配送と顧客満足度

Eコマースでは、配送日数と配送費用に関して考慮する必要があります。特にアメリカ本土は東西で約4,500km離れていますし、時差も3時間あります。ハワイ州やアラスカ州は本土からさらに距離があります。注文者の心理からしますと、配送費用は極力抑えたいのですが、購入した商品は即座に欲しいものです。最近のある調査によりますと、配送日数が多いと消費者の23パーセントが注文を放棄しているというデータもあり、迅速な配送が顧客維持と満足度に重要な役割を果たしていると言えます。ただ、その場合も配送費用は大きな鍵となります。

以前、ティーンエイジャーに人気のブランドとしてご紹介したPrincess Pollyの配送日数(受領日)および送料は下表のようになっています。ここでもわかるとおり、今日のEコマース企業はタイムラインと予算を考慮し、さまざまな配送オプションを提供しているところが多いです。

Princess Pollyの送料例

配送タイプ	商品受領日	送料 (注文額50ドル以上)	送料 (注文額50ドル未満)
ハワイ、アラスカを除く48州
スタンダード	3-6営業日	無料	6.99ドル
エクスプレス	3-4営業日	3.99ドル	9.99ドル
翌々営業日配送	2営業日	15.99ドル	22.99ドル
翌営業日配送	1営業日	22.99ドル	27.99ドル
翌営業日配送 (LA近郊のみ)	1営業日	3.99ドル	9.99ドル
ハワイ州、アラスカ州
スタンダード配送	3-6営業日	無料	9.99ドル
翌々営業日配送	2営業日	15ドル	20ドル

スタンダード配送は最も経済的ですが、場所によっては注文してから商品を受け取るまでに6営業日かかります。上記のケースでは、もし注文総額が50ドル未満の場合は、スタンダード配送でも6.99ドルかかることから、消費者からすると注文総額と受領日の兼ね合いが重要となってきます。

迅速な配送は、タイミングと信頼性が重要な特定の分野では特に不可欠です。健康およびパーソナルケア、生鮮品、イベント関連品、ギフトなどのカテゴリーでは、顧客の期待に応えるために迅速な配送が必要で、それにより消費者の高い期待に応え、信頼性と応答性に関する企業の評判を高めます。

また、実用的なニーズを満たすだけでなく、迅速な配送を提供することは、競争の激しい市場で他社との差別化をするための戦略的ツールとしても機能します。Eコマース企業は、運用能力と顧客の需要に基づき、物流戦略に様々な配送オプションを組み込むことで、消費者に選択の余地を揃え、顧客満足度とロイヤルティの向上による潜在的なメリットのバランスを取りたいところです。

ところで、余談ですが、先日Amazonで注文した商品が午前6時に配達に来ました。いかに迅速なサービスと言っても、さすがに早すぎると思うのですが。