徴のAmazon(出品)に目が向けられて、楽天依存のEC運営に不安を持ち、Amazon出品に注力するECショップも多かったのではないかと思います。最近は楽天市場を見直す傾向もあり、楽天店に、てこ入れをすることでネット販売の安定的な売上確保をしようとする、すなわち「楽天帰り」とでも言うか、そんな傾向が見られのではないかと思います。

モールで売上を上げるために、かご落ち率の改善で転換率を上げるという施策は他競合店と、ほとんど差別化できません。転換率の改善よりアクセス人数(訪問者数)を増やす施策を優先させるべきです。もちろん、訪問されたお客様にご購入いただける一定レベルの転換率を維持した上でのアクセス人数増加の施策が必要です。

モールでアクセス数(訪問者)を増やすには、

・広告などプロモーション
・メルマガによるプロモーション
・新聞TV、SNS、You-Tubeなどによる紹介
・検索エンジン対策
・モール内サーチ対策

これらの中で、広告などの費用がかからず、努力次第で効果が期待できる「モール内サーチ対策」に力を入れていることが多く、「売上を上げるには ⇒ アクセス数を上げるには ⇒ モール内サーチ対策 」は正しい選択と思います。そして、それらを実践するには、「現状分析 ⇒ 施策 ⇒ 分析 ⇒ 検証 ⇒ 施策 ⇒ 分析 ⇒ 」というようにアクセス分析により現状を知った上で、モール内サーチ対策の施策をし、結果を分析・検証しそれらを繰り返す必要があります。

アクセス解析は、どのようなツールを使って、どのようにしたらいいのか?モール内サーチ対策はどのようなタイミングで行いどのように検証するのか?など楽天市場を例に具体的手順をご紹介します。

楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazonを対象に、詳細な商品ジャンル毎の売上トレンド、特定商品や自社商品を販売する、人気ショップを売上上位から把握できるなど、ショップ運営に役立つ統計ツール「Nint」をはじめ、幾つかの有償アクセス分析関連ツールがありますが、楽天市場には、RMS(店舗運営システム)に「売上・アクセス分析(R-Karte)」があります。

楽天RMS(R-Karte) は使いづらいという出店者の声もありますが、RMS外の有償ツールより統計精度は高く出店者が無償で利用できることを考えれば、うまく活用しない手はないと思います。楽天RMS(R-Karte)を使って、現状分析から商品名最適化による楽天サーチ対策、そして結果検証の流れを説明します。

楽天RMS 売上・アクセス分析機能一覧(R-Karte)

A.現状分析

1.アクセス分析機能一覧の「検索キーワード」ダウンロード
1)PC/スマートフォンの2種類のデバイスの期間設定(月次データ)でダウンロード。
2)2種類のデバイス(PC/スマートフォン)データを一つのデータにまとめ、同一検索キーワードのアクセス数を統合させソート。
3)月次の全デバイス/ PC/スマートフォンの検索キーワードランキングを作成し、上位ランキングを把握する。
4)商品名の最適化直前の一週間(週次データ)について前記1)~3)を行う。

2.アクセス分析機能一覧の「売上改善アクション」からデータコピー
1)商品別検索キーワード(前日分)30商品をエクセルにコピーデータ収集。
2)関連キーワード・ユーザトレンド(前日分)30件をエクセルにコピーデータ収集。
3)自店舗に流入の多い/楽天でユーザトレンド/転換率の高いキーワードを整理。

楽天RMS 売上改善アクション

B.楽天サーチのための商品名最適化

1.前項「現状分析」でまとめた「転換率の高いキーワード」を中心に商品名を最適化。
2.自店舗に流入の多い/楽天でユーザトレンドのキーワードで商品名を最適化。

※商品名の最適化にあたって、以下の「楽天市場 商品名登録ガイドライン 」を参照し、     商品名登録ガイドラインを厳守することが重要です。

<商品名登録ガイドライン>
2.1 商品名の登録方法
1)商品名は、255バイト以下で記入。
2)注意文言は商品名の先頭に【 】(隅付き括弧)で囲んで記入。
3)購買促進のために記載される商品内容以外の情報はキャッチコピーに記入。
2.2 使用可能文字について
1)特殊文字、機種依存文字、「★」や「◇」など意味を持たない文字使用禁止。
2)英数字、各記号は、半角で入力。
3)ワードは、半角スペースで区切る。
4)HTMLタグは
のみ使用可能。
2.3 商品名の基本体系
1)商品名称には、メーカー名・ブランド名とあわせて、その商品を特定できる呼称を記載。
2)ブランドのアルファベット、カタカナなどの表記違いは、最も利用されているものを記載。
3)項目選択肢別在庫の異なる要素は記載しないか、「全8色」「S-XL」のように記載。

C.商品名最適化一週間後のアクセス解析-検証

商品名の最適化を楽天市場サーバーにアップロードし、楽天サーチ順位、アクセス人数、売上金額などをウオッチし、一週間経過後、「アクセス分析機能一覧-検索キーワード」をダウンロード、及び「アクセス分析機能一覧-売上改善アクション-商品別検索キーワード」でエクセルにデータコピーし整理する。

1)デバイス別の検索キーワードランキング(アクセス人数)比較
2)商品名最適化前後の週次検索キーワードランキング比較
3)商品名最適化前後の週次売上比較
4)商品名最適化前後の週次アクセス人数比較
5)自店舗に流入の多い検索キーワードのまとめ
6)転換率の高い検索キーワードのまとめ

以下は、大型連休前に、商品名の最適化施策を繰り返し、検索キーワードランキングの動きをみたものですが、商品名の最適化とともに、それに応じたランキング結果が出ていること確認できています。

出店者という立場で一方的に商品名の最適化をし、仮にその結果が思惑通りにいき楽天サーチで上位表示されても、アクセスが上がらない、売上が上がらない場合があるかも知れません。また、何ら変化がない場合もあるかも知れません。

現状分析 ⇒ 施策 ⇒ 分析 ⇒ 検証 ⇒ 施策 ⇒

ECショップ運営を継続している以上、これらの作業はエンドレスで続ける必要があるのではないかと考えています。世の中のトレンドも変化します。施策して分析、そして微調整といった作業は留まることなく続きます。これらの作業をストレスなく継続していくために、楽天RMSアクセス分析(R-Karte)を使いこなすスキル、またデータを整理分析するエクセルやFileMakerなどツールを取り扱うスキルを身につけておくべきと思います。

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 松橋 正一

EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。


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